マネージャーが「ビジョン」を語れたほうがよい理由
(本日のお話 2332字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は「ビジョン浸透研修」の実施でした。
クライアントの企業様にとっても初の試みでしたが、
参加者の皆さまにもご満足いただけて、
ビジョン浸透のよいきっかけになったようで安心しました。
また、先日「第11回 企業人事交流会~生産性向上を考える~」のご案内をいたしましたが、
おかげさまで、9月の交流会は満席となりました。
(お申込み頂いた皆さま、ありがとうございます)
その次の回については、まだ残席がございますので、
ご興味がある方は、是非お越しくださいませ。
(以下、ご案内です)
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第12回 企業人事交流会 ~従業員エンゲージメントについて考える~
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■イベントの目的:
人事の方の、人事の方による、人事の方のための交流会です。
参加者から「このテーマで話してみたい!」というご要望を元に、
毎月テーマを変えて開催をしております。
第12回は「エンゲージメント」というテーマで、
皆さまと意見を交換し合います。
*
『熱意ある社員6%のみ』。
2017年5月に日経新聞に掲載された日本企業のも現状が、
大きな話題となりました。
仕事に対する熱意=エンゲージメントといいますが、
今回はその「エンゲージメント」について、
・そもそも「エンゲージメント」とは何なのか?
・なぜ「エンゲージメント」が重要と言われているのか?
・企業における「エンゲージメント向上」の取り組みの実態(他社)はいかなるものか
・個人として、組織としてどのような活動を行っていけばよいのか
、、、などなど、
普段考えているようで考えていない情報を、
人事に関わる皆様で考えてまいります。
本会では、異業種の多様な人事の皆さまとの繋がりを中心に、
皆さまが、現状の、これからの人事のお仕事をより広い視点で、
楽しく取り組めるようになるきっかけづくりを目指します。
■イベントの流れ
第1部:企業人事交流会
ファシリテーターの説明・問いかけをもとに、
テーマについてディスカッションを深めます。
その中で各社の課題、取り組んでいることを共有し合います。
(ざっくばらんに行いますので、知らない方でも大丈夫です)
第2部:交流会/懇親会(自由参加)
お話しきれなかった個別の話やテーマ以外の話についても、
近くのお店でこぢんまりと情報交換をいたします。
■イベント要項
◯日時:2019年11月1日(金)15:00~18:00
◯場所: 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5階(セミナールームA)
◯費用:無料
◯進行役: 株式会社カレッジ 代表取締役 紀藤康行
◯対象:企業の人材開発に関わる方(人事・部門長など)
■お申込について
・以下URLよりお申し込みください
https://forms.gle/sQLRN79La16BhnCV6
※お申込みフォームの送信をもって、受付完了とさせていただきます。
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皆さまのご参加、お待ちしております!
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さて、本日の話です。
昨日のビジョン浸透研修を通じて、
あらためて「ビジョン」について思うことがございました。
今日は、そんな「ビジョン」に関して、
思うところを皆様にご共有できればと思います。
タイトルは、
【マネージャーが「ビジョン」を語れたほうがよい理由】
それでは、どうぞ。
■しばしば、「ビジョン」という言葉を聞きます。
ほとんどの会社には、
企業理念、ビジョン、行動指針等があります。
ゆえに「ビジョン」なんて見たことも聞いたことも無い、
という方は、少ないのではないでしょうか。
と同時に、そのようなビジョンは、
「会社の額縁(=ホームページ)」に掲げておくものであり、
ましてやマネージャー、中間管理職である自分が語るなんて、想像したことがない、
という人がいるのもまた、
一つの事実のようにも思うのです。
■確かに「ビジョン」なるものは、
業績達成にすぐ役に立つ、とも限りません。
また、ふわふわしている抽象度が高いものです。
まだ「中期経営計画」のほうが日々の業務目標に近いし、
人間、目先のことのほうが大切に感じるものですから、
経営陣が「ビジョンが大切!」と声高に語っても、
「やっぱりわからないし、大事と思えない」
というリアクションがあるのも、ある意味、
