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今週の一冊『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』

今週の一冊『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』

2286号 2020年5月24日

(本日のお話 1856字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は12キロのランニングと筋トレ。

ならびに、あるサービスの
ランディングページを作成しておりました。
オンラインでのプレゼンスを、ますます高めたいと思います。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は、

=========================

『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』

(著: 若松 英輔)

https://www.amazon.co.jp/dp/4309022723/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_S1OYEbRX7A6G3

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です。

■なぜだか一緒にいて

「この人、大きいなあ、、、」

と感じさせられる人がいます。

立場としては偉いのだけれども、決して偉ぶらず、
一人ひとりの人生を尊重している。

それぞれのステージで戦っていることを
比較せず、ただただ応援できる、
包み込むような優しさを携えている。

あるいは、人に弱さや脆さやずるさがあっても、
それも含めて飲み込める、理解してくれるような人。

人生がもたらす沢山の感情を味わったような方、

など。

なんというか、不思議ですし
あくまでも感覚的なものなので
これ以上語ることはできないのですが、
確かにそういった方、いるよなあ、、、

と思っています。

そして、大体そういう方と親しくなると、

「人生の艱難辛苦、あるいは悲哀、喪失を味わっている方」

であるように、私の体験談にすぎませんが、
思うことがあります。

■今回ご紹介するこの本をとったきっかけですが、
上記の話に少し関連します。

少し前にNHK『100分de名著』という番組で
日本最初の哲学者・西田幾多郎氏の特集をしているとき、

著書を解説者として登場していた方が
「若松英輔氏」でした。

ブラウン管ならぬ、iPhone越しでしたが、
その佇まいになんとも言えぬ「深いもの」を感じてしまい、
その方がどんな本を書いているのだろう、、、

とAmazonで検索をしていたときに、
ふいにタイトルに目が奪われ、購入した本。

それが、

『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』

の一冊でした。

■この本の紹介を見ると、
次のように記されています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
悲しみは、人間がこの世で感じ得るもっとも高貴な営みの一つでした----。

「悲しむことの大切さ」とは何か?

気鋭の思想家が苦しみの淵にいるあなたに贈る、あたたかな11通の手紙。

※Amazon本の紹介より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

以上です。

それ以外は、紹介にも
特に何も書いていません。

しかし、そこに寄せられるコメントから、
多くの人の心を癒やし、救ったように感じられます。

■実際に読み始めると
突然、手紙の形式始まります。

しかし、読み進めていくと
その「手紙」というのは、

”大切な人の喪失、あるいは自分の身体の一部の喪失により、
多大なる悲しみを背負っている人に対しての手紙”

であることがわかります。

シーンとして明確に語られていませんが、
東日本大震災の被災者に対しての講演を聞いた方の
感想の手紙に対する返信文のような形で、

著者の「悲しみ」に対する考え方が、
美しい言葉で紡がれています。

■少し話が変わりますが、
私が師匠と仰いでいる方が、

「人生は突き詰めていくと”かなしい”ものであると思う」

と言っていました。

人は誰もが最終的には、
誰もが大切な人を失ったり、
出来ることができなくなっていったりするもの。

ゆえに、

『何かを手に入れて、
そして失っていく旅路が人生』

であるならば、それは悲哀という言葉で
表すことができるのかもしれません。

(厳密に言えば、失うのではなく「手放していく」、
というほうが良いのかもしれませんが)

■ただ、それがわかっていても、

その「悲しみ」が自分の身に突如訪れた時、
受け止めることの難しさは、想像に難くありません。

そんな中で、もしその「悲しみ」を受け止め、
共に歩ませてくれるものがあるとしたならば。

それは、

『「悲しみ」が持つ意味や美しさを知る』

ことなのかもしれません。

私は、この著書を読んで、
そんな事を思いました。

■もし仮に、大切な何かをなくしていて、
そして”悲しみ”に暮れている人がいて、

かける言葉もない中で
もしも渡せるものがあるならば、
私はこの一冊を選びたい、と思います。

以下、著書より一部引用させていただきます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

”昔の人は、「かなし」という言葉を、
「悲し」とだけではなく、「愛し」と書いた。
「美し」も「かなし」と読んだ。

誰かを亡くして、心から悲しいと思うことほど
深く美しい情愛はないということを、
かつての日本人は知っていたんだ。”

※『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

著者ご自身の大いなる喪失の体験から
紡がれた言葉に魂がこもっています。

とても綺麗で透明で、
キラキラ光っているように見えました。

気になった方は、手に取られてみると、
きっと素敵な出会いになる本だと思います。

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<今週の一冊>

『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』
(著: 若松 英輔)


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