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1990号 2019年8月2日

部下を率いるリーダーが「リベラルアーツ」を学ぶべき理由

(本日のお話 2758字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
また夜は久しぶりに英語塾に参加してきました。

英語塾の正式名称は、
”「リーダーが英語とリベラルアーツを学ぶ塾(IELLA)」”。

毎回リベラルアーツ(教養)にフォーカスするのですが、
昨日のテーマが『宇宙ビジネスの未来』についてでした。

かのホリエモンが、ロケット打ち上げのビジネスを立ち上げた、とか、
ZOZOTOWNの前沢社長が雨中旅行を前払いで支払った、とか

しばしば宇宙に関するニュースが出てきますが、
意外と何も知らないものですね。

実は、「宇宙基本条約」は1967年に制定され、
”憲法的な立ち位置”でしかなく、
明確な取り決めがないことに酔って、
様々な国と国と、組織と組織の軋轢が生まれる(生まれている)
などというような話を含め、色々と考えさせられました。

改めて、自分が何も知らないことを改めて実感。
まだまだ勉強が必要だな、と思った次第です。



さて、本日の話です。

昨日、英語塾が終わった後に、
塾を主宰している藤田勝利さんとお話をしていて、

「なぜリーダーは、リベラルアーツ(教養)を学ぶべきなのか?」

について話が盛り上がりました。

それが今の私達にとって大変重要なことだな、と思いましたので、
本日はそのお話を皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【部下を率いるリーダーが「リベラルアーツ」を学ぶべき理由】


それでは、どうぞ。


■「リベラルアーツ」とは、”一般教養”とも言われます。

一般教養とは、

歴史、哲学、政治、経済。
日々新聞を賑わせている世界情勢。

などの幅広い多くのテーマが含まれます。

例えば、

・ブレイクジットがなぜ問題なのか?
・FRBーの利下げ問題がなぜ新聞に毎回出てくるのか?
・香港の暴動問題は、何が原因なのか?
・米中貿易戦争はそもそもなぜ起こっているのか?

このような話もそうでしょう。

しかしこれらのテーマは新聞に毎度毎度出てきているものの、
実際どうですか?と問うてみれば、

・明確に答えることができる
・自信がなくとも、自分なりの意見を持って語れる
・そもそも興味を持って見ている

という人は、実は「極めて少ない」と感じるのですが、
いかがでしょうか?


■しかしながら、その理由も分かるのです。

それはこれらの「リベラルアーツ(一般教養)」は、
「知っておかなきゃな、、、」と思う一方、

”すぐには役に立たないから”

なのでしょう。

「ブレグジットの問題」を知っているからといって、

・自分の担当部署の成績があがるわけでもないし、
・メンバーのモチベーションが上がるわけでもないし、
・それによって、給与が高まるわけでもない。


だから、「必要ない」とのことで
短期的な目の前のことに集中する。

一方、中長期的に、「知っていないこと」に対する、
見えないもやもや感は感じつつも、
後回しにして「知らない状態」が続いていく。

そして、目の片隅で「米中貿易問題」の新聞の見出しだけ見つつも、
それが何なのかを探求することなくスルーしていく、、、、

こういった状況が起こっているのかもしれません。


■では、なぜこのような形で、
「リベラルアーツ」を軽視することが、問題なのでしょうか?

なぜ、リーダーは(特に部下を持つ人)は、
リベラルアーツを知っておくべきなのでしょうか?

、、、

その理由はおそらく色々あると思いますが、
私が思う一つの答えは、

『自分がいる場所が、”世界の全て”だと思わないため』

だと感じます。

言い換えれば、

【”謙虚さ”を携えるため】。

ここに尽きるのでは、と思うのです。

■かの古代ギリシャの哲学者ソクラテスは
『無知の知』といいました。

当時「モノを知っているほど賢い」と、
賢人が崇められていた時代。

多くの賢人なる人たちが、
”何でも知ってる風”に語っていました。

そんな中、ソクラテスはこう言いました、

「自分は知らないことがある」ことを知っている。
 その点であなた方よりも、優れている」

と語った、という話。

「無知の知」とは、いわば

【自分の視点が全てではないことを認める「謙虚さ」】

とも言えます。

「自分が広い世界の中の、
 ごく1部の、ごく1つのルールに軸足を置いているにすぎない」。

このことを理解すること。


■そして、自分がわずかしか知らないと知るには、

「自分のごく身近なこと」以外の『異質な世界に興味関心を向ける』、

必要があると思います。


もし、

「目の前のルールだけがすべて」
(=今の状況だけが正しい、それでいい)

と目の前のことだけに集中している、
全く”俯瞰した視点”を持たないリーダーがいたとします。

どんどんルールは変わっているのに、

「お前は数字だけやっていればいいんだよ。
 数字が全てなんだから」

とか、

「俺のやり方が正しいんだよ。
 俺はこのやり方でずっとやってきたんだから」

とか、何の疑いも持たず、
メンバーに押し付けていたとしたら。

それは、メンバーを従えるリーダーとして、
極めて危険なことであろう、と思うわけです。

もし、メンバーが広い視点をもっていたら、
そのメンバーの可能性を潰す恐れすらあります。


■「リベラルアーツ(教養)を知らないと言う事は、

・世の中がどういった方向に進んでいくか、に興味を持たず、
・この船が今どんな海の、どんな場所に航海していて、
・これから先、嵐が待っているのか、あるいは快調に行けるのか、

を考えない、ということに近いのでしょう。

どんなリスクがあるのかをわからず(わかろうとせず)
ただひたすらボイラーに石炭をくべ続け、
もっと早く進め、といい続けている、とも言えるかもしれない。

一方、

「いやいや、でもボイラーに石炭を突っ込み続けるのが、
 自分の”管理業務”だから」

という声も聞こえそうです。

そう言ってしまえばそれまでですが、
”フォロワーを持つリーダー”がもしそのように
「外への学びの姿勢を持たないスタンス」であれば
そのチームの文化もその行為により規定され、
組織としての可能性も限定されるようにも思うのです。


■変化は突然訪れるものです。

”これから30年で、50%の仕事がAIに置き換わる”

などと話を聞きますが、変わるときは一気に変わるのでしょう。

以前当たり前にいた、
”駅の切符切りの仕事”は、
自動改札機の登場により一気になくなりました。

それに似た変化は、
これからますます起こってくるのでしょう。

それに身を任すのも自由。
でも、察知して自分で舵を取ろうとするのも自由。

しかし、敢えていえば、こと
「組織の舵」「チームの舵」をとっているリーダーについては、

先を見通す視点を持つために、
「自分は何も知らない」という謙虚さを携えるため、
そして「メンバーの可能性を潰さない」ために、

リベラルアーツを学ぶ事が、
とても大事なのではなかろうか

そんなことを思った次第です。

(という自分に対する戒めでした)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

先入観を取り除くために、
常に「なぜ」と自問しない者は、
どんなに勉強しようとも怠け者だ。

トーマス・フラー(イギリスの神学者/1608-1661)
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