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2348号 2020年7月25日

Amazonプライムで、大人の教養を深める(後編)

(本日のお話 2385字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、1件のブレストのサポート。
世間は4連休ですが、戦っている方も
いるのだなあと思いつつ、ちょっとした
壁打ち相手のサポートをさせていただきました。

また本日は
ストレングス・ファインダー・ワークショップの
準備などでした。



さて、昨日ですが、
“Amazonプライムで、大人の教養を深める”
というテーマでお届けいたしました。

本日も続けます。

タイトルは、

【Amazonプライムで、大人の教養を深める(後編)】

それでは、どうぞ。

■昨日のお話は、

良質な映画や本を触れると、

「現実の問題やニュースを見る目が
今後変わりそう」

なる感覚を持つものですよね、
というお話でした。

■特にある分野について
3つくらい集中的に映画を観ていくと、
(あるいは3冊くらい本を読むと)

・西アフリカの紛争と虐殺
・麻薬カルテル
・武器禁輸問題と武器商人
・中東の民族紛争
・奴隷制度
・LGBTに関するテーマ
・現代の貧困の問題
・メディアと利権の話

などなど、
ぐぐっと視点が深まる感覚を
覚えるもの。

それは、いくつもの人物が
一つの事実を元に、違った切り口で
描いていて、その作品に触れることで

「確かに存在していたけれども、
これまで見えていなかった世界」

を温度感、現実感を伴って
見せてくれることによる、

視座の広がりなのでしょう。

■私が昨日ご紹介した映画も、
そんな視座の高まりを教えてくれる作品の
1つかと思います。

『運び屋』
『ブラッド・ダイヤモンド』
『ロード・オブ・ウォー〜史上最強の武器商人と呼ばれた男〜』
『みかんの丘』
『甘くない砂糖の話』

についていえば、

例えば、

『ブラッド・ダイヤモンド』や
『ロード・オブ・ウォー』でいえば
これまでなんとなく聞いたことがある、

”アフリカの天然資源を取り巻く、
紛争や独裁、虐殺の問題”

を、

政治の問題、
資本主義の問題、
ジャーナリズムの問題、
難民の問題と
それぞれの立場を、
多様な俳優が演じ分けることで、
リアルにイメージさせてくれました。

■すると、今まで素通りしていた問題が
”温度感、感情を伴った
現実の立体感を伴った問題に近づく”

と感じましたし、
ゆえにレビューのように

「戦争ものやアクションもの、現実の紛争
ニュースを見る目が今後変わりそうです」

という感覚を覚え、
すこし大げさに言えば
世界が私事になる事に近づく、

とも感じたのでした。

■今、テレビや、ネットなどで、
たくさんの情報が流れてきます。

ただ報道されているものは
(私が観た映画も含めて)
何者かの意図が含まれています。

かつ、私達は興味に基づいて
観たいものを選んで観ている。

しかしテレビなどは、
何を放映して、何を放映しないかも、
メディアの方針によって、選ばれています。

テレビ視聴者世代にうけがよく、
視聴率を取れるようにすると、
人口比率から必然的に、
シニア世代向けの番組が増えます。

じゃあ、それが全てかと言うと
そんなはずものありません。

■もちろん、

”メディアもある側面の情報しか
流していない”

と認識していれば
何も問題はないのですが、

それらの情報に触れるうちに
「正解の基準」すらも特定の情報や
メディアに染まっていきます。

すると、

自分の判断軸すら
何者かにコントロールされている、

ということが、
無意識に起こってしまうことに繋がる。

そのことを自覚せずに
盲目的になってしまうことが
善悪や選択を他者に委ねることになり、
恐いことだと思うのです。

■ちなみにこのことを、
政治評論家でジャーナリストの、
ウォルター・リップマン(1889-1974)は、
以下のように書きました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
”私達はたいていの場合、見てから
定義しないで、定義してから見る。

外界の、大きくて、
騒がしい混沌状態の中から、
すでに我々の文化が我々のために
定義してくれているものを拾い上げる、
ステレオタイプ化された形のままで知覚しがちなのだ”
(『世論』より)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

まさしく、そうなのでしょう。

■そんな世の中で
ただ受け身なだけで情報を得ていると、

資本主義のルールも、
組織構造への疑問も、
働き方への考え方も、
「本質」が何なのか?を
自ら問うことなく、

「周りがそうだからそうだよね」

と、何が正しいのか考える視点を
持たないまま、あっちへフラフラ、
こっちへフラフラただ彷徨うだけになってしまう…

結果ブラック企業だ、
パワハラだ、過労死だ、
不正会計だ、

とも繋がりうる、、、
私はそのように感じます。

■いや、判断軸なんていらない、
それはそれでいい、という人は、
もちろんそれでよいでしょう。

でも、そういう判断軸を
他者や誰かに委ねた人のことを、

古代ギリシャでは
「奴隷」と呼びました。

その方が楽、という考えもありますので
否定はしませんが、正直、
自分の人生やキャリアを考えた時に、
生存確率は低くなると私は思っています。

■『7つの習慣』のコヴィー博士は、

”私たちは世界をあるがままに見ている
のではなく、私たちのあるがままに世界
を見ているのだ”

と言いました。

私達は、自分が見聞きしたもの、
知っていることだけを正解と思いがちですが、
「それが全てではない」と

自分で自分に対して
口が酸っぱくなるくらい
言い聞かせて、ちょうどよいのでしょう。

■そんな事を考えると、
今回のAmazonプライム映画観まくりの旅も、

『”自分の当たり前を拡げる”という
大人の教養を深める知的の取り組み』

とも思えます。

しかも、面白いんだから、
こんなに楽しくて得なことはない。

■ただポイントは、

自分の興味がある対象(テーマ)を観て、
掘り下げることだけではなく、

時に自分の好きなジャンル以外にも、
脇道、寄り道をしてみること。

その軸は、直感でもよいし、

「周りの誰かが、これは見た方がいいよ!」
とオススメされた話や、

世の中で注目されている人類共通のテーマ、
社会問題を含め、自分達が生きる
世界の未来についてのテーマなど、

良いかもしれません。

■ポイントは、

【今の自分の価値基準を超えて
積極的に情報を拡げること】

です。

それが自らの手で選択肢を拡げ、
自らの可能性を拡大する上でも、
大切なことではなかろうか、

と思います。

■学びは事後的にわかるものです。

自分の視点だけでなく、
多くの「参照枠」を持つこと。
とても大切な行為であるなと、

Amazonプライムを
観ながら思った次第でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>
いつもまでも一つの土地に釘付けになるな。
思いきりよく元気に飛び出せ。
そのためにこの世界はこんなにも広いのだ。

ゲーテ(ドイツの劇作家/1749-1832)

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