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2042号 2019年9月23日

「チラシが多すぎるんすよ!」などと相手の意見に激昂しては、変化変容は見込めない

(本日のお話 2132字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は朝8:30からお昼まで、
某企業の役員の方をゲストとした勉強会を開催。
三連休の中日に、16名もの方にお集まりいただきました。
(ご参加頂いた皆さま、ありがとうございます!)

また午後からは、妻とともにシェアオフィスにて
10月に実施をする研修の企画でした。

私はどうやら研修に慣れすぎているようで、
「一般的な受講者の感覚」がわからなくなることがあります。

そんな時「このワークをしたらどんな感覚になるか」を
妻に聞いてみる、ということをやっております。

他者の視点とは、多くの気付きになりますし、
何より、身内が協力的で本当にありがたい限り。



さて、本日のお話です。

そんな研修の企画をしている中で、
妻と盛り上がった話が、

「変われる人と、変われない人を決める分岐点」

についてでした。

夫婦でどんな話で盛り上がっているのか…
と思わないでもないですが、その中で
妻から聞いたあるエピソードが興味深く、
上記の「変われる人と変われない人」のテーマのヒントとなる話なのでした。

今日はそのお話について、
またそこからの学びと気付きについて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【「チラシが多すぎるんすよ!」などと相手の意見に激昂しては、変化変容は見込めない】


それでは、どうぞ。


◼人は、「自分の思考の癖」に、
なかなか気づきづらいものであります。

本人にとっては、数十年来の普通の感覚。
それが「当たり前すぎて疑いもしない考え」でも、

一歩引いて周りから見ると、

「ああ、これはイタい」

と思える「思考の悪癖」というものは、
あるものです。

その悪癖の代表的な例は、

『他責思考』

でしょう。

”自分は悪くない。
 周り(=上司、会社、お客さん、社会)が悪いのだ”

その思考に囚われているうちは、
一歩も踏み出せないことは、

読者の皆様には、
今更お伝えすることもないかと思われるほど、
採算お伝えしている話でございます。


■加えて、もう一つの大切な「思考の習慣」は、

『人の意見を受け止められるかどうか』

です。

このことは、本人が、
「変われるか変われないか」に、
大きく影響を与えているだろう、と思われます。

もし「人の意見を受け止める」器があれば、
『他責思考』からも逃れられうる、

逆に、受けとめられなければ
「自分の枠」から出られず変わり得ない。

そんな大事な思考習慣でしょう。


■このことについて、妻が以前の職場で一緒だった
「松本さん(仮名)」という人のエピソードから、
とても考えさせられる話を聞きました。

(反面教師的な意味で、なので、
 少し内容を変更してお届けいたします)



彼は、髪が長く、大柄の体格。
「あついっすねー」が口癖で、
ガリガリ君(アイス)が好きな男性。

こだわりの強い方だったそうで、
スキルは高く、プログラマとしては優秀だった様子。

明くる日、
何気ない会話の中で「松本さんの不満」について、
話し始めたそうです。

松本さん曰く、

「ポストに広告のチラシが届きすぎて、
 ドバっと捨てたら、大切な書類を一緒に捨ててしまった。
 大変困っている」

とのこと。

対して、妻が何気なく、

「広告、イヤですよね。でも届いているモノ、
 確認すればよかったんじゃないですかー?」

と、聞いたところ


『チラシが多すぎるからですよ!!
 どうすればいいんっすか!
 とにかくチラシが多いんっすよ!!!!』


と、急に激昂した、、、
という出来事があったそう。


■その時に妻は思ったのでした。

「突然過ぎてビックリした」

そして同時に、

「ダメだこりゃ」

、、、と。

すなわち、

「ああ、めんどくさい。
 もう松本さんに、何か意見を言うのはやめよう」

と、心から思ったそうです。


■この話から思うのは、
松本さんの人柄そのものがどうこう、という話ではなく、
「人が変わることを難しくする要素」として、


『他人の意見を受け止められない』
(=感情的に拒否する)

この反応をする「癖」を持っていると、
その人の変化変容は難しくなるのでは、

と思ったのでした。

それは、「自分の悪癖」に気づかせてくれるチャンスを、
考えなしに切り捨てることに他ならないからです。


■おそらく、松本さんのように、
”激昂して相手の意見を断ずる”
という事は少ないでしょう。

しかし、相手が自分に対して
「望ましくない意見」を伝えた時に

『他人の意見を受け止めない』

というスタンスを、「自分の思考の癖」として、
持っていたならば。

例えば、

・何か言われたら嫌な顔をしてしまう、とか、
・お前は人のこと言えるのかよ!と無意識に反撃する、とか
・言い訳をし始める、

というように、
「素直に受け止めない」という仕草をした瞬間、

「ああ、めんどくさい。
 彼/彼女に、善意でも、何かを言うのはやめておこう」

となり、

・少しずつ「周りから善意の意見を言われること」もなくなり、

・「自分の思考の枠」から出ることも不可能になり、

・思考や行動にネガティブな結果をもたらしうる
 「思考のバグ」があったとしても改善されなくなる

そして、延々と同じネガティブなパターンを繰り返し続ける、、、

となってしまうのかもしれません。


■そして、ちょっと視点を変えてみると、
実はこの状況、

「年齢を重ねて偉い立場にいる人」

こそ、「松本さんと同じような状況」に
なっている可能性がある、と思うのです。

それは構造として、

「言っても仕方ない」
「言ったら何か返ってきそう」

と”思われてしまう”という意味では、
実は偉い人&歳を重ねた人は、
よほど謙虚にならないと、松本さんの状況に構造的に近くなってしまう、

とも捉えられるかもしれません。


■とすると、持つべきスタンスとは、

『他人の意見はご馳走である』

というスタンスであり、
もし自分に何か言ってくれたら、

「ありがとう!それは気づかなかった。
 気づきの良い機会になりました」

「また何かあったら何でも言ってください!
 ぜひ、お願いします」

くらいに受け止める姿勢を全開にして、
ちょうどよいくらいになるのかもしれません。


他人からの意見、
フィードバックとは時に怖いものですが
自らを変化変容させ続けていくためには

「受け止める勇気」

こそが大事なのであろう、
そのように思う次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

「垣根」は相手がつくっているのではなく、
自分がつくっている。

アリストテレス(古代ギリシャの哲学者/BC384-322)
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