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2056号 2019年10月7日

「相手のコンテクスト」に合わせて伝えねば、いくら話せど伝わらないもの

(本日のお話 1778字/読了時間2分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日より、友人と道志村へキャンプへ。
7年ぶりくらいのキャンプですが、
コスパもよいですし、オススメでございます。



さて、早速ですが本日のお話です。

最近、マネジメント層や、
中堅社員や、若手社員や、
色々な層や職種の方に、
研修で携わらせて頂く機会が増えているのですが、

その中で、

”基本的だけれども
意外と忘れがちなこと”

について、思うことがありました。

本日はそのお話について、
皆様にご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、


【「相手のコンテクスト」に合わせて伝えねば、いくら話せど伝わらないもの】。


それでは、どうぞ。


■言うまでもない話ですが、
人には「考え方・価値観の違い」がありますね。


そして、その「考え方・価値観」とは、

その人の人生の中で、
少しずつ作り上げられてきたもの。

ゆえに「信念」といっても
過言ではないものでしょう。

声高に「私はこう思う」と言っていなくても、
誰もが心の中で、ひっそりと、
何かしらの価値観を持っているもの。

ただ言わない、見えないだけです。


■例えば、「仕事」についても、
色々な「考え方・価値観」があります。

・仕事は生活の手段。
 生活できる給料が入ってきたら多くは望まない

という人もいるだろうし、

・成長してこそ、楽しい。
 自分の力量を上げるものが仕事 

という人もいるかもしれないし、

・仲間と共に、一緒に作り上げるのが楽しい。
 チーム一丸となってこそ楽しい仕事

という人もいるかもしれません。


■そしてそれは何が正しい、
間違っているなどはなく、ただ

”その人のこれまでの人生経験”

によって、無意識に形作られてきたものである、
という事実です。

それが家庭環境なのか、
学生時代に培われたものなのか、
初めて関わった仕事の影響なのか、はわかりませんが、
確かに”人それぞれ違う”のし、

”そう自然に思って生きている”

わけです。

■そして、相手に何か伝えようとするときは、
相手が相手の人生の中で得てきた
「考え方・価値観」、そしてなぜそれが出来上がったかという、
その「背景」すなわち、

『コンテクスト(文脈)』

の違いを認識すること。

相手が受け取れるように、
相手に刺さるように伝えるときにに、
とても重要なことである、と思うわけです。


■しかし、考えてみると、
『相手のコンテクスト』について、どれくらい意識して、

言葉を選び
伝え方を選び、
例え話を選び、

相手がきちんと受け取れるように、
伝えているのだろうか、と思うと、
意外と出来ていないことも、あるのかもしれません。

「相手ではなく、自分が刺さること目線」
で、”自分が”、気持ちよく伝えてしまっていること、
ありはしないだろうか、と思うわけです。

(よくある悪いケースの、
「俺が若い頃はな、、、」で始まるアレですね)
 
ですが、そのような伝え方で
相手の心に届くはずもない、というのは、
感覚的にはわかっていることのはず。


■例えば、特に”走ること”にも、
”自分を鍛える”ことにも興味がない人に、

「ランニングはすごい達成感があるよ!
 自分が磨かれているカンジがする」

なんて言っても刺さりません。

それよりも、その人が、
”健康が気になっている”ならば、

「ランニングを軽くでもすると、
 意識が変わって、食事の仕方も変わって、
 体重も減ると言われている」

と言ったほうが、
『相手の立場』に立っているし、
当然、相手にも刺さりやすくなります。

ものすごいザックリした例ですが、
もっと細かく、相手が気にしていること、
相手のこれまでの健康遍歴、その他を理解すれば、
”より適切な伝え方”が見えてくるでしょう


■『相手のコンテクスト』とは、
”その人がこれまでの人生”で経験してきた、
あらゆるものから出来上がります。

例えば、

・現在の職種
・やってきた仕事
・付き合ってきた友人
・得てきた情報
・趣味
・家庭の教育方針
・成功体験、失敗体験
・生きてきた時代
・元来の性格

などがそうでしょうか。

そして、相手にメッセージを届けるには、
その『観察眼』を鍛えること。

ざっくりではなく、
まるで相手に同化したかのごとく、
細かい部分まで想像してみること。


そして、「どんな伝え方」なら、
相手が共感しうるのだろうか、、、

この接合点を探すことが、
とても大切だと思います。

■研修でも、職種が違う、世代が違うだけで、
同じ言葉でも、伝え方で全く伝わったり、
伝わらなかったりします。

その同じ対象者でも、
その「場」の人たちのコンテクストが微妙に違えば、
それに合わせて”微妙に”言い方をかえないと、
的確に伝わらないのです。


このようなプロセスを追求することが
「伝わるコミュニケーション」を形にする上で、
とても重要なのであろう、そんなことを感じている次第です。

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<本日の名言>

世界の不幸や誤解の四分の三は、
敵の懐に入り、彼らの立場を理解したら
消え去るであろう。

ガンジー(インドの弁護士・政治指導者/1869-1948)

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