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1890号 2019年4月21日

今週の一冊『好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則』

(本日のお話 1658字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

出張で愛知に来ております。
またこの週末も、WEBサイトの作成のため、
ひたすら自分の脳内作業でした。



さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する今週の一冊のコーナー。
今週の一冊は、

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『好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則』
(著:楠木建)



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です。


■昨日からのメルマガでもご紹介しているこの一冊。
改めて本日、この本の面白さを、
皆さまにぜひご共有させていただきたいと思います。

ちなみに、この『好きなようにしてください』という本。

インターメディア『NewsPicks』での連載されていた
「楠木教授のキャリア相談」なるものを編集したものです。

楠木建氏のプロフィールを紹介すると、

・一橋大学の競争戦略論の教授
・『ストーリとしての競争戦略』という書籍で有名
 戦略本」としては異例の20万部もの大ヒット作の著者

であり、上記の本は、
読まれた方も少なくないかと思います。
(かくいう私は、まだ”積読”で読んでおりませんが…汗)

■さて、そんな楠木氏が、
「読者の仕事のお悩み」に、彼ならではの切り口で答える、
という作品なのです。

そして、その読者から質問が、
「あー、あるある!」という非常に共感できるテーマなのです。

例えば、

「大企業とスタートアップで迷っています」
「30代でいまだに仕事の適性がわかりません」
「キャリア計画がない私はダメ人間ですか?」

などなどもあれば、22歳の新卒の男性が、

「プロ経営者になりたいです。どうしたら最短距離でなれますか?」

みたいな、ありがちな”盲目系若者”の質問に対して、

「愚問をいただき、ありがとうございます。
 こういう質問をお受けすると、人間の性を痛感します。
 人間というのは実に虫の良い考え方をするものです」

と、優しく(?)ぶった切ったり、
時に秀逸な表現で違う視点を与えてくれるのです。


■読者の方はもちろん、相談者には、
色んなバックグラウンドがあるのでしょう。

でも、長くとも400文字くらいの「悩みのお便り」から、
その人の悩みや背景、能力や人格を、推察して回答するのです。

「シャーロック・ホームズなみの推理力」を用いて、
しかも、明確な答えなどない「人生の悩み」について答える。

『結局は「がんばろうぜ」になる相談』と楠木氏が引用するように、

「どうぞ、好きなようにしてください」

としか言えない。

でも、最初に断った上で、楠木氏の持論を展開しつつ、
読者の疑問に答えていくのです。


■そして、その読者への回答が、非常に面白い。

興味深い、という意味でも面白いし、
笑える、という意味でも面白いし、
勉強になる、という意味でも、面白いのです。

真面目で正論になりがちなテーマの中で、
ユーモアのセンスが光ります。

言葉からあふれる「知性」を感じ、
自分自身を、その相談者に投影し、読み進める中で、
答えらしきものが見つかった気すらしてきます。

■昨今のビジネス書を読んでいて思うのが、
「否定ができない綺麗事の答え」を、

”いつもの言い回し”で、
”同じようなコンセプト”にて

何度も伝えられると感じることがあります。
それは、ある意味、辟易してしまうこともあります。

例えば、

「自分がどうなりたいかを明確化しよう」
「ビジョンを持つことが大事だ」
「教養を深めよう。旅をしよう」
「夢に日付を入れよう」

などなど。

というか、私も言っています(汗)
もちろん、そのこともある側面では事実。
否定するわけではありません。


■ただ思うのが、いくら正しいことでも、
「使い古された言葉」「手垢のついた言葉」では、
新たな気づきも伝えられなければ、心が動くこともないなと、
(自身戒めとしても)よくよく思うのです。

すなわち、同じことを語るにしても、

「表現の仕方」

が重要なのです。

そういった背景を踏まえた上で、
楠木氏が培ってきた、

・多くの人々や企業の具体的な事例、
・自身の中で考えてきた内省
・多くの著書に触れた学者としての表現の広さ

によって、言葉の持つ奥深さを存分に発揮し、
言い得て妙の表現で語られることで、不思議なもので、
「よくある悩みに新たな気づきがもたらされる」、

そんな感覚を覚えられるかと思います。


■この著書に書かれている「悩み」は、
その他にも、以下のものがあります。

「上司にやる気がない。転職すべき、とどまるべき?」
「今すぐ起業すべきか、一年修行すべきか?」
「リスクを取らず、成長しないまま中年に突入するのが怖い」
「産後、夫の反対を押し切ってまで仕事を継続すべきですか?」
「”器用貧乏”な自分が嫌。専門性が欲しい。」

、、、

きっと、同じような悩みを持っている方もいるはず。

そんな「悩み」にスバスバと、小気味よく、
そして面白く答えてくれます。
その回答には、皆さま自身の参考にもなるでしょう。。

また、単純に彼のおやじギャグ(?)センスも注目です。

なんとも面白いユーモアにあふれており、
楽しく読める一冊です。

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<今週の一冊>

『好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則』
(著:楠木建)


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