アイデアを、質高く、納得いくように形にする方法
(本日のお話 2015字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は管理職向け「スピードオブトラスト」の研修でした。
どうやって「信頼」を作るのか、
その具体的な方法をお伝えする研修ですが、
大変な盛り上がりでございました。
気づきを得ていらっしゃる皆さまの顔を見て、
私も大変嬉しくなりました。
※ちなみに、本も出ております。
『7つの習慣』の著者コヴィー博士の長男が書いた本です。
『スピード・オブ・トラスト―「信頼」がスピードを上げ、コストを下げ、組織の影響力を最大化する』
https://www.amazon.co.jp/dp/4906638740/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_JweADbXCN5EW7)
「信頼」を高めたい人にはお役に立つかと。
よろしければ、ぜひ。
*
さて、本日のお話です。
最近、新しい研修を依頼され、
また作る機会が増えております。
(ありがたいことです)
アイデアを広げ、まとめ、
そして1つの研修プログラムを作成するのですが、
その「過程」において、
大切だなと思ったことがありました。
その気付きが皆様の参考になるかと思いましたので、
学びと気づきをご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【アイデアを、質高く、納得いくように形にする方法】
それでは、どうぞ。
■1日の「研修プログラム」を作るとき、
かなり悩みます。
プロセスとしては、
・最初に研修の目的を考える。
・その後、どのような考え方、行動、言葉になったらいいのかをイメージ
・そのためにどんなワークを入れたら良いだろうかを考える
ある意味シンプルなプロセスです。
しかし、目的に到達するための登り方が、
ワークのパターンや組み合わせがいくつもある。
加えて人の気持ちが介在するナマモノであるため、
なんと伝えれば良いかという表現も含め、
迷いどころがたくさんあるのも事実。
ゆえに、ああでもない、こうでもないと、
「迷宮」に入り込むこともしばしばなのです。
■さて、そんな中どうやって、
「研修プログラム」を作るのが、効率がよいのか。
もちろん人によりそれぞれでしょうが、
私(紀藤)の中で一つ、「このやり方はいい!」
と感じているものがあります。
それは、まず第1に、
「思いつく要素を、ひたすら書き出す」
こと。
【拡散】させる、といえばわかりやすいでしょうか。
マインドマップを使い、
A3の用紙に、目的、使えるワークなど
どんどんどんどん広げていく。
ときにはセロハンテープで用紙を拡張していきます。
その後、広がった”パーツ”を元に、
「20分にA4 1枚」としてより詳細に拡げていく。
テーマ、ワーク、講師の言葉、
参加者の気持ち、オペレーションなどを書き入れていく。
それを1日分(7時間分)作っていきます。
すると、20枚ほどA4の紙の束ができます。
これが骨格となります。
この骨格をもとに、
ワードでシナリオの骨格をきれいにし、
PowerPointでプログラムに落としていく、、、
こんなプロセスを踏むわけです。
■紙に書いて、ワードにまとめて、パワポに落として、
「3ステップ」踏むので、割と時間がかかります。
このやり方は使える!と思い、
これまで多用していたのです。
、、、が、忙しくなってきた言い訳で、
上記のステップ(拡散のプロセス)を割愛して、
2ステップ目からの、
ワードから書き始めて、作ってみたのでした。
、、、すると、なんだかしっくりきません。
一応、ワードで書き出して、
それっぽいのができるのですが、
うまくいくイメージが湧かない。
「もっと他にもやり方があるのでは… 」
と、悶々としてしまうのでした。
そして、結局、
書き出しては消し、
書き出しては消し、
書き出しては消し、、、
ということを何度も繰り返し、
むしろ「3ステップ」踏んでいるときより、
時間がかかっている自分に、ふと気付いたのでした。
■ここで思ったこと。そして気づき。
それは研修作成でもそうだし、
それ以外のプロジェクトや、
目標設定にも通じる一つの原則。
自分の頭の中にあるアイディアを広げ、
目に見えるモノ(企画書等)に落とし込む時は、
【拡散と収束】
という原則を働かせる必要がある、
そう思うのです。
*
「氷山の一角」という言葉、
皆さまも聞いたことがあるかと思います。
”表面的に見える事象の背後には、
膨大な水面下にある氷岩の塊(見えないもの)がある。
そして、その見えないものこそが、
表面に影響を与えている”
という話です。
それは、
・潜在意識と顕在意識 とか
・お客様の言葉と、心に秘めたいニーズ とか
・企業理念の短いフレーズと、その背景にある思いや背景
・研修プログラムと、その背景の意図
など、色々なシーンで当てはめられます。
良いものとは、
”目に見えていることの背後にある膨大な情報、
膨大なアイデア、思考プロセスを凝縮している”
からこそ、「良いもの」と呼べるのでしょう。
■逆に言えば、水面下の氷岩部分を割愛して、
見える部分だけちょいちょい整えようとしても、
いいものにはならないということです。
すなわち、結局手間がかかるけれども、
【拡散】(あるいは大量のインプット)
という、一見遠回りのプロセスで、
いろいろアイデアを広げて広げて、
もう出尽くせない、というところまで広げて、
その中で、本当に必要なものに
【収束】させていく、
このプロセスを意図的に設けることが、
より良いものづくりのために必要なのではなかろうか
そんなことを思った次第。
結局、急がば回れ、なのですよね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
===========================
<本日の名言>
”もう描けない”という心の声を聞いても、
とにかく描きなさい。
そうすれば内なる声は聞こえなくなる。
ゴッホ(画家)
===========================