Amazonプライムで、大人の教養を深める(後編)
(本日のお話 2385字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は、1件のブレストのサポート。
世間は4連休ですが、戦っている方も
いるのだなあと思いつつ、ちょっとした
壁打ち相手のサポートをさせていただきました。
また本日は
ストレングス・ファインダー・ワークショップの
準備などでした。
*
さて、昨日ですが、
“Amazonプライムで、大人の教養を深める”
というテーマでお届けいたしました。
本日も続けます。
タイトルは、
【Amazonプライムで、大人の教養を深める(後編)】
それでは、どうぞ。
■昨日のお話は、
良質な映画や本を触れると、
「現実の問題やニュースを見る目が
今後変わりそう」
なる感覚を持つものですよね、
というお話でした。
■特にある分野について
3つくらい集中的に映画を観ていくと、
(あるいは3冊くらい本を読むと)
・西アフリカの紛争と虐殺
・麻薬カルテル
・武器禁輸問題と武器商人
・中東の民族紛争
・奴隷制度
・LGBTに関するテーマ
・現代の貧困の問題
・メディアと利権の話
などなど、
ぐぐっと視点が深まる感覚を
覚えるもの。
それは、いくつもの人物が
一つの事実を元に、違った切り口で
描いていて、その作品に触れることで
「確かに存在していたけれども、
これまで見えていなかった世界」
を温度感、現実感を伴って
見せてくれることによる、
視座の広がりなのでしょう。
■私が昨日ご紹介した映画も、
そんな視座の高まりを教えてくれる作品の
1つかと思います。
『運び屋』
『ブラッド・ダイヤモンド』
『ロード・オブ・ウォー〜史上最強の武器商人と呼ばれた男〜』
『みかんの丘』
『甘くない砂糖の話』
についていえば、
例えば、
『ブラッド・ダイヤモンド』や
『ロード・オブ・ウォー』でいえば
これまでなんとなく聞いたことがある、
”アフリカの天然資源を取り巻く、
紛争や独裁、虐殺の問題”
を、
政治の問題、
資本主義の問題、
ジャーナリズムの問題、
難民の問題と
それぞれの立場を、
多様な俳優が演じ分けることで、
リアルにイメージさせてくれました。
■すると、今まで素通りしていた問題が
”温度感、感情を伴った
現実の立体感を伴った問題に近づく”
と感じましたし、
ゆえにレビューのように
「戦争ものやアクションもの、現実の紛争
ニュースを見る目が今後変わりそうです」
という感覚を覚え、
すこし大げさに言えば
世界が私事になる事に近づく、
とも感じたのでした。
■今、テレビや、ネットなどで、
たくさんの情報が流れてきます。
ただ報道されているものは
(私が観た映画も含めて)
何者かの意図が含まれています。
かつ、私達は興味に基づいて
観たいものを選んで観ている。
しかしテレビなどは、
何を放映して、何を放映しないかも、
メディアの方針によって、選ばれています。
テレビ視聴者世代にうけがよく、
視聴率を取れるようにすると、
人口比率から必然的に、
シニア世代向けの番組が増えます。
じゃあ、それが全てかと言うと
そんなはずものありません。
■もちろん、
”メディアもある側面の情報しか
流していない”
と認識していれば
何も問題はないのですが、
それらの情報に触れるうちに
「正解の基準」すらも特定の情報や
メディアに染まっていきます。
すると、
自分の判断軸すら
何者かにコントロールされている、
ということが、
無意識に起こってしまうことに繋がる。
そのことを自覚せずに
盲目的になってしまうことが
善悪や選択を他者に委ねることになり、
恐いことだと思うのです。
■ちなみにこのことを、
政治評論家でジャーナリストの、
ウォルター・リップマン(1889-1974)は、
以下のように書きました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
”私達はたいていの場合、見てから
定義しないで、定義してから見る。
外界の、大きくて、
騒がしい混沌状態の中から、
すでに我々の文化が我々のために
定義してくれているものを拾い上げる、
ステレオタイプ化された形のままで知覚しがちなのだ”
(『世論』より)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まさしく、そうなのでしょう。
■そんな世の中で
ただ受け身なだけで情報を得ていると、
資本主義のルールも、
組織構造への疑問も、
働き方への考え方も、
「本質」が何なのか?を
自ら問うことなく、
「周りがそうだからそうだよね」
と、何が正しいのか考える視点を
持たないまま、あっちへフラフラ、
こっちへフラフラただ彷徨うだけになってしまう…
結果ブラック企業だ、
パワハラだ、過労死だ、
不正会計だ、
とも繋がりうる、、、
私はそのように感じます。
■いや、判断軸なんていらない、
それはそれでいい、という人は、
もちろんそれでよいでしょう。
でも、そういう判断軸を
他者や誰かに委ねた人のことを、
古代ギリシャでは
「奴隷」と呼びました。
その方が楽、という考えもありますので
否定はしませんが、正直、
自分の人生やキャリアを考えた時に、
生存確率は低くなると私は思っています。
■『7つの習慣』のコヴィー博士は、
”私たちは世界をあるがままに見ている
のではなく、私たちのあるがままに世界
を見ているのだ”
と言いました。
私達は、自分が見聞きしたもの、
知っていることだけを正解と思いがちですが、
「それが全てではない」と
自分で自分に対して
口が酸っぱくなるくらい
言い聞かせて、ちょうどよいのでしょう。
■そんな事を考えると、
今回のAmazonプライム映画観まくりの旅も、
『”自分の当たり前を拡げる”という
大人の教養を深める知的の取り組み』
とも思えます。
しかも、面白いんだから、
こんなに楽しくて得なことはない。
■ただポイントは、
自分の興味がある対象(テーマ)を観て、
掘り下げることだけではなく、
時に自分の好きなジャンル以外にも、
脇道、寄り道をしてみること。
その軸は、直感でもよいし、
「周りの誰かが、これは見た方がいいよ!」
とオススメされた話や、
世の中で注目されている人類共通のテーマ、
社会問題を含め、自分達が生きる
世界の未来についてのテーマなど、
良いかもしれません。
■ポイントは、
【今の自分の価値基準を超えて
積極的に情報を拡げること】
です。
それが自らの手で選択肢を拡げ、
自らの可能性を拡大する上でも、
大切なことではなかろうか、
と思います。
■学びは事後的にわかるものです。
自分の視点だけでなく、
多くの「参照枠」を持つこと。
とても大切な行為であるなと、
Amazonプライムを
観ながら思った次第でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
いつもまでも一つの土地に釘付けになるな。
思いきりよく元気に飛び出せ。
そのためにこの世界はこんなにも広いのだ。
ゲーテ(ドイツの劇作家/1749-1832)
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