「相手のコンテクスト」に合わせて伝えねば、いくら話せど伝わらないもの
(本日のお話 1778字/読了時間2分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日より、友人と道志村へキャンプへ。
7年ぶりくらいのキャンプですが、
コスパもよいですし、オススメでございます。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
最近、マネジメント層や、
中堅社員や、若手社員や、
色々な層や職種の方に、
研修で携わらせて頂く機会が増えているのですが、
その中で、
”基本的だけれども
意外と忘れがちなこと”
について、思うことがありました。
本日はそのお話について、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「相手のコンテクスト」に合わせて伝えねば、いくら話せど伝わらないもの】。
それでは、どうぞ。
■言うまでもない話ですが、
人には「考え方・価値観の違い」がありますね。
そして、その「考え方・価値観」とは、
その人の人生の中で、
少しずつ作り上げられてきたもの。
ゆえに「信念」といっても
過言ではないものでしょう。
声高に「私はこう思う」と言っていなくても、
誰もが心の中で、ひっそりと、
何かしらの価値観を持っているもの。
ただ言わない、見えないだけです。
■例えば、「仕事」についても、
色々な「考え方・価値観」があります。
・仕事は生活の手段。
生活できる給料が入ってきたら多くは望まない
という人もいるだろうし、
・成長してこそ、楽しい。
自分の力量を上げるものが仕事
という人もいるかもしれないし、
・仲間と共に、一緒に作り上げるのが楽しい。
チーム一丸となってこそ楽しい仕事
という人もいるかもしれません。
■そしてそれは何が正しい、
間違っているなどはなく、ただ
”その人のこれまでの人生経験”
によって、無意識に形作られてきたものである、
という事実です。
それが家庭環境なのか、
学生時代に培われたものなのか、
初めて関わった仕事の影響なのか、はわかりませんが、
確かに”人それぞれ違う”のし、
”そう自然に思って生きている”
わけです。
■そして、相手に何か伝えようとするときは、
相手が相手の人生の中で得てきた
「考え方・価値観」、そしてなぜそれが出来上がったかという、
その「背景」すなわち、
『コンテクスト(文脈)』
の違いを認識すること。
相手が受け取れるように、
相手に刺さるように伝えるときにに、
とても重要なことである、と思うわけです。
■しかし、考えてみると、
『相手のコンテクスト』について、どれくらい意識して、
言葉を選び
伝え方を選び、
例え話を選び、
相手がきちんと受け取れるように、
伝えているのだろうか、と思うと、
意外と出来ていないことも、あるのかもしれません。
「相手ではなく、自分が刺さること目線」
で、”自分が”、気持ちよく伝えてしまっていること、
ありはしないだろうか、と思うわけです。
(よくある悪いケースの、
「俺が若い頃はな、、、」で始まるアレですね)
ですが、そのような伝え方で
相手の心に届くはずもない、というのは、
感覚的にはわかっていることのはず。
■例えば、特に”走ること”にも、
”自分を鍛える”ことにも興味がない人に、
「ランニングはすごい達成感があるよ!
自分が磨かれているカンジがする」
なんて言っても刺さりません。
それよりも、その人が、
”健康が気になっている”ならば、
「ランニングを軽くでもすると、
意識が変わって、食事の仕方も変わって、
体重も減ると言われている」
と言ったほうが、
『相手の立場』に立っているし、
当然、相手にも刺さりやすくなります。
ものすごいザックリした例ですが、
もっと細かく、相手が気にしていること、
相手のこれまでの健康遍歴、その他を理解すれば、
”より適切な伝え方”が見えてくるでしょう
■『相手のコンテクスト』とは、
”その人がこれまでの人生”で経験してきた、
あらゆるものから出来上がります。
例えば、
・現在の職種
・やってきた仕事
・付き合ってきた友人
・得てきた情報
・趣味
・家庭の教育方針
・成功体験、失敗体験
・生きてきた時代
・元来の性格
などがそうでしょうか。
そして、相手にメッセージを届けるには、
その『観察眼』を鍛えること。
ざっくりではなく、
まるで相手に同化したかのごとく、
細かい部分まで想像してみること。
そして、「どんな伝え方」なら、
相手が共感しうるのだろうか、、、
この接合点を探すことが、
とても大切だと思います。
■研修でも、職種が違う、世代が違うだけで、
同じ言葉でも、伝え方で全く伝わったり、
伝わらなかったりします。
その同じ対象者でも、
その「場」の人たちのコンテクストが微妙に違えば、
それに合わせて”微妙に”言い方をかえないと、
的確に伝わらないのです。
このようなプロセスを追求することが
「伝わるコミュニケーション」を形にする上で、
とても重要なのであろう、そんなことを感じている次第です。
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<本日の名言>
世界の不幸や誤解の四分の三は、
敵の懐に入り、彼らの立場を理解したら
消え去るであろう。
ガンジー(インドの弁護士・政治指導者/1869-1948)
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