メールマガジン バックナンバー

2284号 2020年5月22日

「自分のバイアス」によって、自分も相手も傷つけないようにするための3つの工夫

(本日のお話 3135字/読了時間4分)



■おはようございます。紀藤です。

昨日は、マーケティング用の
サービス紹介のページ作成を粛々と。
ならびに夜は、マーケティング勉強会の共催でした。



さて、本日の話です。

この3~5月は元々の計画として、
「ホームページを始めとして会社の仕組みを整える」ということを目標に、
タスクリストを書き出して、ひたすら進めてきました。

よって、必然的に”社内での仕事”が増えています。


そして、”社内での仕事”が増えたら何が起こるか。


そうです。
「メンバーとのすれ違い」が起こります。

メルマガで再三書いていて恐縮なのですが
今日も、メンバー(妻)とのすれ違いエピソードです。
(何度もスミマセン、、、汗)


、、、とはいえ、真剣に考えており、深い気づきが今日もありました。
そしてそれは、きっと、多くの方の役にも立つ(はず)。


ということで、本日も「人間関係のすれ違い」について
学びと気づきをご共有させていただきたいと思います。

タイトルは、



【「自分のバイアス」によって、自分も相手も傷つけないようにするための3つの工夫】



それでは、どうぞ。





■”私たちはあるがままに物事を見ているのではない。 
 私たちのあるがままに物事を見ているのだ”


こう語ったのは『7つの習慣』の著者
スティーブン・R・コヴィー氏です。


この言葉、実に言い得て妙だと思いませんか?



■私も何回思い出し、幾度となくメルマガに引用し、
ワークショップや勉強会で
「ドヤ顔」で口にしたかわかりません(汗)

しかし、この言葉で伝えられるメッセージとは裏腹に、

「結局、自分のあるがままに物事を見続けている」

と反省ばかりさせられます。

、、、特に、人間関係においてはそう。




■先日、こんなことがありました。



仕事のメンバー(妻))にお願いしていた、
”原稿修正の作業”がありました。


しかし、約束の期限になっても上がってこない。
かつ、進捗もわからない。。。


ちょっと面倒なのは、
私と妻の「関係性」は上司と部下ではなく、
夫婦のパートナーのほうが強いということ。

かつ以前、私(紀藤)が言い過ぎてしまったなどもあったりして、
これまでの反省点を踏まえて

「本人にできるだけ任せよう」

と思って、最近は仕事をしていました。

ゆえに、月曜日と金曜日のミーティングで
今週の目標 & 振り返りのみとし、
(これでも結構、家庭内でやるのは重いですが笑)
あとは基本的に黙って、自分の仕事をする、としていました。



■メンバー(妻)が快適に働ける状態とは、
「焦らず自分のペースで楽しく仕事をしたい」
ということでした。

私の「焦って急き立てられるように前に進めていく」とは
真逆の働き方を好むことも知っていました。

かつ、(妻は)外部を巻き込んで仕事をする際は
納期を守る性分であることも理解していました。

ゆえに「妻の好きなように仕事をしてもらおう」
という気持ちを大切にしたい、というのもありました。

、、、しかし同時に、自分の内なる声、

「もっと速く仕事を進めていかなければ、、、」

という焦りも、それ以上にありました。



■そんな中で、
依頼していた仕事が遅くなっているように見えても、

「きっと相手(妻)は仕事を進めているはずだ」

と思おうとしました。

かつ、

「この仕事はそんなに急かすまでもない」
「自分はいつも急にお願いをしすぎる」

と自分に言い聞かせ、

胸の中にある、口から出ようとする思い
(=もっと仕事速くやってよ!)

