心なきフィードバックは「心のかさぶた」をつくることもある
(本日のお話 2913字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
また研修の企画や読書など。
粛々と仕込みをしております。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
昨日「フィードバック」というテーマで
メルマガをお送りさせていただきました。
昨日の内容は、
・フィードバックは耳の痛いものも多く含む
・しかし、自分で自分の姿は見えないため、
他者からの率直なフィードバックは成長の糧になる事が多い
・ゆえに、フィードバックを意識的に受け取りに行くことは、
耳の痛いことを乗り越え、自分をより良くしていこうという意志と
勇気の表明である
というお話でした。
そんな内容に対して、
多くの方からご感想、ご意見をいただきました。
今日はそのご感想を拝読しながら、
あらためてフィードバックに合わせて
大切な事があるな、と思いましたので、
その内容を皆さまにご共有させていただければと思います。
タイトルは、
【心なきフィードバックは「心のかさぶた」をつくることもある】
それでは、どうぞ。
■基本、人からの率直な意見(=フィードバック)
というものは、
”自分が見えていないものを見せてくれる”
という意味で、
自分で気づいていない強み、
自分が気づいていない改善点等、
自分の問題を正す上でも、
更に自分の長所を伸ばす上でも、
「受け取ることができれば、有用に働くものである」
と思います。
ゆえに、昨日のメルマガでは、
「受け取る勇気が大事である」
というお話をいたしました。
■しかし、一方、読者の皆様から、
「とはいえ、この人からのフィードバックは
受け取りたくないって場合、ありますよね」とか、
「信頼がないフィードバックは、
害悪にすらなりうるもの」とか、
「権威がある人(社長)などが
「誰が言ったのだ!」と犯人探しをしそうな場合などでは、
フィードバックを行うのは効果的ではない」
などなど、様々なご感想をいただきました。
さすが現場で活躍されている皆さま、
「フィードバック」について
多くの経験値を持たれているのだな…
と思いつつ、拝読しておりました。
■それを見て、
「うんうん、確かにそうだな」
と思わされると同時に、
昨日は、そういえば
大切な前提をお伝えできていなかったな、
とも思ったのでした。
■ちなみに、フィードバックという技法が
頻繁に使われるコーチングの世界では、
『フィードバックをする前提として、
コーチとクライアント間の「信頼」が必要である』
という原則があります。
ここで言うコーチとクライアントは、
上司と部下、と言い換えてもよいかと。
*
想像してみれば、そうなのですが、
もし仮に、
人間的にも尊敬できず、
(愚痴や批判ばかりしている、
自分から動こうともしない、受け身である)
仕事の業務上でも尊敬ができない
(その分野の知識もなく、経験もなく、
さしたる結果もだしていない)
かつ、自分を思ってではなく、
立場を守るとか、自分のエゴからという様子が、
全面に見えていたとして、
(そんな上司が存在していないことを
祈るばかりではありますが)
そんな上司から
「いや、キミのあの会議での言動は、
ちょっと具体性にかけていたように見えたよ」
とたとえ”フィードバックの技法”を
駆使して行ったとしても、
効果は極めて限定的になろうかと思います。
■言わずもがな、立場上、
「そうですね、気をつけます」
と部下が答えても、部下の心中には
(、、、あなたに言われたくない)
という思いが起こる可能性は
少なくないでしょう。
■自分の職務としての責任から
部下が動いたとしても、
その責務を超えることはなく、
上司のフィードバックその他の働きかけによって、
「よりパフォーマンスが活性化される」とか
「秘められた可能性が発現する」
ということも、
極めて少ないのだろう、
と思っております。
(、、、が、いかがでしょう)
■かつ、信頼ができない人から
闇雲に、無遠慮に言われた
「”フィードバック”という衣を被った、
(悪意を感じる)率直な意見」
なるものは、場合によっては、
自分や相手の心を深く傷つけます。
*
実際、私もあります。
よく人前で話をしたり
メルマガで意見を語ると、ときに
”心をえぐられるようなコメント”
をもらうこともあります。
仕事でやっている分で
そこはあらゆる意見を「ありがたい」と受け取るように
自分で心がけていますが、
そこに愛を感じず、悪意や敵意などを感じると
反省よりも、ただ思い出しては鈍い心の痛みを覚える、
「言葉による心のかさぶた」にもなっているな、
と思うことがあります。
■善意がないフィードバックは
ただの「言葉の暴力」になりかねません。
それが、心の傷となり、かさぶたとなり、
相手や自分が
・自尊心の欠如
↓
・やる気の低下
↓
・自己否定
というスパイラルに陥らせ、
フィードバックが、
ただのマイナス、害悪になりうることもありうることがある。
そのことを
「フィードバックをする側」そして
「フィードバックを受け取る側」も、
心しておくべきだろう、と思います。
■そんなことを考えると、
”フィードバックをする側”の心構えとして。
綺麗事に聞こえるかもしれませんが、
「信頼されるに足る、人格と力量を持つ。
あるいは持とうとする」
「自分のエゴを抑えようとする
(相手のために伝える)」
というスタンスは、とても大事。
同時に、
”フィードバックをされる側”も、
率直な意見を受け取ろうとする際、
『信頼できる人からの率直な意見は
積極的に取りに行く』
ことが良いと思いますし、
そうでない人(悪意を感じる人)のフィードバックは
敢えて軽めに扱うという工夫も大事なのであろう、
と思います。
■ということで、まとめると、
・フィードバックはとても効果的な技法である
・しかし、信頼がないと、
相手はフィードバックを心から
受け取ることができない
・また、エゴや悪意があるフィードバックは
ただの「言葉の暴力」になる
・ゆえに、”フィードバックをする側”は
「信頼たる人物であろう」とするのも大事であろうし、
「エゴをなくす(相手のために伝える)」と思うことが大事
・同時に”フィードバックを受ける側”も
「信頼できる人」からのメッセージを
意識的に受け取る事が大事である
というお話でした。
【”心なき(=信頼なき)フィードバック”は
「心のかさぶた」をつくることもある 】。
なので、
”フィードバックには『信頼』が重要!”
ということかな、と。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。
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<本日の名言>
人間は天使でもなければ、獣でもない。
だが不幸なことに、人間は天使の用にふるまおうと思いながら、
まるで獣のように行動する。
ブレーズ・パスカル
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