今週の一冊『最高のリーダーほど教えない ―部下が自ら成長する「気づき」のマネジメント』
(本日のお話 1635字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、終日企業研修でした。
会社の未来を作る次世代リーダーの方々に、
”自分の人生のミッションを考える”
ということを、ひたすら内省をして頂き行っていただく、
というワークショップを実施いたしました。
「ミッション」のような抽象的な問いを、
真剣に考えることは大変で、思考体力を使うことです。
しかしながら、昨日の研修で
皆様が集中して取り組んでいただけた様子であったのが、
たいへん嬉しく思いました。
(改めてご参加頂いた皆様、ありがとうございました!)
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『最高のリーダーほど教えない ―部下が自ら成長する「気づき」のマネジメント』
(著:鮎川詢裕子)
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です。
■最近、
「1on1」や「傾聴」という言葉が、
”リーダーの必須スキル”
としてよく取り上げられています。
しかし、確かに考えてみれば
私達は成長して「大人」になると、
”自分で考え、自分で動く”
ほうが、
能動的、主体的に動けるもの。
小学校の体育の授業のように、
(今はどうかわかりませんが)
「起立!気をつけ!」
「トラック3周走れ!」
のような、”指示・命令”に統率されて、
嬉しいか、気持ちよく感じるか、やる気になるか、
と問われれば、多くの方が、
「NO」
と答えるのではないでしょうか。
■確かに、新入社員など、
本当に、右も左もわからない、いわゆる、
「組織のルール」がわからないとき、
与えたタスクを全然こなせない、
「信頼度が極めて低い」状態であれば、
一定の指示は必要でしょう。
しかし、基本スタンスは、
”本人が考え、出来るように導くもの”
というのが、今の時代、
求められるリーダーのスタンスである、
私はそう、強く思います。
人は、「やらされ仕事」で
いい仕事など、できはしないのです。
■元々、「教育(educate)」の語源とは、
”引き出す”
という意味だったそう。
それが、「今週の一冊」の本のテーマでもある、
『「教える」ではなく、「気付き」を与える』
というアプローチです。
*
しばしば言われますが
「伝える」と「伝わる」は全く違うものです。
よくありがちな、
「前も言ったのに、なんでやらないんだ」
「これ、何度も言ってるだろう」
というのは、
”「伝えた」ら、人は動くもの”
という、大いなる勘違い、
幻想から生まれています。
口に出して「伝えて」も、
本人が、自分の頭で、心で納得しなければ
「伝わって」はいない。
その場で、上司・部下の関係性から、
「はい」と言った(言わされた)としても、
本心で腹落ちしていなければ、
最低限のことはやっても、
能動的には動けない、
それが人というものなのでしょう。
そして、それには、
・上司と部下の「信頼」
・部下に気づかせる「適切な問い」
・相手に気づかせようとる「リーダーのあり方」
などが、複合的に必要となってきます。
■そして、今週ご紹介の、
『最高のリーダーほど教えない
―部下が自ら成長する「気づき」のマネジメント』
では、
『部下に「気づき」を与える』
ための、
・心の持ち方
・具体的な質問の例(特にココが良いです)
・1on1の進め方の実践的な手法
などを、
読んでそのとおりにやれば出来るように、
詳細に書き記してくれている、
そんな本でございます。
ちなみに、代田ネスが、
著者の鮎川さんは私の知り合いでもありますが、
彼女は5000人以上のリーダーにコーチングをして、
そして結果を出してきた百戦錬磨のプロです。
その中で編み出してきた
”実践的なやり方”なので、
そういった意味でも、説得力があります。
■と、いうことで、
「部下の力を引き出したいけど、
どうやったらいいかわからない、、、」
と思う管理職、リーダーの皆様、
特にぜひ読んで頂きたいと思います。
平易な言葉で、原則的な話が、
「シンプルかつ具体的」
に書かれているので、
実際に活用しやすいかと思います。
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<今週の一冊>
『最高のリーダーほど教えない
―部下が自ら成長する「気づき」のマネジメント』
(著:鮎川詢裕子)
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