国立がんセンターの医師のお話から学ぶ、「負の感情」の取り扱い方
(本日のお話 1630字/読了時間2分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
並びに研修の企画など。
*
さて、本日のお話です。
最近、たまたまではありますが、
「生と死」に関する書籍をよく読んでおります。
今日はそんな中で出会った本から、
気づきと学びを、皆様にご共有させていただきたいと思います。
(少し重ための話ですが、
とっても大切な話かと思いました)
タイトルは、
【国立がんセンターの医師のお話から学ぶ、「負の感情」の取り扱い方】
それでは、どうぞ。
■「国立がん研究センター」の医師である、
精神腫瘍科長の清水研氏が書かれた、
『もしも一年後、この世にいないとしたら。』
という本があります。
この清水医師は、精神科医で、
「精神腫瘍科」という科は、
がんになられた患者が、
”その現状をどのように受け止め、
残された命に向き合っていくのか、
というカウンセリングを行います。
清水医師は、これまで実に3500人以上の、
がん患者の方と向き合われてきました。
■清水医師は
”人は、自分の命が残り少ない事がわかったとき、
体験する感情の流れのようなものがある”
というような話をされます。
それが、
『「怒り」→「悲しみ」→「受容」、
そして「新たなはじまり」』
のごとき流れ。
■病気になると、
そこから寛解される方もいますが、
「もう既に残された時間がわずかしかない」
という場合も、当然あります。
そうすると、まず最初に
患者さんの心の中で起こるのは、
『怒り』
であることが多い。
なぜ、自分が、、、。
こんなに頑張ってきたのに。
健康にずっと気を遣ってきたのに。
ぶつけられない「怒り」が起こります。
■そして、その「怒り」の
感情の次にやってくるのは、
『悲しみ』
であると。
どうしようもならない。
諦められない、でも何もできない。
「怒り」の後は「悲しみ」に、
こころ全体がいっぱいになる。
■そして、その後に続く感情。
全力で怒り、悲しみ、
その果てにたどり着くのは、
『受容』
であるのだと。
その状況を受け止めるしかない、
今何ができるのかを考えるしかない。
■そうすると、
ようやく次に進む準備が生まれてくる。
そして、その人なりの内的な、
『新たなるはじまり』
が起こる。
そうやって、
『「怒り」→「悲しみ」→「受容」、
そして「新たなはじまり」』
というプロセスが続き、
人がより強く、変化していくのだそう。
そして人として強くなるプロセスを、
心理学では
『心的外傷後成長』
と呼ぶそうです。
■私達は、病でなくとも、
生きる限り「負の感情」が起こるものです。
そして、辛いことがあると、
その負の感情をどのように処理したらよいか、
困り、悩みます。
しかし、3500人ものがん患者と
向き合ってきた清水医師は、
人には、
”「怒り」や「悲しみ」を受容し、
「新たなはじまり」を作り出す力がある”
言いますし負の感情にも、
大切な意味があると語ります。
■以下、清水医師の著書から、
引用をいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つらい出来事に出会ったとき、
悲しみにくれる気持ち、
怒りに震える気持ちを押し込める必要はありません。
むしろこれらの負の感情にも
重要な意味がありますので、
心に蓋をしないことが大切です。
そして、それぞれの方が苦しみながらも
自らのこころのおもむくままに過ごした先に、
きっと目の前の患者さんはどこかにたどり着くのではないか。
私が実感する患者さんの「レジリエンス」は
そのようなものです。
初めてその患者さんに出会ったときは、
その病気と向き合うプロセスがどのようなものになるのか、
こころがどこにたどり着くのか、
ということは全く見当がつきませんが、
「きっと大丈夫」と思いながらお話を伺っております。
※引用:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』(著:清水研)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■負の感情にも意味がある。
人には立ち上がる力がある。
そう思えると、なんだか、
もっともっと挑戦できる気もしてくるようです。
人は、弱いけど強い。
そう思えます。
■ただ、人は自分ひとりでは
向き合うことが難しいこともあるので、
清水医師のような、
負の感情との向き合いを支えてくれる人の存在は、
とても重要なのでしょう。
ゆえに、相談できる相手を持つこと、
時に自分もそういった存在になること、
これも忘れないようにしつつ、
負の感情を含め、沸き起こる感情を認め、
日々生きることが大事なのだろう、
そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
泣いてパンを食べた者でなければ、
人生の本当の味はわからない。
ゲーテ
(ドイツの劇作家・小説家、1779~1832)
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