伊勢丹のカバン売り場のスタッフさんから学ぶ、「仕事の誇り」の示し方
(本日のお話 2154字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件の個別コンサルティング。
その他、研修の準備、企画など。
1日の振り返りで、時間の使い方を書き出してみると、
なんだかんだで、"中断"してしまいうものですね。。。
「生産性向上」「働き方改革」など叫ばれる昨今ですが、
・何時頃、何をすると最高に生産性が上がるのか?
・中断が生まれないような仕組みづくりはどうすればよいか?
・集中力を保つためにはどんな工夫があるか?
、、、など、
もっと考えていく必要がありそうだな、
と思った1日でした。
今度、このテーマで勉強会をしようかな。
*
さて、本日のお話です。
先日、アポイントの合間に、
「伊勢丹」の地下一階の、
"靴売り場&カバン売り場”
に立ち寄りました。
そして、その時のお店のスタッフさんの行動に、
実に感動をしたのでした。
それは、「仕事への誇り」について
考えさえられた、学ばせられたからです。
とても大切なことだな、と感じましたので、
本日はそのお話を皆様にご共有させて頂きたいと思います。
タイトルは、
【伊勢丹のカバン売り場のスタッフさんから学ぶ、「仕事の誇り」の示し方】。
それでは、どうぞ。
■私はあまり物欲がありません。
なので、家もテレビもないし、
別にブランド物がほしい、ということもない。
敢えて言えば、お仕事で使う、
"カバンや靴"
などは、きちんとしたものがほしいな、
といつからか思うようになりました。
そして、そんなことを感じた思い始めた、4年ほど前。
「伊勢丹 新宿」の地下1階の"紳士靴、カバン売り場”にて、
ブランド物ではないけれど、ある革のカバンを買ったのでした。
*
その時に購入を担当してくれたのが、
「佐藤さん」という方。
伊勢丹で一番高齢であるとおっしゃっていた、
女性のスタッフの方でした。
しかし、その彼女の
「カバンへの愛情」
「カバンへの知識」
「そのカバンを作った工房への想い」
がすごすぎて、
彼女の言葉が、
熱く、真剣にストーリーを持って語られ、
思わず引き込まれ、1時間後には
「これ、ください」
と、これまで私が買ったカバンなどのもので
一番高いものを購入していたのでした。
それは、
"有名なブランドではないけれども、
素晴らしい腕を持った職人さん”
が作ったと言われる、
茶色の革のダレスバックでした。
■それなりに(値段が)するものを買うと、
やっぱり不思議なもの。
大切にするのです。
雨が降ったら、使わない。
シミにならによう、気をつける。
乾拭きをして、日々磨く。
定期的に補給クリームを塗ってあげる。
、、、
そうやって、自分なりに、
大切に扱ってきたのでした。
■そして、先日、
取っ手が少し変色してきたように思えたので、
仕事の合間に新宿の伊勢丹に立ち寄りました。
そして、例の「佐藤さん」を探してみる。
すると、いました。
平日の昼間なので、お客様も少なく、
普通に佇んでいます。
声をかけて、
「4年前、ここでカバンを購入させてもらったものですが、
取っ手のこの部分が傷んできたので、修理が必要かな、
と思いまして、、、」
と伝えると、その後の第一声が、
個人的に大変感銘を受けるものでした。
(これぞプロだな、、、)
と思ってしまったのです。
■佐藤さんは、私が話し終えるなり、
「、、、まず、
大切に使っていただいて、
本当にありがとうございます。
彼も、カバンも、喜んでいると思います」
そんなことを、
愛情深そうに、愛おしげに、
カバンをなでながら、語られたのでした。
「お色味をみても、
本当に大事にカバンを育ててくれたのだな、と感じます。
きちんとメンテナンスもされていらっしゃって、
これからもっと、良い雰囲気で、革も違った表情を
見せてくれると思いますよ」
、、、
そんな「第一声」だったのでした。
事務的なものは、全くなく、
まるで「息子が実家に帰ってきた母のごとき」愛情を、
自分が扱っている商品に持っている、
それが、じんわりと伝わってきたのでした。
■思うのですが、
「仕事への誇り」
なるものは、
「何気ない一言」「何気ない所作」
に全てが現れるものです。
・本当に、その商品を愛しているか
・自分が、その仕事に誇りを思ってやっているか
・自分の仕事が、商品が、誰かを幸せにするものだと信じているか
・「売ったら終わり」ではなく、「売ってからが始まり」と思っているのか
、、、
そういった「本人の意図」というのは、
ほんの数十文字の言葉、
ごくわずかな目の動きで、
些細な雰囲気、声のトーンで
やはり伝わってくるものなのです。
その事実を、改めて気付かされると共に、
お客様と対峙する仕事をしている私として、
大変強く、インパクトを持って考えさせられたのでした。
■その後、隣の「靴」修理のコーナーで、
"かかと"を直してもらったのですが、
そのときのスタッフさんも、
私が履いてきたまだ生あたたかい靴を、
本当に大切そうに扱ってくれました。
丁寧に、丁重な手つき、所作で、
その「靴」を扱ってくれる。
もてなしてくれる。
その小さな行動に、
「仕事への誇り」
を、同じように感じたのでした。
■人には、
"見えないものを感じる力"
があります。
「なんか変だな、、、」という違和感は、
言葉に出せないけれど、きちんと理由がある。
きっと今回の話のような、
「何気ない言葉」
「言葉のトーン」
「動き、視線」
という言語、非言語を通じた、
全ての情報から受け取っているのです。
そして、それは、
同時に私達も同じように、
それらのメッセージを発しているということです。
私達は、誰かと共に仕事をする中で、
・社外のクライアントであれ、
・社内の同僚であれ、
・パートナー・関係会社であれ、
多くの方は、絶対的に関係というものはありません。
"判断し、判断される関係性"
つまり、全てが「お客様」とも言えるのでしょう。
表面上、うまくやっている、
良いことを言っているつもりでも、
「本心は伝わってしまっている」
このことを、私達は、
きちんと認識をする必要があるのかもしれません。
「仕事の誇り」についても、
自分のスタンスは、呼吸をしているだけで、
放射状に伝わっている、そのことを知ることが大切なのでしょう。
■そして、それを培うためには、
ちょっと大げさかもしれませんが、
「いつ何時も、常々、その事を考える、"真剣さ”」
が必要になるのでしょうし、
・なぜその仕事をやっているのか
・仕事を通じて何をなし得たいのか
を深く内省する必要があるのだろう、
そのように思います。
ということで、
【”伊勢丹のカバン売り場のスタッフさん"から学ぶ、「仕事の誇り」の表し方】
を、佐藤さんから学ばせていただいた、
というお話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も、皆様にとってよい1日となりますように。
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<本日の名言>
偉人の価値は、責務にある。
ウィストン・チャーチル
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