「あなたと私のすれ違い」を解消する、認知の4点セット ~後編~
(本日のお話 2092字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のアポイント。
夜は英語塾への参加でした。
世界的な経済雑誌『The Ecconomist』を読み、
今のグローバルで注目されている問題を英語で考えるというのが、
今通っている英語塾(↓)のテーマです。
『リーダーが英語とリベラルアーツを学ぶ塾(IELLA)』
http://project-initiative.com/iella/
昨日はシリア問題がテーマでしたが、
世界のあらゆる問題(宗教対立・民族対立・代理戦争・核etc.)が
シリアに集結しているように見えて、
日本の視点だけでは見えない問題がたくさんあり、
もっと勉強しないとなあ、と思った夜でした。
*
さて、本日のお話です。
昨日『認知の4点セット』というお話をしました。
復習すると、
・ある『意見』があったとき、
そのもととなった『経験』と『感情』がある
・また、その経験・感情は、
自分の『価値観』を作り出している。
・そんな、『認知の4点セット』、
「意見/経験/感情/価値観」を誰もが持っていて、
相互理解に役に立つ
というお話でした。
本日も、より掘り下げたいと思います。
タイトルは、
【「あなたと私のすれ違い」を解消する、認知の4点セット ~後編~】
それでは、どうぞ。
■「こいつ、全然話が通じない!」
…と口には出さずとも、
心の中で思っていること、あるものです。
声を大にして言う言わないはともかく、
多くの人は、
「自分が正しいと思っている」。
これは事実ではないかと。
■ゆえに、
夫/妻との会話
上司・部下の会話
友人の間での会話
などで、
自分の理論を主張したり
そしてぶつかったり、避けたりと、
人との間には衝突・軋轢・不和が起こるのでしょう。
言い換えれば、
”「自分こそが正しい」を主張し合うバトル”
をどこそこでやりまくっている、
と言えるのかもしれません。
■では、どうすれば、
「違った二人」は歩み寄れるのでしょうか。
そこで、昨日からお伝えしている
『認知の4点セット』が使えるのです。
具体的には、
【相手の「意見」が生まれた背景(=経験・感情・価値観)を知ること】
ここにつきます。
■ちょっと抽象的な話ですので、
具体的に考えてみます。
例えば、Aさんという人がいます。
彼は、新プロジェクトの立ち上げについて、
このような『意見』をもっていました。
「考えるより、とにかく関係者に声をかけて、
相談して、プロジェクトを進めるべし!」
と。
Aさんの『認知の4点セット』を見てみると、
以下のような形になりました。。
【意見】→「何か考えるより、とにかく関係者に声をかけて、
相談して、ガンガン、プロジェクトを前に進めるべし」
その「意見」がなぜ生まれたか?
すると、次のような「経験」が見えてきました。
【経験】→ 新卒の時、スピード重視で、まず人を巻き込み、
失敗をものともせず新しいプロジェクトを進め、成功した。
そして社内で表彰された。
そして、その「経験」をしたとき、
どんな「感情」になったのか?
以下のような「感情」が生まれていました。
【感情】→ 成果が出て嬉しい。表彰もされて、幸せだ。
優越感、自己効力感。成功した気持ち。
上記の「経験」や「感情」の結果、
以下のような「価値観」を持つにいたりました。
【価値観】→ 考えるより、まずやるべき。
どんどん巻き込めばいい。
、、、と。
こう見ると、なぜAさんが、
「考えるより、さっさとやるべし!」という意見を持つのか、
その背景がわかるような気がします。
■対してBさん。
Bさんも、Aさんと同じ
新規のプロジェクトに参加しています。
しかし、意見は違います。
Bさんは、
「プロジェクトは慎重に進めるべき。
まだ固まっていないのに、広報をしたり声をかけるのは危険」
という『意見』を持っています。
ここで、Bさんの『認知の4点セット』を見ると、
こんなことがわかりました。
【意見】→「プロジェクトは慎重に進めるべき。
まだ固まっていないのに広報をしたり声をかけるのは危険」
その意見にどんな「経験」があったのか?
それは以下の出来事でした。
【経験】→ 5年前、新規のプロジェクトを任され、
安易に社内外に声をかけて進めたことで大きな軋轢を生み、結果、孤立した。
プロジェクトも失敗し、ミスも増え、降格となった。
Bさんは、その時思います。
【感情】→ 辛い。悲しい。悔しい。
まずやってみろ、と言われたのに、結局誰も守ってくれない、と思った。
【価値観】→ 焦ってはダメ。失敗するとはしごを外される。
リスクを考えることが、自分を守るためにも大事だ。
、、、と。
■さて、このAさんとBさん、
どちらが正しいのでしょうか。
AさんとBさんが仕事を進めた時、
どちらの意見を重視すればよいのか。
期待されている状況により、
”より望ましい正解”の評価は変わるかもしれません。
そして、どっちも正しいのでしょう。
■ただ言えることはAさんもBさんも、
”本人の経験を元にしたロジックから、
その『意見』が生まれている”
事は確かです。
そして、それぞれの「価値観」に基づいて、
「意見」を言っていることも事実。
かつ、それは”理論”を超え、
痛みや喜びを伴う”強い感情”が混ざっている、
「信念」にも近いところから生まれているのです。
■そんな違った2人が歩み寄るには、
表面的な「意見」の違い、つまり理屈だけではなく、
【相手がなぜ、その意見を持った背景を知り、
相手が得てきた人生の歩みを尊重すること】。
このことが、相互理解において、
極めて重要だと思うのです。
なぜなら、
人は、”自分のことを理解してくれた”、と心から思えたとき、
同じように相手の意見も聞こう、と思うからです。
■お互いのことを理解するためには、
相手の『意見』だけではなく、
その意見の背後に存在するもの(経験・感情・価値観)を、
知ろうとすること。
それは、
「その人が人生で学んできた大切にしていること」
そのものを理解することに、ほかなりません。
そのために
『認知の4点セット』
意見/経験/感情/価値観
を通じて、
「自分」のことも『内省』し、
「相手」のことも『探求』すること。
このことが、
「あなたと私のすれ違い」を解消する、
一助となるかと思う次第です。
「こいつ、何いってんだ?」と思ったとしても、
必ずその背景には、その理由があります。
『認知の4点セット』
意見/経験/感情/価値観
ぜひ、思い出してくださいね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
ものごとを正しく見るには、
たった一つのやり方しかない。
ものごとの全体を見ることだ。
ジョン・ラスキン(イギリスの思想家/1819-1900)
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