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1791号 2019年1月12日

「リベラルアーツ研修」に参加して感じた、『古典』を学ぶべき理由

(本日のお話 1987字/読了時間2分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日より、神奈川県の湘南国際村にて、
『日本アスペン』という”リベラルアーツ(古典)”を学ぶ合宿研修に来ております。

※参考:「日本アスペン研究所」 http://www.aspeninstitute.jp/

2泊3日の非常に濃厚な研修で、
大手企業の優秀な幹部候補の方々と共に、

「古典」

についてひたすら対話をしております。

本日はそんな”教養”の一つである、
「古典」からの学びを通じて気づいたことを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「リベラルアーツ研修」に参加して感じた、『古典』を学ぶべき理由 】。


それでは、どうぞ。



■「長く残り続けるものには、理由がある」。


「古典」を学ぶ意味を、そんな言葉も含めて、
今回の「日本アスペン研究所」のワークショップで聞いたのでした。

当然のことかも知れませんが、

どんな物語であれ、
映画であれ、
本であれ、
思想であれ、

「歴史」を生きながらえてきたということは、
偉人賢人をはじめとした多くの人々に評価されて続けている、ということ。

すなわち、変わりゆく世の中において、
「生存競争」を勝ち抜いてきた作品である、
といえるのでしょう。


■きっと誰もが一度は名前を聞いたことがある作品、

例えば、

孟子、ソクラテス、紫式部、プラトン

などなど、、、。

では詳細を知っているか、と言われたら、
ほとんど知らないというのが現実でしょう。

しかしよくよく見てみると、

・『孟子』(孟子) 約2000年前
・『形而上学』(アリストテレス)約2000年前
・『源氏物語』(紫式部)約1000年前
・『平家物語』(作者不詳)約700年前
・『ジュリアス・シーザー』(シェイクスピア)

とそれらは、1000年に2000年と時を超えて
「歴史の風雪」にさらされてきた作品であることに気づきます。


多くの文化、価値観、宗教、戦争、、、

様々な変化があったにも関わらず、
多くの人に語り継がれ、文献として残り続けたというのは、

「価値があるもの」

と”人類”に認識されてきたに他ありません。

それは紛れもない事実なのです。


■では、繰り返しますが、

「実際に読んだことがあるだろうか」
「どんな事が書かれているか知っているだろうか」

と自分に問うてみると、
言葉に詰まる方、多いのではないでしょうか。

(少なくとも、私も「言葉に詰まる」方の人間でした)

しかし今回、「古典を学ぶ」ワークショップに参加し、
大いに「考え方」が変わってきたのでした。



「古典」というと、確かに、
その言葉の表現は、馴染みがないものです。

しかし、言っていることは、
理解できる、至極本質的なこと。

人間は、良くも悪くも、変わらないのです。

我々の根底に流れている大切な原則は、
1000年前でも、今でも、同じなのです。

だから、

・大切な人と離れるときは悲しいし、
・やきもちや嫉妬もするし、
・権力に負けそうになったりするし、
・階級など、格差も存在するし、
・大衆が暴走もするし、

、、、そんなことを繰り返し続けている。


■逆を言えば、

「昔から原則である」と言われてきたことは、
「変わらず今も原則である」ともいえるし、

「昔失敗した」ことは、
「これからも失敗する(可能性がある)」とも言える、

ということ。

だから、

『歴史から学ぶべし』

と言われるのです。


また、「すぐに役立つことはすぐに役立たなくなる」と言われ、
また情報の陳腐化が激しい今のような世の中だからこそ、

【「本質的な学び」こそが、現代の私達に求められている】

そういっても、過言ではないかと思うのです。


■ちなみに、そんなものの一つで、
例えば、この2日間で学んだことで、
「シェイクスピア」がありました。

私も初めて読んだのですが、
今回読んだお話は『ジュリアス・シーザー』というお話。


簡単に言えば、

「ローマ時代のある2人の男性の、大衆の前での演説」

が描かれているのですが、
それが非常に面白いのです。

その話はまた読んでいただければと思いますが、
そこからの学びを、雑ですがお伝えすると


・動かされやすい大衆の心理、とか、

・語り継がれる話は『韻を踏む』ことが多い
(=聴覚と刺激し、聞きやすい)とか、

・相手を味方にするには、相手の立場に立つことである(弁論術)

・難しく正しい話より、簡単なシンプルな話が刺さる

、、、

というような、今の世でも「わかるわかる!」となることが、
たくさん描かれているのです。

それはあたかも、今の世の中の動きを風刺するような、
繰り返しうる歴史を指摘しているような、

そんな「人間模様」「社会情勢」が短いストーリーの中に、
繊細かつ、重量感のある表現で、グッと盛り込まれている。

ゆえに、深みがあり、奥行きがあり、質量がある。

だから、多くの人に語り継がれ、
そして名作として生き続けており、
そこから学ぶことも非常に多いのでしょう。


■今の世の中は、非常に慌ただしく、

「目先のこと」

を求められています。

でも、常に世界のルールは代わり
私達もそれに伴って変わり続けることが求められています。

なんのために、それをやっているのか、
忙しくしているのかを、問われている世の中でもあります。

AIが進み、仕事がなくなると言われる今。

そんな中、

【そもそも、何が本質なのか?】

【そもそも、働くとは何か?】

【人がなすべきこととは、何か?】

、、、
そんな、”根源的な問い”、
”答えなき問い”に、今こそ私達一人ひとりが向き合うときなのかもしれない

そんなことを思う次第です。


■世界を動かしてきた

・スティーブジョブス
・オバマ大統領

なども「リベラルアーツ・カレッジ」出身といいます。

あの池上彰さんも、教養の重要性をよく語ります。

今一度、教育の原点に立ち返るときではないだろうか、、、
そんなことを思いつつ、湘南の夜を過ごしている週末でした。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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<本日の名言>


ある真実を教えることよりも、
いつも真実を見出すにはどうしなければならないかを
教えることが問題なのだ。

ルソー

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