「自分の意見」を持ちたければ、賛成と反対、双方の論説を知ること
(本日のお話 2653字/読了時間3分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
また、4Dx(戦略実行)のワークセッションの立ち会い。
夜は、人事の有志の方を交えての交流会でした。
年代も幅広で、業界も多様な人がたくさん集まられており、
私自身大変に勉強になった時間でした。
他業界の方の話は、本当に気づき、学びになります。
つながりを大事にしたいな、と改めて思いました。
*
さて、本日のお話です。
先日、私のウルトラマラソン仲間でもある友人から、
ある「質問メール」を受け取りました。
そのメールを受けて、諸々考えることがありましたので、
本日はそのお話について皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「自分の意見」を持ちたければ、賛成と反対、双方の論説を知ること】。
それでは、どうぞ。
■私が尊敬する先輩経営者の1人で、
ロジカルかつ、軸がぶれない、情熱の塊のような方がいます。
ディスカッションやディベートなどでも、
その見識の広さと、そこから繰り出される持論の軸の強さに憧れてしまう、そんな存在。
その方に、数年前こんな質問をしたことがありました。
「どうしたら、そのような確固たる”自分の意見”を持つことができるのですか?」
すると、
「極右と極左とか、超賛成派と超否定派、”どちらの意見”もしっかり調べること。
それから真ん中に戻ることだよ」
そんな答えでした。
なるほどですね、なんて当時は答えましたが、
最近その「左右に大きく触れて、真ん中に戻ること」の大切さを、
しみじみと感じるのです。
■というのも、話は変わって先日の日曜日。
メルマガにて今週の一冊として、
『睡眠が最強の解決策である』(著:マシュー・ウォーカー)
https://www.amazon.co.jp/dp/4797395842/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_Ne1wCbAYXAPX7
という本を紹介させていただきました。
書いてあることを極端に言ってしまえば
・睡眠こそが最強。
・寝ればダイエットも、病気も、鬱も、全部治る。
・現代人は寝てなさすぎる。7~9時間ゼッタイ寝るべし。
そんな意見を軸に、
様々な研究結果を引用して睡眠の正当性を掲げる、という本です。
私は、その本を読み、
「やっぱりそうだよな~。寝てないと力でないもんな」
などと思い、両手を上げて賛成したのでした。
実際メルマガでも、影響を受けて、
睡眠の大切さについてアツく語りました。
■と、その翌日。
ウルトラマラソンの仲間であり、
公認会計士&資格取得TACのトップ講師である尾崎智史氏より、
こんなメールをもらったのでした。
(以下、引用)
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睡眠に関しては私もいろいろ悩んで本を読んだり、
セミナーに出たりして学んできていますが、
下記の書籍も読んでみていただけませんか?
『睡眠の常識はウソだらけ』(著:堀大輔)
https://www.amazon.co.jp/dp/4866808004
だいぶ極端な意見の本ですが、
紀藤さんがこれを読んでどう感じるのか?が気になります(^^;)
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とのこと。
*
ということで、この『睡眠の常識はウソだらけ』を早速読んでみました。
すると書かれていることは、タイトル通り先述の本とは真逆。
曰く、
・睡眠は万病のもと
・現代人は眠すぎ
・寝ないほうが長生きできる
・学者のデタラメ実験ご都合主義
というように「睡眠は悪」とのことで、
「睡眠が重要説」に正面から立ち向かう本でした。
この著者は「ショートスリーパー(短時間睡眠)」だそうで、
短時間睡眠になってから、幸せを獲得したとする方です。
■すると、同じ睡眠でも、
『睡眠が最強の解決策である』VS『睡眠の常識はウソだらけ』
という対立構造が成り立ちます。
大真面目に受け止めれば、
全く違う考察が書かれているので、
・じゃあ、どっちが本当なの?
・どっちが信用できるの?
・答えはどっちなのさ?
と、「?」マークが頭にいっぱい浮かぶわけです。
でも、この時ふと頭に浮かんだことが、
「まあ、これが普通だよな」ということ。そして、
「まだまだ(睡眠について)調べてなかったな」と反省でした。
*
多くの論説を呼ぶ考え方は、全て、賛成もあれば反対もあるものです。
答えがわからない方が、「普通」なのです。
世の中で騒がれているモノノ中で、答えがシンプルかつ、
決まっているもののほうが実は非常に少ない。
そんな中で大切だと思うのは、
【どちらの意見も聞いた上で、「自分の意見」をどこに置くか】
と感じるのです。
(”どちらの意見も聞いた上”で、というのがポイントです)
■情報が増えると、混乱します。矛盾が生じます。
ある一方向からの意見だけを聞いておくと、
スッキリとした論理なので、賛同しやすい。
でも、どちらの意見も聞くと、
「100 : 0」でどちらか悪いなんてことはありえず、
双方理にかなった視点があるものです。
政治問題も、歴史認識も、ゴーン事件もそう。
どちらの意見も聞くと、自分が”揺れる”のです。
知れば知るほど、どちらも正しく見えて、
「自分の意見を持つこと」は難しくなる。
一方向の偏った意見だけを掘り下げ、情報を集め、
それを真実としたほうが考えずに済むから、実は「楽」なのです。
しかし、それでは、
「真実を見極める」「自分の意見を持つ」ということにはならず、
「ただ信じたいものを”盲信”しているだけ」になってしまうのでしょう。
そんなことを、友人からのメールを見て、
「睡眠最高!」と、深く調べずになっていた自分を振り返り、はたと気づいたのでした。
■「ディベート」という技法が学びになるのも、
”どちらの立場”にも立つシミュレーションをするから、と言われます。
同様に、私達の日常生活でも、
起こりうる「意見の対立」や、分断がありえます。
そんなときには、自分の持論を持つために、
正しい考えがどちらなのか、自分の置きどころを考えることが重要です。
そのために、
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1,賛成、反対どちらの意見も、知ること
2,その上で、「自分の意見」をどこに置くか決める
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このプロセスこそが
「自分の意見/軸」を確立するための大切な要素ではなかろうか、
そのように思うのです。
■ちなみに、「睡眠」の2つの本については、
『睡眠が最強の解決策である』 を、やはり私は支持します。
『睡眠の常識はウソだらけ』の本は、
(あくまで個人的意見ですが)
・著者の個人的見解が中心
・睡眠実験の正当性を否定してはいるが、逆にショートスリーパーが正しいということを証明できることはない
・自分自身(紀藤)が、睡眠をとることでパフォーマンスが高くなったと感じている
等々が理由です。
といことで、「自分の意見」としては
『睡眠が最強の解決策である』派でございます。
というより、ちゃんと寝たほうが私は気持ちいいです。
と話が散らばってしまいましたが、
【「自分の意見」を持ちたければ、賛成と反対、双方の論説を知ること】。
というお話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日になりますように。
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<本日の名言>
人はその好むところをもって、
真実とするなり。
デモステネス
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