「自己基盤」に向き合う
(本日のお話 2058字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は CRR Global JAPAN のシステムコーチ
ングの集中トレーニング3日間の1日目でし
た。
トレーニングを受けつつ、
改めて感じていることが、
「コーチングとは自分の弱さも
恐れも全部出るのだなあ」
ということ。
こちら側が遠慮していると、その空気
をクライアントも感じるし、自分が勇気を
持って踏み込むと、相手もそれに呼応する。
スキルやテクニックを超えた「あり方」っ
て大切だな、とよくよく思います。
そしてそれは多分、上司部下の関係、
夫婦の関係、友人の関係でも同じなのでしょう。
*
さて、今日のお話は、そんな
「あり方」
について、コーチングのトレーニングを
受講しつつ、感じたことを皆さまに
ご共有させていただきたいと思います。
ちょっと抽象度の高い話であり、
人によってはこういう類の話はちょっと苦手..
と思われる方もいるかもですが、
よろしければ付き合いいただければ幸いです。
タイトルは
【「自己基盤」に向き合う】
それでは、どうぞ。
■コーチングをやればやるほど思うこと。
それは「人は本当に複雑である」ということ。
人は機械みたいに、モーターのこの部分が
壊れているから、取り替えましょう、はい、
治りました!というシンプルなものでは
ありません。
一つの課題に焦点を当てても、その背後には
実に多くの事柄が絡み合っていたりします。
■例えば、私の場合。
(自己開示にやや抵抗がありますが)
先日、向き合った自分の内面の複雑さは、
以下のように連鎖していました。
<目に見えている課題>=
「仕事で売り上げをもっと増やしていきたい。
しかしこの市況で不安もある」
↓
売上を拡大するには、人を雇い、組織を拡大
したほうがいいのはわかる。だが、人を雇う
リスクを感じている
↓
人を雇って、そして売上をあげられない怖さ、
その背後には何があるのか?その一つに
「自分は人を育て売上を立てる能力がなかった」
と認めざるを得ない怖さがある。
↓
売上があげられない、成果が出ない。イコー
ル、自分は優秀ではない、と認める。それに
こわさを感じているのだ。
↓
本当は、自分は特段優秀でないとわかってい
る。なぜわざわざ優秀であろうと見せたいのか?
そうしなければならない理由は、一体なにか?
↓
遡ると、中学校のハンドボール部時代が思い
出される。運動ができず背番号14番中14番、
補欠で存在感がなく、後輩にすら馬鹿にされる
痛い記憶があった
↓
今プレイしているゲーム(今なら資本主義社
会における価値証明としての”売上”)で
成果を出し、勝たねば、あのときのような
惨めな気持ちをしそう。それはイヤだ。
だから、
「仕事で売上を伸ばし続けないといけない」
という思いもある、
、、、というように。
(上記の考えはごく一部ですが)
■最初は、今の気持ちとして
「仕事の売上が立てられないと不安」
だったのが、深く連鎖的に内面を掘っていくと、
ピュアで柔らかい思春期真っ只中、
中学生時代の思い出と、苦い記憶が
掘り出されてきた、、、という具合です。
■コーチングをしていてよく思うこと。
それはどれだけ人は大人になって、
経験を積み、理屈や論理で語れるように
なったとしても、
「心の奥底には
非常に柔らかい繊細な部分がある」
ということです。
無自覚でも、硬い鉄のような権威や
立場や論理で自分を守っているように見えても、
心の奥底の柔らかい部分に
痛みや課題を抱えている人が、
一人苦しんでいることに、
コーチングをすると気が付きます。
■このような”内面系”の話については、
探求するのが好きor嫌い、得意or苦手など
あるものだと思います。
強制するものではないので、
全員が全員考える必要がある、
とも思いません。
ただ、思うのが
「誰しもが複雑な内的世界を持っている」
ということと、表面で見えていないものが
今の課題に対して影響を与えていることが
ある、ということです。
そしてその根本に目を向けないと、
表面の問題も解決されることはありません。
こういった根本のことを
コーチングの世界では
『自己基盤』
と言っています。
■もし皆様の中に、例えば
・今、目の前にある課題
・何回も繰り返す人間関係の問題
・慢性的にある不安
などがあったとしたら
そこに深く、向き合ってみた時にその
根本的な原因は、
「実は、現実見えていることではなく
もっともっと深い部分にあった」
ということ十分、起こりえます。
それは、過去に取り残してきた”未完了”
のこと、消化できていないこと、
すなわち「自己基盤」にこそ、その
問題解決のヒントがあるのです。
■そんな背景を踏まえて、
もし不安や不満があるとしたら、
「今の自分の不安の背後にあるものは、
どのようなものがあると思いますか?
「そしてそれは、過去の自分と
どのようにつながっていますでしょうか?」
、、、
ちょっと重たい質問ではありますし、
こういったことを考えるのは、自分の中の
パンドラの箱を開けるようなもので抵抗感が
あるかもしれません。
ただ、もし今日のお話に気にあることがあった
方は、深く考えてみることで大いなる気づきが
あると思います。
「自己基盤」、大切です。
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<本日の名言>
人々が孤独なのは、
橋を架ける代わりに
壁を築いているからである。
ジョセフ・フォート・ニュートン(米国の牧師/1876-1950)
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