「汝の時間を知れ」、とドラッカーは言った
(本日のお話 2833字/読了時間5分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
ならびに友人のコンサルタントに
自分の「業務分析」を手伝ってもらいました。
(Mさん、ありがとうございました!)
その中で、
「時間の使い方」について
ピーター・ドラッカーの言葉とともに
気づくことがありましたので、
皆さまに
ご共有させていただければと思います。
タイトルは、
【「汝の時間を知れ」、とドラッカーは言った】
それでは、どうぞ。
■「汝の時間を知れ」。
これは、
ピーター・ドラッカーの著書
『経営者の条件』の言葉。
*
数々の著書を出したドラッカー氏。
多すぎてどれから読めばいいか
よくわからない、という方は
きっと、私だけではないはず。
(たぶん)
■以前「ドラッカー塾(ダイヤモンド社)」に
参加したとき、
「ドラッカー難しそうな本が多すぎて
どれから読めばいいかわからないんですけど、、、
『もしドラ』は読みましたけどw」
と語ったところ、
講師の国永先生が
「ドラッカーは社会のことを書いている本も多いですが、
”個人が成果を上げたい”と考えたときに
個人のパフォーマンスに焦点を当てた本として、
ドラッカーが『経営者の条件』を書いているので、
これはおすすめですよ」
と丁寧に教えていただきました。
(国永先生、その節はありがとうございました)
■その著書の中で、
”汝の時間を知れ”
という言葉が残っていたのは
ぼんやりと記憶していたのでした。
そんな最中、
友人でお世話になっている経営者で
コンサルタントの方に昨日
「業務分析」を手伝っていただき、
”汝の時間を知れ”
の言葉の意味を改めて感じることとなります。
■皆さまは、「業務分析」なるもの
やったことはありますでしょうか。
やり方としては、
実にシンプルです。
以下の3ステップ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<業務分析の3ステップ>
1、タスクを洗い出す
2,各タスク1回あたりに必要な時間を計算。
1ヶ月に何回そのタスクをやるのか考え
かかっている時間を割り出す
3,円グラフにして可視化する
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
以上。
しかし、問題なのは、
”1人でやろうとすると
めちゃくちゃ億劫”
ということ。
思考があっちこっちに行き、
全然進まないし、
嬉々としてやるものでものない。
ゆえに、壁打ちとして
誰かとやるのがお勧めである、とのこと。
■そして、早速進めます。
まず今行っているすべての仕事を
一気に書き出していきます。
マーケティグ→営業→納品
という業務フローに従って
書き出す、書き出す。
ホームページの修正
導入事例の作成
イベントの開催
メルマガの作成
営業の商談
申込書・見積書
研修プログラム開発、
研修準備
社内ミーティング
メルマガ作成
、、、
でる、でる。
私の場合、
合計120項目ほどになりました。
■そして次に
”各項目に、1作業あたり
どれくらいの時間を使っているのか”
を考え、エクセルに記入します。
そして、
”1ヶ月で何回くらい
そのタスクを行っているのか”
を書き入れ、
計算式で上記を掛け算して、
1ヶ月あたりの時間を出します。
そして最後に、
円グラフにして
可視化してみました。
■、、、すると、
自分の1ヶ月の
おおよその時間の使い方が
わかりました。
いろいろな気づきがあります。
・本来もっと注力すべきところに
時間を使えていない
(営業やっているつもりが実はやっていない)
・気をとられていた
煩わしいと思っていた作業の時間は
実は大した時間があるわけではない
(苦手だから、大きく見えていた)
・他の人にお願いできそうな作業と
自分がやるべき仕事が明確になる
などなど。
■そして、一緒に付き合ってくれた
コンサルタントの友人が言った、
「これ(業務分析)って
めちゃめちゃ大事ですよね。
でも一人だと難しいし、
ほとんどの人がやっていないと
思いますよねー」
という言葉が
胸に残りました。
とても、納得しました。
■その後、本棚にある
ピーター・ドラッカーの著書
『経営者の条件』
を取り出して、
パラパラとめくってみます。
すると、こんなことが
書かれていました。
(ここから)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
”成果を上げる者は、
仕事からスタートしない。
時間からスタートする。
計画からもスタートしない。
時間が何にとられているかを
明らかにすることからスタートする。
次に時間を管理すべく、
時間に対する非生産的な要求を退ける。
そして最後にそうして得られた自由になる
時間を大きくまとめる。
したがって、
時間を記録する、整理する、まとめる
の三段階にわたるプロセスが、
成果を上げるための 時間管理の基本となる。”
※引用:『経営者の条件 第2章 汝の時間を知れ』(ピーター・ドラッカー)より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
、、、
この「汝の時間を知れ」の
ファーストステップ、
「時間を記録する」
がまさしく今回行った
「業務分析」なのでした。
■忙しい、忙しい、、、と思って、
ひたすら来る球を打ち返していても、
成果は上がりません。
重要ではないメールを
100発打ち返しても
それがインパクトある成果には、
つながらないということ。
「インパクトがある仕事に
時間を使えているか」
このことが重要なのです。
■ゆえに「汝の時間を知れ」よろしく、
「実際に自分が、
何に、どれくらい
時間を使っているのか」
このことを改めて整理することは、
いくら掘り下げても掘り下げ切れない
大事な知的内省であろう、と思います。
■リモートワークで
「生産性が上がったの?
下がったの?一体どっち?」
という議論は今、
各社の人事の方と話をしていて
よく話題に上がります。
*
6月3日の日本経済新聞では、
”生産性「下がった」6割超 間違いだらけのウェブ会議”
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59586800W0A520C2000000/
という記事が紹介されていました。
この記事によると、
”3000人のビジネスパーソンに聞いたところ
62.8%が「生産性が下がった」と感じている”
という話でした。
そして、生産性が下がると感じている
主な原因は、
1,オンラインでのコミュニケーションが
うまく行かないと感じる
2,誘惑に負けない自律心(セルフマネジメント)
の難しさ
という話が焦点でした。
■ですが、この記事で
個人的に思ったことが、
知的労働で成果を図る
ホワイトカラーの仕事において、
「自分が何に時間を使っているのか」
「成果を上げるために
最も重要なタスクはどれなのか」
「リモートワークで
それがどれくらい増えたのか
あるいは減ったのか」
という「生産性に対する根本的な問い」までは
落とし込めていないのだろう、
とも思いました。
それは、これまで考えていなかったら
基準がないから、
リモート後に生産性が上がった、下がったを
厳密に図ることもできない、
ということになります。
そんな事も含めて、
「汝の時間を知れ」
の言葉をみると、深みを感じますが
皆様はいかがでしょうか_
■皆様は、今自分が
何にどれくらい
時間を使っていますか?
そして、
自分が収入を得ていることに対して
(期待されている成果に対して)
密接に関わるタスクに
どれくらい時間を使えているでしょうか?
考えてみると
新たな発見があるかもしれませんね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
=========================
<本日の名言>
私が知っている成功者は、
すべて自分が与えられた条件のもとで、
最善を尽くした人々であり、
来年になればなんとかなるだろうと、
手をこまねいてはいなかった。
エドワード・W・ホー(米国の政治家/1849-1925)
=========================