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1945号 2019年6月16日

今週の一冊『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』

(本日のお話 2905字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、午前中に「礼法」のレッスン。
その後、お昼から夕方まで、
『戦略的プレゼン資料作成 集中講座~操作と表現編~』に参加。

夜は、トライアスロンの練習で、
腰を痛めすぎていたため、マッサージへ行きました。

トライアスロンまであと1週間。
体を整えて、本番に臨みたいと思います。

がんばります。



また、昨日ご案内いたしました、
「第10回 企業人事交流会 ~人事評価制度を考える~」
も早速お申込みいただきました皆さま、ありがとうございます。

少し先になりますが、席数に限りがございますので、
ご興味がある方はぜひ、お早めにお申し込みくださいませ。

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<第10回 企業人事交流会 ~人事評価制度を考える~>

◯日時:8月23日(金)18:30~21:30
◯場所:東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5階
◯対象者:企業の人材開発に関わる方(人事・部門長など)
◯詳細・お申込みはこちら
 https://forms.gle/UJDQZgt2UqeYFLkd7

★また、以下のイベントも増席いたしました!★

<異業種交流会 ~第三弾:経済環境指標分析を試みる~>
 ◯日時:6月26日(水)19:00~22:00
 ◯対象者:どなたでも大丈夫です
 ◯詳細・お申込み:https://forms.gle/ebnkEWTkDvVsAgjA9

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さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、

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『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』
 藤井 保文 (著), 尾原 和啓 (著)



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です。


■先日の人事交流会で、

「ものすごく面白く、かつ注目の本があるんです!」

と参加者の数名から異口同音に教えていただいた本。

それが今週ご紹介の、

『アフターデジタル』

という本です。


■デジタル化が進んでいる、などという話は、

「もう何を今さら…」

とお感じの方も多いかも知れません。

しかし、この本を見ると、
そのように「いやいやデジタル化くらいわかっているよ」、
と言っている人ほど、

”実際の世界の進み方と、日本の現状の大いなるギャップ”

に驚くに違いないと思います。

少なくとも、私はそうでした。


■この『アフターデジタル』という本は、
もう既に到来しつつある近未来(未来と言うには近すぎるごく近い将来)

”我々の生活とビジネスがどう書き換えられるか”

について詳細かつ、具体的に書き示された本です。

どのように具体的かと言うと、
「中国の先進的な会社が既に行っていること」から、
”これからのビジネス構造”がどうなっていくのか、
ということを示しているのです。

そして結論を言えば、これからのビジネス環境は、

「オンラインとオフラインが完全に結合する」
(OMO = online - merge - offline)

という状態になる、とのこと。


今の日本の感覚では、
「主」は”リアル”で、「従」が”デジタル、
となっているイメージですが、これからは、

「デジタルが100%生活を飲み込み、
 その中に”リアル”の接点がある」

という状況に書き換わる…

それが、デジタルが完全に浸透仕切った後の世界、


『アフターデジタル』


というのです。


■この先進的な例をたくさん生み出しているのが、
中国、エストニア、シリコンバレーなどの地域。


中国では、

”「やっていけない」と書かれていない限り、何をやってもOK”

と言うのが基本ルールだそう。

(逆に日本では、「やっていい」と書かれていないこと以外、やっちゃダメ、というのがルールです)


つまり、デジタルに対する革命も、
規制がゆるく、国の後押しもありガンガン回しているので、
日本では比べ物にならないほど進んでいるとのこと。


そして、すでに『アフターデジタル』と言われる様子を、
醸し出しているそうなのです。



例えば、

中国版Uberの「滴滴(ディディ)」という配車サービス。


これは、ドライバーが質の高いサービスを提供することで、
信用力が高まる仕組みになっているのだそう。


・顧客へのサービス対応はどうだったか?

・目的地に安全に送り届けられたか?


などなどを、賄賂が受け付けられないような、
相互評価にする仕組みを設けました。

そうすると、ドライバーは、
まるでロールプレイングゲームで「レベル上げ」をするかのように、
粛々とサービスを高めようとするインセンティブが働くのです。


そして、その背景には、
これまで中国の人が証明できなかった、

”個人の信頼度”

が加点形式で加算されていく
という仕組みがあります。

(アリババ傘下の決済システム「ジーマ・クレジット」。
 中国の3人に1人が利用しています)

それは、350~950点まであり、
支払能力、人脈、返済履歴、素行などがスコア化され、

650点を越える信用力がある人には、

・金銭的な融資が受けられたり、
・住宅を借りやすくなったり、
・企業からクーポンや割引が得られたりする

という”良いこと”が提供されます。


すなわち「デジタルの浸透」により


・あらゆる局面で”良いこと”をすると加点される仕組み

・その”良いこと”が個人の信用力となる
 (サービスを提供する側、される側の双方において)


ということになり、結果、


『”お天道様が見ている”という性善説的な行動が、
 中国においても急激に増えている』


という現象が起きているそうなのです。


これも、「デジタル」が人々の生活や文化を、
変えつつあることの一つの例でしょう。


■そしてそうなった世界で、
何が起こるかと言うと、


「デジタル化により、顧客の評価が一瞬でわかる」


という事が起こります。

提供したサービスで、お客様が良い体験をしたか、
あるいはそうでもなかったのか。

その陳列はお客様にとってよかったのかどうか、
お客様が今、どんなものを求めているのか…


あらゆるものが「デジタル化」され、
それらのビックデータが集まることで


「顧客データが集まる」
(こう変えてほしい、これがよかった!など)
 ↓
「それに基づいた改善・施策」
 ↓
「顧客データが集まる」
(こう変えてほしい、これがよかった!など)
 ↓
「それに基づいた改善・施策」
(こう変えてほしい、これがよかった!など)
 ↓
以下続く、、、


という高回転が起こっていく。

そして、その顧客の声に対して、
(時に声になっていない声も含めて)


『顧客への体験を提供し続けられる企業が競争優位性を持つ』


というわけです。


■そして、その”デジタルのつながりが前提になる世界は、


「お客様が買ったら終わり」→「お客様とずっと繋がり続ける」


という世界になっていきます。

そんな世界が来た時に、
ビジネスの構造は大きく変わっていき、

そして、それに連動するかのように、
組織もその形を変えることが求められるでしょう。


また、すべての評価が筒抜けになったとき、
組織が求められることが変わっていくでしょう。

・お客様のNPS(評価)が◎でも、
 社員の評価が☓なら生き残れない

でしょうし、

・商品の品質が◎でも、
 取引先の評価が☓ならやっぱり生き残れない


でしょうし、

・どちらもOKでも、社会に対する責任を果たしていない、
 とみなされなければやはり競争性は保てない


というように、
「全方位的に評価される」という時代も、
やって来ているのだと思います。

現に、採用の口コミ評価などは、
優位に企業の要である「採用力」に影響を与え、
企業の競争力や将来に影響を与えています。


そしてそれらは、私達個人の働き方、
仕事の仕方も、キャリアの作り方も変えていくのでしょう。


そして、この『アフターデジタル』という本では、
それらの変化が、本当にすぐそこにあるということに気付かされると共に、

「そんなことになっているのか…」

という衝撃を与えてくれるかと思います。


基本、著者が体験した事例が軸になっているので、
なんとか理論、みたいな小難しい話もなく、
大変読みやすい本です。


未来の姿を考える一助として、
ご興味がある方はぜひお手にとって頂ければと思います。


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<今週の一冊>

『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』
 藤井 保文 (著), 尾原 和啓 (著)



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