メールマガジン バックナンバー

2123号 2019年12月13日

「絶対悲観主義」から学ぶ、自分を客観的かつ冷静にとらえて、地に足をつけて生きる心構え

(本日のお話 2250字/読了時間2分半)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は早朝から英会話。
午前は、1件の社内ミーティング。
午後は、「7つの習慣」と企業理念を結びつける研修作成のコンサルティングでした。

また夜はお客様と懇親会でした。
(N様、Y様、M様、ありがとうございました!)



さて、早速ですが本日のお話です。

自分で言うのも恐縮なのですが、
メルマガを日々書いていると、
「継続すること」について、お褒めいただくことがあります。

すると、どこか調子に乗りそうな自分も、
お恥ずかしながらひょっこり顔を出すことがあります。


そんな時に、ふと先日、

『ストーリーとしての競争戦略』の著者としても有名な
一橋大学の楠木建氏が話されていた、とある話を思い出しました。

そのお話が、

「自分を律する、謙虚になる」

ために役に立つ考えだな、
と思いましたので、

今日はその話について、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「絶対悲観主義」から学ぶ、自分を客観的かつ冷静にとらえて、地に足をつけて生きる心構え】


それでは、どうぞ。


■皆さまは、例えば、

「自分が上手くできると感じる」

ことに関して、
調子に乗りそうなときはありますでしょうか?

上述したように、
私はたまーに、そういう気持ちが、
もたげることが最近、ちょこちょこと、
顔を出し始めることがありました。
(本当は大したことないのに、、、です)

世界的ベストセラー『7つの習慣』では、
”謙虚さ” とは、古今東西重要な原則の一つと、
記していますが、たしかにこの”謙虚さ”を、
上手に持ち続けることは、生きる上で大切な原則に思えます。


■そんな「謙虚さ」に関わる話です。

楠木建氏がモデレーターを務めるあるセミナーで、
こんな話をされていました。

内容としては、

「自分は『絶対悲観主義者』だと思っている。

相手からいくらお褒めいただいても
「絶対にそんなことはないはずだ」
と相手の言葉をそのまま鵜呑みにせず、
そんなの建前だ、くらいに思うようにしている」

、、、というようなニュアンスのお話でした。

(記憶を頼りにしておりますので、
 詳細の表現は違います、ご了承ください)


■本人ではないのですが、
私なりに、この話について咀嚼して、
大変納得することがありました。

つまり、

「たとえ褒められたとしても、
 『純粋にプラスの評価だけ』などはありえない」


くらいに思った方が、

他人の評価と自分の評価の間に乖離を生まずに、

「自分を客観的かつ冷静に見ることができる」

と感じるのです。



■少し話がそれますが例えば、
組織で働くときに、1つの望ましくない事は、

『自己評価と、他者の評価が乖離すること』

かと思います。

しばしば、「360度評価」みたいな、
アセスメント、というかサーベイのようなものが、
研修で行われることがあります。

これは、

自分自身の自己評価と、
上司からの自分への評価と、
同僚からの自分への評価。

それぞれを並べて比べて、
”自己認識と他者認識の乖離を発見し、埋める”
という内容の研修です。


■想像してみるとわかるのですが、

「自分はこんなに頑張っている!」とか
「自分がすごい仕事をしている!」

と”自分では”思っているのに、
周りから見ると、

「別に頑張っていない」
「大した仕事をしているとは思っていない」

と”思われている状況”が、
気づかずに生まれていたとしたら。

そこにはコミュニケーションのズレも生じるし、
「自分を冷静に見られていないイタイやつ」
ともなりかねません。

それは、やっぱり「望ましくはない」のでしょう。

自分を低く見すぎるのもよくはないですが、
それでも、調子にのって自分を見誤るより、
よっぽどよいのでは、と思います。



■その話を踏まえて、
先程の「絶対悲観主義」のお話に戻ります。


「人からどれだけ褒められようとも、
 『純粋にプラスの評価だけ』ということはありえないと思う」


という姿勢は、

”相手の褒め言葉の裏にも、
 それ以外の何かしらのメッセージがある”

と前提にする姿勢とも言えます。


■例えば、私も冒頭に

「メルマガ毎日すごいですね」
よく言っていただくことがある、とお伝えしましたが、
メルマガについて100%肯定など、ありえないのです。

絶対、配慮して言っていただいている、
このことを理解せねば、と常々思うのです。

人は、口に出すことはごく一部です。

内面では色々な気持ち、感情が絡み合い、
「称賛」と「否定」を同時に持ちうる、
複雑な心を持つ存在です。


ゆえに、100%賛同という単純なことはなく、

「お褒めいただく言葉の裏」にも、
きっと、いや、絶対に、何かしら別の思いもあるはずなのです。


■例えば、お褒めいただいく言葉の、
見えていないもう一つのメッセージとして、

「とはいっても長々と同じようなことを書いてない?」とか、

「とはいっても誤字脱字が多すぎるよね」とか、

「とはいっても行替えが多くて読みづらい」とか、

ネガティブな評価も、
必ず絶対に含まれているはず。
(、、、と、実際に頂いたコメントなので)

口に出して言うと棘があるし、
お互いの関係性で特にメリットがあるわけではないので、
多くの方は、敢えて言わないだけなのでしょう。


■しかし、このメルマガも、
一定の割合で解除者がいらっしゃいます。

おそらく何かしらのネガティブな要素を感じ、
そして去っていかれるわけですが、
(そしてそれは仕方のないことです)

その時に

「メルマガのここがよくない」
「こうはこうしたらどうか」

と提案をくれる人は、極めて稀なのです。

多くの人は言わずに去っていくだけであり、
それが普通なのです。

そして、おそらくその、

”プラスのことはいうけど、
 ネガティブなことは言わずに去っていく”、

というのは、日常の人間関係や、
仕事においても、同じ現象が起こっているのでしょう。


ゆえに、

”お褒めいただいた言葉の裏にも、
いくばくかの違ったメッセージ(ネガティブな意見)も、
あるのではないか、いやあるはずだ”

と、
楠木先生の「絶対悲観主義」にも似た感覚を持つことは、

他者の目玉をリアルに手に入れて、
自分を客観的に見る上で大事な心構えではなかろうか、

そのように思った次第。

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<本日の名言>

人は賢明になればなるほど、
ますます腰を低くして他人から学ぼうとする。

ロジャー・ベーコン

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