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2075号 2019年10月26日

「言葉されていないことの存在」を尊重することで、深いコミュニケーションが実現される

(本日のお話 1998字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、終日システムコーチングの研修(受講するほう)。

自己投資こそが最大の顧客貢献と信じ、
これから3日間、みっちり学んでまいります。

また夜からは空手の稽古。

薄いグローブで真剣に打ち合いをするので、
終わった時はいつも足や腕がアザだらけになります(汗)

しかしながら、お互い全力を尽くし、
向き合う機会は大人になるとなかなかないもの。

不思議なもので組手のあとは
自分の力を引き出してくれた相手に対して、
感謝の念が湧いてくるのです。

武道とは、実に深きかな。
(そして、無事に終わって、よかったです)



さて、本日のお話です。

昨日、システムコーチングにて学んだプロセスの中で、
「相手のことをより深く理解する」ことについて、
学んだこと、そして思うことがございました。

本日はそのお話について、
皆様にご共有できればと思います。

タイトルは、


【「言葉されていないことの存在」を尊重することで、深いコミュニケーションが実現される】


それでは、どうぞ。


■非常に有名かつ、
よく使われる”ものの例え”として、

「氷山モデル」

なるものがあります。

若干、使い古された感のある、
王道すぎるモデルではありますが、要は

”氷山の見えているところはごく一部。
 その水面下に見えている氷山の、
 数倍、数十倍の大きな氷山が隠れている”

という事実から、

”「目には見えない膨大なものの存在」に目を向けましょう”

という教訓として引用される考え方です。


■実際、これは本当にその通り。

私たちはつい、
見える部分にばかり目をとられてしまうものです。

例えば、今回のテーマの、
「コミュニケーション」なども、まさしくそう。

人が「言葉にしたこと」と言うものは、
絡み合った複雑な思考の中の、
”ごく一部”でしかありません。

相手が「言葉にする」というプロセスの背後には、
多くの考えや感情が渦巻いていたりするのです。


■例えば、誰かに物事を伝えるとき、
人の頭には、このようなプロセスが起こったりします。

・本当はこれ以外にも伝えたいことがあるけど、
 一緒に伝えると言いたいことがわかりづらいからやめておこうかな、とか、

・この話を伝えるにあたって、自分の信念とか仕事感も伝えたいけど、
 それを言うと複雑になるし、時間がかかるからやめておこう、とか、

・本当は自分自身にも、言葉にしたことが、
 正解かどうかモヤモヤしているけれど
 メッセージがブレそうだから言わないでおこう

というように。

■そしてその背景がいくらあっても、
「言葉」にした瞬間、その複雑なプロセスは除外され、

言葉を受け取った相手は、
その「言葉」が全て、と思ってしまったり

言葉の裏側にある想いを、
相手の価値観で解釈し、読み違えてしまったり、

ということが起こるわけです。


■かつ、加えていうなら、
自分でない他者が紡ぎ出した「言葉の背景」を、
100%正しく理解することは、極めて難しい。

なぜなら、自分と相手は

得てきた「経験」も、
取り巻く「環境」も、
今いる「立場」も、
持っている「価値観」も違うから。

ゆえにどういったプロセスでその言葉が紡がれたのかなど、
100%想像することは不可能に近い、
といえるでしょう。

しかし、現実は、
見えている氷山の一角の「言葉や表現」だけ見て、
水面下の「膨大な背景」は誤解して認識することが、
なんと多いことか。


これが、「コミュニケーション」を浅く、
限定的にしてしまう要因であると思うわけです。


■では、どうすれば良いのか?

シンプルな話ですが、

【「言葉にされていないことの存在」に目を向け、尊重する】。

このことに尽きます。

言葉にされていないこと。

それは、モヤモヤして、直感的で
うまく表現はできないことだったりします。

でも、人の心は形にできる言葉ばかりではなく
”そういった言葉にできないモノ”がたくさんあると知る、
知ろうとする事が大事なのです。

それが相手を深く理解すること、と言えると思うのです。


ゆえに、コーチングの技法では、

「その言葉を口にしたときに、どんな感じがしますか?」とか、

「言葉にしながら、浮かんだイメージはどんなことですか?」とか、

「その言葉を、体で表現すると、どのようになりますか」など、

”あえて言葉を使わず表現する”ことで、
水面下の氷山のエッセンスを、
加工前のそのまま、受け取ろうとしてみる。


これはコーチングの技法なので、
急にやると変な感じになってしまいますが、

【「言葉にされていないことの存在」を尊重する】

ためには効果的な手法です。


■誰しも「氷山の見える部分」と同時に
「水面下の見えない部分」が必ずあります。


そして、大切な人との関係を考えた時、

『「言葉にされていること」だけ見るのではなく、
 「言葉にされていないことの存在」を見ること』。

このことによって、

相手の心の中にある重層的な深みにふれ、
相手への深い理解、そしてより深いコミュニケーションに繋がるのであろう、

そのように思います。


家族、友人、同僚。

皆さまは、ご自分の大切な人の
「言葉されていないことの存在」を尊重し、
コミュニケーションができていますか?
そんな事を考えてみることも、
大切かも知れませんね。

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<本日の名言>

自分が感じていることは正しくないかも知れない。
だから、常に自分をオープンにしておくんだ。
あらゆる情報や、たくさんの知識を受け入れられるように。

アイルトン・セナ(レースドライバー/1960-1994)

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