タックマンモデルから学ぶ「衝突・対立・混乱」があるからこそ分かり合える、というお話
(本日のお話 2150字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日金曜日は、2件のアポイント。
また、本日土曜日は企業研修でした。
「セルフ・イノベーション研修」と題して、
次世代の会社を担うリーダーの皆様と、
半年にわたってリーダーシップについて学ぶ本プロジェクト。
いろいろなゲストを交えて行いつつ、
私自身、受講者の皆様と伴走させていただいております。
(ご参加いただいた皆様、本日もありがとうございました。
次回も、引き続きよろしくお願いいたします!)
*
さて、本日のお話です。
研修の懇親会の中で、
参加者の方からとあるご質問をいただきました。それは、
「本音を言うと、相手が傷つくのではないかと思って、なかなか言えない」
というもの。
実はこの問い、特に”心優しい方”が感じる、
代表的な葛藤の1つではないかと私は思っています。
本日はこの話について、私の思うところを、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【タックマンモデルから学ぶ「衝突・対立・混乱」があるからこそ分かり合える、というお話】
それでは、どうぞ。
■相手に、率直な一言をぶつけると、
ある種の”不均衡”が生まれます。
自分の意見と、相手の意見との対立。
あなたと私は違うという、価値観の拒否、反発。
起こりうる衝突と、それに対するデメリットを考えると、
結局、「言わないほうがいいかな、、、」と、言おうと思っても言えずに終わる、
人間関係において、そんな状況、
結構あるのではないでしょうか。
■もちろん、「自分がただ言いたいだけ」あるいは、
「相手より優位に立ちたいから」と言う、
”自分のエゴ”から出る指摘は論外です。
結局、その意図は相手に伝わりますから、
何も生み出すものはありません。
伝わらないどころか、ただ関係が悪化し、
信頼関係も損なうだけで、やるだけ損です。
しかし、基本的に、
”相手のことを思って伝えるメッセージ”
は、その根本の思いやり、愛情が伝われば、
(伝われば、というところがポイントです)
相手への成長のチャンス、お互いの関係の改善、向上のため、
本音をぶつけてしかるべきだと私は思うのです。
しかし、そのためにはやはり、
「勇気」がいるのです。
■では、どうすれば「本音を伝える」という、
”衝突のリスク”を恐れず、言葉に出すことができるのでしょうか。
その1つの考えとして、ある有名な、『チーム形成のモデル』を知ると、
そのヒントの1つになるのではないか、と思います。
そのモデルとは【タックマンモデル】と言われるものです。
簡単にご説明すると以下のような考え方です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【タックマンモデル】
チームが真に成果を出すには、以下のプロセスを踏む。
1、チームが形成される
ちょっと遠慮がち。緊張していて、気を遣っている。
ゆえに外からは仲良く、和やかにみえる。
2、混乱がおこる
慣れてくるがゆえ、意見や主義・主張のぶつかり合いが起きる。
衝突・対立する。いざこざが起こる。
3、統一されていく
”混乱”を経たからこそ、お互いの考え、行動の特性を理解し合うことができる。
お互いの役割を認識し始める。
4、チームが成果を出す
チームが機能して成果が生まれる。成功体験ができる。
各役割に応じて、皆が自律的に動く。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
というモデルです。
■タックマンモデルのポイントは、
「2,混乱が起こる」
というところ。
”混乱”というとネガティブなものに捉えられがちですが、
この考え方から言えば、
「混乱を乗り越えたからこそ、お互いの考えがわかり、理解しあえる。
そして、成果が出る」
こと、ここが重要な点なのです。
*
多くの人は(特に日本人は)
意見の食い違い、人と違うことを恐れ、
衝突・混乱することを避けようとしてしまいます。
しかしながら、実はこの、
”お互いの違いをぶつけ合うからこそ、相手の大切にしていることがわかる”
というのは、1つの事実なのです。
もし、お互いが本気であるならば、
”自分が大切なこと”を強く伝えたくなるものです。
人が感情的になるのは、
「大切にしたいこだわりが伝わらないから」
ということも、多々あるのです。
それを、お互いに伝え合うことでぶつかり合ったとしても、それは
「健全な衝突」「創造的な対立」、
「未来を作り出すための必要な混乱」
とも言えるのかもしれない、
そのように思うのです。
■もちろん、立場の上下を意識したり、
(下の人はいいづらいもの)、
・相手に対して愛情を持っていっているかどうか、
(自分の保身、エゴが出ていないか)
などは、大切なポイントになってきます。
しかし、相手と自分の、より明るい未来を考えた上での
「腹を割った話合い」と言うのは、
きっと相手にも伝わると私は信じています。
*
私も、これまでに、
かつての上司、友人などと、
色々な衝突がありましたが、
より良くしたいという思いを持った上で、
本気の本気で、腹を割ってぶつけ合った場合、
往々にしてその後は、より深い「絆」が生まれていました。
■混乱、衝突、対立。
消して前向きな言葉では無いかもしれませんが、
”ぶつかり合うエネルギーが生み出す価値”は、
間違いなくあります。
「衝突」「対立」の価値を、
改めて見つめることで、気づくこともあるのだろう、
そんなことを思った次第です。
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<本日の名言>
人は喧嘩する時、双方とも悪いと感じている。
ゲーテ
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