想像できなくもないなあ、とも思うわけです。
しかしながら同時に、
あくまでも私、個人の感覚としては、
自分が部下だったとしたら、
・「この会社どうなるか分かんないし興味もない」
というマネージャーより、
・「自分はこの会社をこうしたいと思っているし、
会社はこの方向を目指している」と、
”ビジョン”を語ってくれるマネージャー
のほうが、
一緒にいて希望をもらえるし、
一緒に働きたい、と思います。
そして、それは割と一般的な感覚にも思うのですが、
皆さまはいかがでしょうか。
■と、問うておいてなんですが、
上記の私の「ビジョンを語る必要性」について
明確に示す、とあるデータがあります。
それは、米調査会社・ギャラップが行った世論調査です。
*
2005年~2008年、
米ギャラップが本格的な世論調査として、
世間一般の無作為の1万人以上を対象に行った設問があります。
それは、「リーダーに求めるもの」を探る、
こんな設問でした。
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1、日々の生活で最もポジティブな影響を与えてくれているリーダーは誰ですか。
誰かが思い浮かんだら、その人のイニシャルを書いてください。
2,では、その人があなたの人生に与えてくれているものを、
最もよく表している単語を3つ挙げてください。
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この設問の答えは、実に多岐にわたりました。
しかし、回答を集約していくと、
段々といくつかの言葉に絞られていったのでした。
そして、その回答結果を集約させると、
『フォロワーがリーダーに求めることは
「4つのキーワード」に集約できる』
とわかった、というのです。
その「4つのキーワード」とは、
1,信頼
2,思いやり
3,安定
4,希望
この4つだったそうです。
■それぞれ、見てみるといかがでしょうか。
確かに、リーダーが、
これらのものを提供してくれたら、
快くついていけそうです。
細かい部分の説明については、
本日は割愛させていただきますが、
注目したいところが、
『4,希望』
というキーワードなのです。
フォロワー、すなわちメンバーは、
”リーダーに対して「希望」を与えてほしいと思っている”。
そして、「希望」とは、
これから将来がもっとよくなっていくと感じられること。
未来の明るい像を思い描けること。
こうなっていこうとワクワクさせるもの。
それは、平たく言えば、
「ビジョンを語ること」である、といえるのではないでしょうか。
■ここまでの流れを整理すると、
・『ビジョン』と言うのは「希望」を伝えること
・「希望」を伝えることで、メンバーは満たされ、
エンゲージメント(=仕事の熱意度)が高まる
・エンゲージメントが高まると、
生産性が高まり、離職率も下がる(ギャラップ調べ)
のです。そして、
・生産性向上は「メンバーの成長」でもあり、
「メンバーの育成」は、マネージャーの役割でもある
とも言えるでしょうし、そうであれば結論として、
そのトリガーとなるビジョンについて、
【「マネージャーがビジョンを語れたほうがよい理由」】
となるのであろう、
と思うわけです。
■日本の管理職は管理職でありリーダーではない、
と言われることもありますが、そうは思いません。
リーダーとは、色々な定義がありますが、
自分に付き従う人(フォロワー)がいることです。
そうすると、社長や役員だけでなく、
マネージャー、中間管理職の方でも、
「リーダー」と言って間違いはないはず。
もちろん、ビジョンを語るのが得意な人もいれば、
そうでない人もいるものでしょう。
でも、「こうなったらよいよね」と、
未来を語る、ビジョンを語る場を作ったり、
それがたとえ稚拙なものでも、
自分なりにでも描くことはできると思うし、
それで「希望」を感じるメンバーもいると思うのです。
人は、今日より明日、明日より明後日が、
良くなっていくと信じたほうが、活力がでるもの。
ということで、
『自分がこれからどうなって行きたいのか、
会社をどうしていきたいのかのビジョンを語れるリーダーになる』
ことは、とても大切なことだと思った、というお話でした。
朝から暑苦しいお話にお付き合いいただき、
ありがとうございました(汗)
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
物件を見に行くためにシカゴの混み合った通りを歩きながら、
私はこう言った。「5年後ここにいる連中がみんな、
スターバックスのコーヒーカップを手にして歩くようになる」。
ハワード・シュルツ(スターバックス・コーポレーション最高経営者/1953~)
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