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1860号 2019年3月22日

イチローの引退と、生き様から思うこと

(本日のお話 2993字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日「春分の日」は、終日ワークショップへの参加でした。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

という書籍で有名な、
アービンジャーインスティチュートという会社の研修の初日でしたが、
学びの多い、楽しい時間でした。

この学びについては、また後日ご共有できればと思います。



さて、本日の話です。

昨日、イチローが引退を発表しました。

私の生活は普段テレビもなく、有名人の引退などは、
あまり心が動かない(興味を持てていないとも言える)のですが、
ことイチロー氏のこのニュースに限っては、自分の中で
感謝とも、切なさとも言える、不思議な感覚を覚えました。


皆さまも思うところがあるニュースかもしれませんが、
あくまでも個人的な想いということで、イチロー氏の引退について、
皆さまに思うところをご共有させていただきたく思います。


タイトルは、


【イチローの引退と、生き様から思うこと】


それでは、どうぞ。


■イチロー選手が引退した事は、
昨日から今日の朝に至るまで、大きなニュースなっています。


私は野球にあまり詳しく無いですが、
イチロー選手ではなく、「イチロー」という存在から、
学ぶものは多かったと感じます。

そして、私以外にもそう感じている人が、
日本に、世界に、たくさんいるのだと思います。


今更言葉に出すのも躊躇うほどではありますが、
改めて、イチロー氏の残した遺産というのは、


『野球ではなく、「生き様」を教えてくれたこと』


だと感じます。

もっと言えば、野球を通じて、

日本人の誇り、サムライとしての生き方を世界に知らしめてくれたこと、
そして、私たち日本人に自信を与えてくれたのではなかろうか、

個人的にはそのように感じています。

小さな体でも、そのあり方、
一本筋の通った、「刀」のような生き方をすることで、
どこまでも遠くへ行ける。

そんなことを思わせてくれました。


■昨日の引退会見で、イチロー氏がこんなことを語っていました。

以下引用です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(記者からの質問)

Q、生き様で伝えたこと、伝わっていたら嬉しいと思うことは?


(イチロー)

生き様というのは、僕にはよくわからないですけど。
うーん、まあ生き方というふうに考えれば…。

先程もお話しましたけれど、人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。

あくまでも、秤(はかり)は自分のなかにある。
それで自分なりに秤を使いながら、自分の限界を見ながら、
ちょっと超えていくということを繰り返していく。

そうすると、いつの日か「こんな自分になっているんだ」という状態になって。

だから、少しずつの積み重ねが、
それでしか自分を超えていけないというふうに思うんですよね。


一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、
それが続けられないと僕は考えているので。

地道に進むしかない。進むだけではないですね。
後退もしながら、ある時は後退しかしない時期もあると思うので。

でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。
でもそれは正解とは限らないですよね。
間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。

でもそうやって遠回りすることでしか、
本当の自分に出会えないというか。そんな気がしているので。

(後略)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このメッセージを読んだときに、

これは、このことこそがイチロー氏が
野球を見ている人だけではなく、私たちに日本人に、世界に、
伝えられた素晴らしいメッセージなのだろう、と感じました。


■上記でイチローが語った事は、
言われてみれば当たり前のことかと思います。

いろんな本で言われていて、
ある意味誰でも口に出すのは簡単な言葉とも言える。

しかし、大変な結果を残してきたイチローが、
このことをその背中で語り続けてくれたおかげで、
私たち一人ひとりの人生における”小さなチャレンジ”を後押しし続けてくれた、

そんなように思えたのです。



思うのですが、名もない誰かが、
それぞれが注目されることもない一人一人が、今も何処かで、
イチローが語ったような

”自分の秤の中で、自分の限界を少しずつ越えていこうと努力している”

ことをしているはずです。

そんな世界は、多くの人が気づいていないだけで、
どこそこにあるものだと思います。

大学受験に頑張る受験生もそう。
社会に出て、もがきながら多くのことを学ぶ新入社員もそう。
初めての子育てで、四苦八苦しながら成長するお母さんもそう。
60歳を超えて、第二の人生として新たらチャレンジをしようとするおじさんもそう。
日々ランニングで昨日の自分を越えようと努力するランナーもそう。

、、、皆が、見えないところで、

『自分の秤の中で、自分の限界を少しずつ越えていこうと努力している』

のです。

そのステップの美しさに、
相対的な違いはあっても、絶対的に違いなどはないはず。

だから、その人の歩みは光り輝いて見えるし、
その姿勢が、小さな明かりかもしれませんが、周りを照らすのです。


■私のこのメルマガも、
私なりのそんな小さな活動の一つだと思っています。

毎日、365日書き記していますが、
それが楽かと言えば、楽ではないことも、もちろんあります。

しかしそれでも毎日少しでも良いメッセージを、
少しでも昨日の自分を超えられるような、
中身が濃い、洗練された表現を、と思いながら書くのです。

しかし、必ずしも良いものが書けるわけではなく、
気分が乗らない時、うまくいかないときもある。

イチローが語るように、前進だけではなく、
昔書いていたもののほうがよいような、と思える
「後退している」ように思えることもある。

でも、自分の中で「続ける」と決めたことは変わらず、
それが本当に成果に繋がるのかはわからなくとも、
「その先にきっと何かがあるんじゃないか」と信じてやるのです。

それは不安でもありますが、
そんな”先の見えない一歩一歩”について肯定してくれたような、

その先に何かが待っているのではないかと思わせてくれる、
そんな力強いものを、イチロー氏の生き方から感じていました。


■個人的な思い出があり、数年前、読者のとある方から、
「このメルマガは日々ヒットを重ね続けるイチローのようだ」
と、本当にもったいない言葉ながら、いただけたことがありました。

その言葉がとても嬉しく、今も胸に刻みながら、
日々日々一本一本(メルマガですが)を重ねている気持ちでいます。



誰かに注目されるとか、凄い賞を取るとか、優勝するとか
それでは1つの側面を切り取っただけにしか過ぎない。

本当に大切なのは、

”少しずつ自分の限界を超えて、
 理想の自分に近づいていこうとする歩みのプロセス”

であり、それはすべての人に許された、
私たち一人ひとりすべての人に言える大切な生き方ではなかろうか、
そんなこと今、思います。

きっとイチロー氏は、野球を引退しても、
その「生き方」をまた別の形で伝えてくれる方と思います。

やっていることがなんであれ、

”昨日の自分を超え続ける”

そんな生き方を貫き続けることができたら1つ、
自分に納得ができる、幸せな人生だよな、

そんなことを私は思いました。

改めて大切なメッセージを、私だけでなく、
日本に、世界に伝えてくれたイチローに、感謝と敬意を表したいと思いますし、

私自身も、今日書いたような言葉に、
もっと質量が乗るよう、日々精進して歩みを続けたい、
そう思った次第です。

ありがとうございました。

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<本日の名言>

自分にとって満足できるのは
少なくとも誰かに勝ったときではない。
自分が定めたものを達成したときです。

イチロー

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