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2024号 2019年9月5日

「脳のスタミナ」を意識することが、知的アスリートへの第一歩

(本日のお話 2097字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、1件のアポイント。
ならびに研修の企画でした。



さて、早速ですが本日のお話です。

最近、頭を使う仕事(研修企画など)が、
かなり集中してきております。
本当にありがたいことです。

そんな中、「より生産的に働く」上で、
大切だなぁと思い出した話がありました。

皆さまの参考にもなるかと思いましたので、
その話について気づきをご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【 「脳のスタミナ」を意識することが、知的アスリートへの第一歩 】


それでは、どうぞ。



■「脳にはスタミナがある」。

こう聞くと、
どのように感じますでしょうか。

私たちは、
マラソンや筋トレをすると疲れると知っています。
ゆえに、

”肉体にはスタミナがある”

と自然と思っている。
しかし一方、

”脳みそは、いくら使っても
 ずっとペースが落ちず、走り続けられる”

そう感じている人も、
少なくないように感じるのです。

(、、、が、皆さまいかがでしょう)


■こんな興味深い実験があります。

『意志力の科学』という本で、
このような実験が紹介されていました。



「味覚の実験です」という名目で、
お腹をすかせた学生を集めました。

被験者Aには「クッキー」を食べること、
被験者Bには「ラディッシュ」を食べることを要求しました。

ちなみに、どちらの被験者の目の前には
「クッキー」と「ラディッシュ」の両方が置かれています。

ラディッシュを要求された被験者は、
焼き立てホカホカのクッキーを目の前にして、
食べたくもない辛味大根を食べる事を選ばねばならない。

被験者Bは、
「クッキーの誘惑に意志の力で勝ち続けなければならない」
わけです。



5分間食べつづけてもらったあと、
味覚の記憶が消えるまで、15分の休憩を挟みました。

休憩時に、時間つぶしとして「パズル」を提供しました。

しかし、そのパズルは“絶対に解けない”ようになっています。

被験者AもBも、頑張って解こうとします。
しかし、解けない。。。

ではどれくらい粘り続けられるのか、を見てみると

被験者B:ラディッシュを食べさせられた学生(=意志力を使った学生)は、
被験者A:クッキーを食べさせられた学生(=意志力を使っていない学生)よりも、

【パズルへ取り組んだ時間が60%も短かった】のです。

、、、

この実験、どういうことなのでしょうか。

これで、何がわかるのか。

それは、

『「意志力が消耗される」ことを証明している』

ということです。

「我慢し続けると、
 “我慢筋”が消耗されて、
 我慢できなくなる」

のです。


■実験を行ったマーク・ミュレイヴン氏曰く

”このテーマで200件以上の研究が行われていますが、
 すべて同じ結論にたどりついています。

 『意志力は単なるスキルではなく、筋肉のようなもの。
 腕や足の筋肉と同じように、使えば使うほど消耗し、
 他のことをする力がなくなってしまう』のです。”

とのこと。

(参考:『意志力の科学』より)


■「意志力が消耗される」。

すなわち、
「脳にはスタミナがある」
とも言い換えることができるでしょう。


皆さまにも、こんなご経験がありませんか。

例えば、仕事でたくさんの「意志力」を使い、
ヘロヘロになった日。
帰りコンビニにふらりと立ち寄り、
目の前においしそうなシュークリームがあった。

ダイエット中だ、甘いもの控えなければ、、、

そう思うものの、今日はあまりに疲れている。
たくさんの「意志力」を使ってしまった。

我慢しようと一瞬思った。しかし、
シュークリームを食べたい気持ちで抗うことができない。

「もういいや」と、シュークリームを手に取り、
ふらりとレジに持っていってしまう。

、、、というようなこと。
(別にシュークリームでなくともいいですが)

これも、「意志力」を使い果たした結果です。

意志力を日中使ったから、
「シュークリームを我慢する」という意志力を、
発動させられなかったわけです。


■さて、この話から学ぶこと。

私達は「脳を使って仕事」をしています。
この「意志力」の話を考えると、

気合で集中力高く、
長時間働こうとしても、
「やるだけムダ」といえるのかもしれません。

それはまるで、マラソンを30キロ走って、
足もボロボロ、体力も枯渇してフラフラな状況から、
さらにペースをあげようとするかのごとく行為でしょう。

とすると、日々の仕事でも、

『「脳のスタミナ」を意識して、
 上手にペース配分をすること』

も大事だし、

『そもそも「無駄に脳のスタミナ」を使わなくてよいように、
 意思決定をしなくて良い習慣をつくること』

も大切です。

(どの服を着るとか、 どのルートで帰るとか、
 どの昼ごはんを食べるとか、も含め、意志力を消費します) 

また疲れたときは

『家に帰ってさっさと寝る』

これに限ります。

(眠れば「意志力」すなわち、
「脳のスタミナ」も復活します)


■「脳のスタミナ」を考えつつ、仕事を進める。

その観点があるだけで、
また日々の行動や選択も変わってくるように思います。

常にハイペースで走れる、
”プロフェショナル・長距離ランナー”のごとく、
「知的アスリート」としていいペースで走りたいもの。

「脳のスタミナ」、そんな観点から、
あらためて、そんな事を感じた次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

額に汗することを称えるのもいいが、
額に汗のない涼しい姿も称えるべきであろう。
怠けろというのではない。
楽をする工夫をしろというのである。

松下幸之助(松下電器創業者/1894~1989)
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