「160名でのオンライン新入社員研修」に立ち会い感じた、大いなる3つの発見
(本日のお話 3789字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、とある上場企業の
「新入社員研修ディスカバリー」の実施。
160名の運営のサポートでした。
その他2件の打ち合わせ。
*
ちなみに、160名での研修実施とは、
(当然ながら)集合研修ではありません。
ZOOMを使ったオンラインでの研修実施です。
、、、とはいえ、160名。
どうなるのか、気になりますよね?
■メルマガの読者の中にも人事の方も多く、
これからのオンライン研修どうしていくのかは、
話題のテーマでもありますため、
本日は、この160名オンライン研修を通じた気づきと学びについて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【 「160名でのオンライン新入社員研修」に立ち会い感じた、大いなる3つの発見 】
それでは、どうぞ。
■「大変」とは「大きく変わる」と書きますが、
まさしく「大きく変わる」、
その瞬間を垣間見た気がしております。
多くの会社様で、
オンラインでの研修に切り替えているところはありますが
”160名”でのオンライン研修、は少なくとも私も初めて。
加えて言えば、
・社内ファシリテーターでの
初めて(!)の研修プログラムの実施
・160名(!)での大所帯での実施
・使ったことがない(!)UMU/ZOOMという
オンライン学習ツールを活用した実施
という、「チャレンジの三段活用」のような機会に取り組まれ、
私も、一体どうなることだろう、、、と
密かに楽しみにしつつ、参加させていただきました。
■結論、
「素晴らしかった」
なのですが、というのも
今回の会社様、導入を決めてから、
2週間ほどで160名のオンライン研修を、
大変素晴らしいクオリティと雰囲気で
非常に円滑に完遂されたのでした。
■その感動を、少しシェアさせていただきたいので、
時系列でお伝えさせてください。
まず、2週間ほど前に
お世話になっているその会社の担当者の方より、
「オンラインでディスカバリー研修を160名で実施したいのですが、
よいアイディアはないでしょうか?」
とご相談をいただきました。
私はこれまで、10名程度であれば、
終日のZOOMを使ったオンライン研修は行ったことがありました。
ゆえに、その情報を知る限り提供させていただきました。
「わかりました、いろいろ調べてみますね」と、
3名の人事の方よりご返事。
■それからバタバタと時間が過ぎて行き、
昨日朝、会場にいきました。
目の前に1つのモニター。
PCを3台ほど用意し、さながら
小さな管制塔のオペレーションルームのようで、
なんだか、カッコよさげです。
そこで、3名の人事担当者(今日は皆、講師役)は、
Aさん→Bさん→Cさん→
Aさん→Bさん→Cさん
と計6パートにわけ、
一人2パートずつ担当する計画になっていました。
1人が講師をしている時は
もう1人は、グループ分けの設定。
参加者に画像が見えているかどうかのチェック。
そして全体の問い合わせや、統括をする3人目。
役割が明確に分担され、
トラブルはあっても、バタつくことはなく
落ち着いた様子で終始、進んでおりました。
(その補い合いっぷりが、また素晴らしかった!)
■当然、「事前の準備」も、
しっかりと考えられていました。
PC(SIMカード入り)とヘッドセットを
全国の新入社員に配る。
そして事前に
「オンライン学習ツール(UMUとZOOM)」もダウンロードもしてもらい、
テストもしておく。
セキュリティー面を考え、
配布したアドレスでしか入室できないようにする。
当日の育成チームとも、きちんと情報共有をする。
そして、運営もテストをしておく。
(、、、当たり前のことかもしれませんが、
こういったこと、実は行わないケース、大いにあるのです)
■そのプロセスでは当初、
「こんな新しいことしたら、新入社員の
3分の2は、ダウンロードすらできないのでは?」
という、企画側の声がありましたが、
いざ蓋を分けてみると、
問い合わせが来たのは160名中、わずか3名。
ほぼ全ての人は「何の問題もなくできましたよ」との回答。
かつ、途中でシステムのトラブルでログインができなくなっても
新入社員の方は自分たちでやり方を見つけ何の問題もなく、参戦してくる。
つまり、オンライン研修への
参加者に対しての心配は、
おじさま、おばさまたち
(と敢えて比喩的に言わせていただきます)の
「全くの杞憂であった」
ということ。
これまた、「やってみて初めてわかったこと」です。
■当日も、起こる出来事に、
驚きとともに”新たな発見”があります。
例えば、システムがうまく使えない時。
運営側から新入社員の人に
「これ、うまく入れないのだけど、
どうすればいいのかな?」
と聞いてみると、
皆で「それはこうだと思います」と回答があったり。
図らずも「一緒に研修を作り上げていく」という、
素敵で能動的な空気が生まれていました。
■その他、テクノロジーにより、
”集合研修との違った魅力”も感じます。
例えば、『チャット機能』。
講師役より
「皆さん、どのようにお感じですか?
