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1998号 2019年8月10日

システムコーチングから考える「関係を良くするための対話」の意味

(本日のお話 2336字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日金曜日は、
終日「システムコーチング」の研修(受講する方)でした。

”コーチング”といえば、1対1でクライアントを支援していきますが、
”システムコーチング”とは、1対1ではなくチームや組織を
「1つの生命体」とみなしてその”チーム(組織)全体”をコーチングしていく、
そんな手法になります。

そして、昨日から3日間でその応用コース。
いろいろと学びがありました。



さて本日のお話です。

今日は、そのシステムコーチングの研修に参加をして、
気づいたこと、学んだことについて、
皆様と共有させていただければと思います。
人材開発系のネタになりますが、ご参考になれば幸いです。

タイトルは、


【システムコーチングから改めて考える、「関係を良くするための対話」の意味】


それでは、どうぞ。


■当たり前の話ではありますが、

”人は、一人ひとり違った考えを持っている”

ものです。

例えば、会社において、
今の状況が停滞しているように自分が感じていたとします。

「絶対にこの新しいプロジェクトをやるべきだ!」
と自分は思っていても、

別の人は、「今のままで十分うまくやっている」
と逆に強く確信していることだってあり得るし、

また別の人は、
「どちらの方向でもいいけど、皆が足並みを揃えて、
 仲良くやっていくことが重要である」
と思っていたりと、これまた別の方向を向いている。


かといって、権限を使って強引に
「声なき声」を無視して進めると、

・モチベーションの低下
・無言の反発
・質問の嵐
・そもそも協力もしてもらえない

という望ましくない状況が、
その場に起こるのです。


■人が複数集まると、
大切にしている価値観や、考える基準が違う。

そのため、必ず「変化」の際には、
よくも悪くも混乱が起こるものですし、

それは良い悪いではなく、
しかるべきことなのでしょう。

■「意見の違い」と言うのは、
時に、面倒くさいものかもしれません。

変化をリードする人からすると、
その反発は時に煩わしいものかもしれない。

しかしながら、よくよく見てみると、
それぞれの人は「明らかなる悪い意図」を持って反発している人は、
実はそんなにいなくて、ただ、

・自分の中での「大切な基準」を大事にしたいと思っている、とか
・不安があるから踏み出すための判断材料が足りていない、とか
・踏み出す理由を明快かつ詳細に理解できていない、とか、

「なにか」が引っかかっているだけで、
実はそれぞれがそれぞれの形で、

”貢献したい”

と思っているのが、思いの外多いと思うのです。


■そんな中、私達は、
どうすれば良いのでしょうか。

どうすれば、お互いの「大切な基準」をすり合わせて、
”繋がり”へと昇華させられるのか。


結論からすると、そのためには

【対話】

これしかないのでは、と思います。

すなわち、

・「自分がどんなことを大切に思っていて、どんな基準でこの発言をしているのか」
・「自分の目から見たら、今の状態はどんなふうに見えているのか」
・「自分はどんな状態にしていくのが理想だと思っているのか」

周りが知らないことについて伝えること。

そして同時に、他の人は、

「自分の感情は、”一旦”置いておいて(ここが大事)
 まるで幽体離脱して相手の体の中に入るこどく、
 相手の気持ち、感情、をリアルに想像する」

こと。そして、関係者の気持ちや立場に立つ。


■それぞれの意見は、

『「チームという生命体」の細胞の一つである』

という視点にたったとき、

特に重要な物事を動かし得る大きな細胞もあれば、
ひっそりと隅の方で機能している細胞もあることに気づきます。

大なり小なりありこそすれ、
どちらの意見も、一つの意見なのです。
自分も正しい。でも相手も正しい。

そして、全部が揃ってチームの声であり、
組織の声であるとも、気づくのでしょう。


■心臓だけでは体は動かない。
脳だけでも体は動かない。

一個一個の「細胞(メンバー)」の声を聞くこと。

そして、チームとしては、
どんな声を発しているのかを聞くこと。
チーム全体を「俯瞰」して眺めてみること。

その「メタ視点」を持ち、
それから自分に戻ってくることにより、
”自分の視点”を捉え直してみることで、気づきを得ること。


それが、「歩み寄る」ということであり、

『チームとしての変化・変容』

に繋がっていく。

そんなことを改めて、
システムコーチングで感じたのでした。


■一見、めんどうくさい、
人間関係のつながり。

しかし、それを面倒くさがって、
1人でやっても、できる事はたかだか知れています。

チームとは、「リスク」もあるし、
「無限の可能性」もあります。

お互いが理解し合わず牽制しあっていたら、
「1+1=1.5」くらいにしかならないし、

相手の立場に立って、
お互いの価値を最大化させることができれば、

「1+1>3,5,10、100」

とすることもできる。

まさしく、『7つの習慣』でいう
「第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される」を経てそして、
「第6の習慣 シナジーを発揮する」ということなのでしょう。


■人と人とのつながり。
多様な価値観の混ざりあい。

仕事でも、家族でも、プライベートでも、
違う人が繋がり合うこと、
それらが生み出す無限の可能性は
これからの時代、もっともっと注目されるし
大切になってくる気がします。

そして私自身、ここにもっともっと向き合っていきたいと、
そんなことを思った次第。

ちょっと抽象的な話でしたが、ご参考になれば。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人は互いの助けがあれば、
ずっと簡単に必要なものを準備できる。
そして力を合わせれば、あらゆるところで襲ってくる危険を
もっと簡単に避けられる。

スピノザ(オランダの哲学者/1632ー1677)
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