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1892号 2019年4月23日

「日本一長い吊り橋」の誕生のエピソードから学ぶ、”自分ができること”の拡げ方

(本日のお話 2200字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、名古屋で1件のアポイント、
その後、静岡にて、アポイント。
夜は東京にて『事業を成功に導くマーケティング論』のゼミに参加してまいりました。

そして、そのまま懇親会への参加。
中華料理を食べすぎて、体重がまた増加しました。
野辺山ウルトラマラソンまで、あと25日。
ちょっと、まずいです、、、。



さて、早速ですが本日の話です。

昨日、静岡にある「日本一長い吊り橋」に、
お仕事の繋がりで行ってきました。

そして、そこでたまたま施設長から聞いたお話が、
非常に学びになるお話なのでしたので、
今日はそのエピソードをご紹介するとともに、
気づきを皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは


【 「日本一長い吊り橋」の誕生のエピソードから学ぶ、”自分ができること”の拡げ方 】


それでは、どうぞ。



■静岡県三島市。

箱根のすぐ隣にあり、
東京から車で約90分の場所に、
2015年『三島スカイウォーク』なる「日本一長い大吊橋」ができました。

三島スカイウォークの特徴は、
「日本一の長さである(400メートル)」。

しかしもう一つの特徴として、

”日本初の民間による大規模吊橋の建設である”

ことが、非常にレアなケースで注目されています。

文字にすると普通そうですが、
これ、かなりスゴイことなのです。
(行政の例外を作った、という意味で)


■ちなみに、その民間企業というのが、
地元に根ざした「フジコー」という会社。

会社概要は以下の通りです。
(ホームページより)

資本金:1000万円
事業内容:アミューズメント事業・飲食事業・観光開発事業・ネットカフェ事業

、、、とのこと。

つまり、メインビジネスは平たく言えば、
「地元のパチンコ店」の運営です。

三島で35年、地元に根ざして経営してきました。
そして社長が「生まれ育った三島に貢献したい」とのことで、
この三島に還元できるビジネスができなかろうか、と考えたそう。


■そんな中、大分県の当時、日本一長い吊橋だった(390メートル)ところにヒントを得て、
また、大分の町長にも許可を得た上で
この富士山も見える場所に吊り橋を作ったらどうか。
「新たな観光スポット」としてはどうか、と考えたそう。

、、、しかし、それらの「橋」等の施設は、
民間が作るものではなく、行政の役割です。

だから、企画したときも、

「絶対ムリ」
「全然想像ができない」
「ありえない」

と言われ、市役所に行くたびに、
(また来たよ…)と白い目で見られていたそう。


■しかし、たまたまそのタイミングで、
神風が吹いたように、

・今、問題視されている津波等の”内陸の避難施設”が求められた、
・今、注目されている”町おこしのブーム”の後押しがあった

などなどで、異例の「民間企業の吊橋建設」の認可が降りたのでした。

その前例がないビジネスモデルが素晴らしい、とことで
「グッドデザイン賞 2017」を受賞。

そして現在、毎年100万人を超える来場者数を記録しています。

通常、この種の施設であれば、最初はバブルのように来場者が増えても、
少しずつ来場者が減っていくのがそうですが、
この『三島スカイウォーク』は、毎年100万人を超え続け、
安定的にお客様を集めている、

そんな観光施設として成長し続けています。


■、、、と、少し概要が長くなりましたが、
改めて注目したいのが、

”今までパチンコをメインにしていた会社が、
 突然、吊り橋の企画・開発・運営をすることにした”

ということ。

”前例がない”、のもいいところです。

しかし、それなのに(だからこそ、かもしれませんが)
施設として大きな成功を収めています。

そして、その一つの理由というのを、
施設長のお話から考えてみました。

それは、

『(前例がないと割り切って)とにかく新しいことをやってみる』

こと。

ポイントは、(前例がないと割り切って)というところです。

ここにあるのかもしれないな、
とお話を聞きながら感じたのでした。


■やったことがない、だから、わからない。

ゆえに、面白そうかどうか、で判断をする。
前例を元に考えず、アイデアで勝負する。


・会場、吊り橋400メートルを、
 ターザンのように滑り抜ける体験施設を作ってみたらどうか
(=叫び声が橋を渡っている人に聞こえて面白そう)

・フォレストアドベンチャー(隣の山で遊べる体験型アクティビティ)を作ったらどうか

・地元の農園とコラボしたらどうか

・セグウェイや、バギーをできるようにしてみたらどうか

、、、そんなふうに、「面白いのではなかろうか」と言うことを、
とりあえず「仮説」を立ててみる。

その過程で膨大な数が「ボツ」になるのですが、
それもよしとして、兎に角アイデアを出す。

その上で、いけそうだな、と思ったらやってみる。


■確かに、元々アミューズメント&飲食ですから、
誰も、観光施設の運営はしたことがありません。

でも、だからこそ、
色んなチャレンジが「前例がない」前提でできる。

ゆえに、この施設全体が、
新しいことを生み出すエネルギーで満ちていて、
活気があり、楽しい雰囲気になっているのだな、、、

私は、そのように感じたのでした。



■そして、この話を通じて学びになったこと。

そしてその挑戦のスタートが、
”地元の一企業が、地域に貢献したい”という思いから始まり、
膨大な予算(リスク)を使って吊り橋を作る、という決断もそうですが、

このエピソードから、

【「自分ができること」の拡げ方】

とは、このようなプロセスはなかろうか、
などと思ったわけです。

人生でもキャリアでも、

・タイミング
・周りの人の気持ち
・環境の変化

などの変数があり、ゆえに、
目標を描いてもそれ通り行くとは限らない。

「前例がなく、先が見えないもの」

です。

前例がなく、先が見えない中では、
「確実に成功する方法」などはない。

■ですから、できることといったら、

・『荒唐無稽な目標を掲げる』&『目の前のことをやる』

この2つに集約されると思うのです。

そして、

「今、これをやったらなんか良さそう」
「とりあえず、やってみたいと思ったら発言してみる」
「反対されるかもしれないけど、タイミングが合えばできる(こともある)」
「仮説を立て、ボツは出しまくっても、いけそうと思ったらやる」

このような、”思いつき”的なスタンスで、
「前例がない」と割り切って、とにかくやってみる。

これが非常に大事なのだろう、と思ったのです。


■結局は、「偶然」や「タイミング」かもしれない。

でも、とりあえずやってみること、
発言してみること、

それがなければ、形になることもない。

月並みな話のようですが、
やっぱりこういうスタンスが、新しい可能性を切り開いてくれるのだな、
そんなことを感じさせられた次第です。


ということで、『三島スカイウォーク』。

ゴールデンウィークにぜひどうぞ。
スリルもあり、楽しいです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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<本日の名言>

開発するモノによっては、
袋小路を出られない場合がある。
しかし、それは常識のワクだけで考えているためである場合が多い。

安藤百福(日清食品創業者)

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