思ったことをチャットに書き込んでみてください」
と問いかけると、一斉に皆がチャットに書き込む。
160人がズラーッと書くのは爽快な光景です。
「全体の意見を皆が見て、共有した感じ」が生まれます。
これまた、新たな発見。
■または、『グループ分けの機能』。
(ZOOMでは、ブレイクアウトルーム、といいます)
これを使って、
5人程度のグループ分けを行った際も
それぞれが画面上、顔を見合わせるため
ディスカッションもかなり盛り上がります。
あれ、これ、集合研修より
むしろ皆口数が多いんじゃない?と思ったりします。
(意外と)真面目にテーマに対して、
しっかりと話しをしてくれています。
毎回、違うグループで組んでも、
「そっちのほうがたくさんの人と知り合えて嬉しい」
という声も、聞こえたりもします。
これもまた、一つの発見。
■加えて、『画面共有の機能』の活用もそう。
「グループで、このテーマについて
話し合ってみてください」
と投げかけてみる。
グループに分かれると
各グループの部屋では、自ずと
”ワードの画面共有”を立ち上げられている。
お題に関して、一人(書紀役)が決まり、
書き込みながら皆で話し始めていました。
話しながら、画面上に内容を記述する。
ゆえに、自然とテーマにフォーカスされ、
ディスカッションが空中戦になりません。
これまた図らずも、模造紙ワークのように
”深いディスカッション”になっている。
これも、また発見。
■もちろん、
想定しないトラブルも起こります。
・山口県から入っている人だけ、
通信が一時的に途絶えてしまったり、
・あるいはグループがうまくわけられなかったり、
ホスト(管理者)が誰かに勝手に指定されたり
・スライドがうまく表示されなかったり、
・質問や指示がうまく伝わらなかったり、
新しいことをトライすると、
必ず、トラブルや問題も起こるもの。
しかし、これもまた発見で、
一つずつ潰していくと、10回もやれば、
「大体のトラブルには対処ができる」ようになる。
さっさと体験したほうが、
おそらく中長期的にはよいのだろう、
と思いました。
■、、、色々と思うことは他にもたくさんあります。
ただ、この一連のプロセスを通じて、
私が特に強く感じた「3つの発見」があります。
1つ目は、
『我々年長者こそ、
「パラダイムシフト(=ものの見方の変容)」が必要である』
こと。
この会社様だけではなく
事前の話合いでよくあるのが、
・オンライン研修は臨場感がないのでは?
・きちんと参加しないのでは?
・集中力が持たないのでは?
・ダウンロードできないのでは?
というネガティブな意見です。
もちろん、それもあるでしょう。
ただ、やってみると全然大丈夫、ということのほうが
むしろ多かったのです。
見方によっては
むしろ集合研修よりも秀でているところも、
多々あるように感じました。
昨年疲れてウトウトしている人もいたところ、
全然そんな人達が見当たらないのです。
つまり、
「人(新入社員)を環境に合わせる」
のも時には大事ですが、
環境が手段にしか過ぎない場合は、
「環境を、人(新入社員)に合わせる」
ことが効果的なこともあるのでは、
と思わされました。
そして、それを作り出せるのは、
「企画側」(既存の人たち)です。
だから、『パラダイム・シフト(見方を変える)』事が重要。
■そして、2つ目。
『新しいチャレンジが、やっぱり素晴らしい』
ということ。
昨日の、新たな人事部の試みを、
他の部署の方も見に来ていました。
そして、それは
「こんなやり方もあるのか」という
気づきと発見の、他者へのプレゼントです。
また未来に向けて
新しい教育の可能性も切り開きました。
「リスクだからやらない」
「そこそこで終わらせる」という選択肢もある中、
「今できる最大限のこと」をこだわってされたことは、
自分にも、周りにも、未来にも、
多大なる貢献をしているのだ、
、、、そう思いました。
チャレンジ最高!です。
■そして、最後、3つ目。
『チームが結束する偉大さ』
です。
今回、何より素晴らしかったと感動したところは、
この会社様は、ただ実施をするだけでなく
”最大のパフォーマンスを発揮すべく、
周到に準備をされていた”
ところです。
2週間の間に、
・ZOOMの勉強会に皆で参加
・ZOOMの担当者、UMUの担当者を読んで、
カリキュラムづくりに巻き込む
・オンラインの特性を最大限に活かした
「チャットボックスの利用」「WEBでの入力シート」
「わかりやすいスライドの作成」「動画の最適化」など作成
・その上で、5~6回シミュレーションを行い、
理論上のリスクを潰していく
・研修全体のシナリオ設計/当日の運営設計を皆で行う
これをしっかりと行い、
参加者が迷子にならない仕組みを、
高いレベルで作られていました。
当日も、起こった障害について、
人事の聡明なお三方が意見交換をしながら、
「三人寄れば文殊の知恵」よろしく、改善を重ねていました。
全体をまとめるリーダー、
引っ張っていくムードメーカー、
確実に品質高く形にする実行者、
そんなイメージで役割がわかれ
「チームの力」を感じました。
チームとは、かくもすごいものか。
これを繰り返したら、
何でもできそうな気がしました。
■他にも、160名のオンライン研修だからこその
細かい気づきがたくさんありました。
多くのことを、
この会社様から学ばせていただきましたし、
こういったチャレンジを皆で行い、共有できれば、
まだ今は見えない未来でも、このピンチをチャンスに、
・日本の生産性向上や、
・日本が持つチームの力を世代を越えて理解しあう
「大きく変わる」チャンスにもなり得るのだろう
そんなことを思っています。
最後に、改めて、Nさん、Kさん、Tさん、
昨日はありがとうございました!
皆様のお役に立つであろう、とのことで
詳細を共有させていただきました。
少しでも、関わる方の知見となりますよう、
皆さまに、エールをお送りさせていただきます。
ここが踏ん張りどき。
ピンチをチャンスに、進んでまいりましょう。
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<本日の名言>
欲せよ、第一人者であることを。
ダンテ・アリギエーリ
(イタリアの詩人・『新曲』の作者/1265-1321)
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