を飲み込むようにして、数日過ごしていたのでした。




■ただ、気づいたことは
言葉には出していなかったとしても、
私(紀藤)の内面の世界では、

「先延ばしでまた計画が遅れていくんだろうな」
「本当は、この仕事にやりがいを感じていないのではないだろうか」
「そもそも仕事のスタンスがまだまだ甘い!」

などと、「自分のメガネ」をかけた状態で、
一方的に相手を断罪するような言語を脳内で幾度となく回していたのです。


上記の見方が「真実」ならばまだ良い。
しかし、後から気づくのですが、
実際はそうではなかった。ここが問題でした。

そうです、

『自分の考えは「真実」ではなく、
「部分的な事実」から推測したただの思い込みである』

これが、お互いの関係性にダメージを与えるのです。



■我慢したものは、ある時噴出するもの。

結局、昨晩耐えきれずに、
とあるきっかけで話が広がりました。


「俺は、今回の原稿修正が遅くなっていたこと。
 これ、夫婦だし許されるだろうと思って、
 また”先延ばし“にしていたんじゃないか」

と私が言う。妻はそれに対して

「確かにそれもあるかもしれない。
 先送りグセは確かにあり、それで信頼残高が減っていたのはあると思う。
 しかし、それはヤス(私のこと)もそうではないか。
 でもそもそも月曜と金曜の報告でよい、という話だと思っていた。
 かつもう先延ばしにはできないと思って今回は仕事は進めていたので、
 仕事は終わっている」

という。

ポイントは、

『仕事は進めていたので、だいたい終わっている』

というところ。


■つまり、一方的に私が自分のメガネで

「先延ばしでまた計画が遅れていくんだろうな」
「本当は、この仕事にやりがいを感じていないのではないだろうか」
「そもそも仕事のスタンスがまだまだ甘い」


と思っていたことは、
「私の中の事実」にしかすぎなかった、ということ。


蓋を開けてみると

・私自身(紀藤)が期待値をしっかりと伝えていなかった
・想像以上に仕事を進めてくれていたし、責任感も持ってやってくれていた
・ただ、自分が不安に思っていることを知らず、妻は私に進捗を伝えていなかった
ことが概ねの「事実」だったわけです。


■色々ありますが結局、

相手を攻める気持ちは、
過去の部分的な事実から極大解釈した

「自分の頭の中で起こっていた
 バイアスのかかった独り言」

によって、勝手に生まれていた、ということになります。


ゆえに、

【私たちはあるがままに世界を見ているのではない。
 私たちのあるがままに物事を見ているのだ】

という言葉が沁みるのです。

そして、この言葉を、
繰り返し繰り返し自分に言い聞かせ続けることが、
特に人間関係においては極めて重要なのだ、

と改めて感じたのでした。




■、、、とつらつらと
私の葛藤を吐露してしまいましたが、
ではどうすれば
「自分のあるがままに物事を見てしまうこと」を
極力、除去することができるのでしょうか?


そのためには、大きく3つのポイントがあると思っています。
(私もできていないので戒めつつ、、、)



1,自分は「真実」を見ることができないと知ること

・・・自分が見ることができるのは「部分的な事実」だけ。
   かつ、その部分的な事実は虫眼鏡のように極大化されることを自覚する


2,自分の「バイアス(偏見)の傾向」を知ること

・・・自分のバイアスは「自分のこだわりや価値観」が色濃く反映されたものである。
   スピード重視なら、相手にもそれを求めすぎる。でもそれは自分にとっての当たり前にすぎない。
  (双方のこだわりや価値観を可視化して、相互理解するためには、『ストレングス・ファインダー』の受検が役に立ちます)


3,擦れ違ったと感じたら、お互い「自分の課題」として、尊重し合って何度も話し合うこと

・・・相手を責めると言うスタンスではなく、「自分の課題」として語る。
  「自分はこう見えていて、こういった葛藤がある」ということを率直に、何度も語り合う。
   そして気付きを口に出し、言語化していく(だいたい誤解が生じているもの)


です。


■この3点が、私が思う、

”人間関係において、「自分のバイアス」を
 できるだけ除去して向き合うポイント“

だと感じています。



■もしかすると、私の視野が狭いだけで、
「そんなの当たり前やん」と思う人もいらっしゃるかもしれません。

あるいは長らくマネジメントに従事されてきた方からしたら、
取るに足らない話かもしれません。


しかしながら、

「世の中の多くの問題はどこまでいっても
 人間関係の問題に行き着く」

と一時期ベストセラーになった『嫌われる勇気』で語られましたが、
まさしくその通りだと思います。


簡単な話ではないと思います。

私も妻とめちゃくちゃ語り合っていますが、
それでもお互いの違いを知るというのは
死ぬまで続く、壮大な旅のように思えてなりません。

これからも、ずっと続くでしょう。
ただ、それでも積み重ねる価値がある旅だとも思います。


常に「真実」を見るために、
小石を積み重ねるように、少しずつ少しずつ、
対話を重ねていくことが大事なのでしょうね。



最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

かたつむりに殻の様子を教えてやれるのは、
かたつむり以外の者だ。

エルバート・ハバード(米国の作家・教育者/1856-1915)

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