ボクシングのワン・ツーと、人生の基礎原則はよく似ている
(本日のお話 2770字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は1件のミーティング。
また4件の個別コーチング。
夜、時間ができたので、
キックボクシングのジムに
2時間がっつり参加してきました。
やっぱり、運動はいいなあ。
*
さて、本日のお話です。
今私が通っているキックボクシングジムは、
時間帯によって、色々なクラスがあります。
昨日参加したのは、
・キックボクシング グループレッスン
・ボクシングクラス グループレッスン
という2コマ2時間でしたが、
その練習の中で、感じることがありました。
本日は運動を通じての気付きについて
皆さまにご共有させていただければと思います。
タイトルは、
【ボクシングのワン・ツーと、人生の基礎原則はよく似ている】
それでは、どうぞ。
■「ボクシング上手いですね」
約1ヶ月前に入会した
キックボクシングジムで
会員の方から頂いたお褒めの言葉。
中学時代、ハンドボール部
背番号14番(14人)、
体育の内申点は、だいたい「3」、
と、あまり運動に自信がなかった
自分にとって、褒めてもらえるのは
あの頃の自分が救われる気がして、
なんとなく嬉しいです。
■とはいえ、一応
褒めていただけたのにも、
やはり理由がありまして。
私(紀藤)の話ですが、
少し過去の思い出話をさせてください。
*
私大学時代2年ほどボクシング部に
所属していたことがありました。
大学のクラスメイトが、
ボクシング部の主将だったのですが、
人気がない部活で部員が私の学年では
彼一人のみという切ない状態。。。
そんな中、私がとある事件に
巻き込まれ怪我をしたことから、
「体を鍛えよう」と思っていたとき
「ヤス、入部する?」
と誘われ、そのまま
入部することになりました。
■入部したボクシング部は、
なんだかんだ体育会系の部活でした。
当時、王者のように君臨していた
M先輩は、入部直後こう言いました。
「お前ら、1年間はワンツーだけだ」
場がピリッとします。
ちなみに、”ワン・ツー”とは、
左(ジャブ=ワン)
→右(ストレート=ツー)
というボクシングの基本中の基本の型。
入部したあと、
中途入部の私は1学年下の人と一緒に入り、
ひたすらジャブを打ち続けます。
週3日の練習ですが、
その練習はひたすら、
なわとびとステップと「ジャブ」。
■最初10人くらいいた部員は、
この地味で退屈な練習に、
1人減り、2人減りだんだんと
少なくなっていきました。
部員が減っても、M先輩の指導は変わらず
練習は「ジャブ」のみ。
3〜4ヶ月位たったとき、
ようやく右ストレートを
教えてもらいました。
そしてその後の練習が
1年位続くのですが、特に変わることはなく、
「ワン・ツー」
という技術しか覚えることは
ありませんでした。
■それから1年後、試合に出ました。
武器は「ワン・ツー」のみ。
ひたすらそれを連打して、
3ラウンド戦いました。
(結局負けましたが)
■そして後日、
同じゼミの友人のA君(プロボクサー)
当時の試合のビデオをみせて、
彼に色々分析してもらいました。
その時言われた言葉が、
「本当に、ワンツーだけやね(笑)
俺なら一発ももらう気がしない。
単調だと、攻撃が読めるから」
加えて、
「まあ、ヤス(私)の試合じゃなかったら
見ちゃいられない試合だね」
と、結構傷つくコメントを
あはは!と笑いながら言われたのが
懐かしく(ちょっと胸がきゅっとしつつ)
思い出されます。
でも、同時に、
「とはっても、ワンツーしか
教えてもらってなかったからな」
と自分を納得させました。
■結局、ボクシング部の
在籍2年の間で基本、
「ワンツーのみ、
ひたすら繰り返した」
のでした。
■さて、ここまでが思い出話。
、
そして、この前提を踏まえて
ここからが本題です。
数え切れないほど
「ワンツー」をやってきたことは、
ここまででお伝えしてきたとおり。
友人のA君にも、厳しいコメントをされながら
それでもワンツーはやってきたのです。
そしてそれが、昨日のボクシングクラスで
地味で単純で普通の練習が、
「周りとの違い」
としてやはり出ていました。
相手がワンツーを同時に打っても、
必ず私の方が先にあたります。
やはり繰り返してきたものは、
20年経っても変わりませんでした。
単純で、地味で、でも大切なことの大切さを
改めて感じていたのでした。
(多分、なにかの運動を経験していた方は
感じることではないかと)
■そして、思ったこと。
それは大学時代、
「退屈だけどひたすら繰り返した
ワンツーの価値」
です。
そして、
【大切なことは、退屈でシンプルである】
こと、思ったのでした。
■人は、つい
「すぐにできる必殺技」を求めます。
キックボクシングでも、
つい、必殺技のようなものを
覚えたくなったり、
あるいはテニスでも、
「エアケイ」のような
かっちょいい技を覚えたくなります。
でも、実力を上げて、
そして安定的に勝つためは、
単純で、地味で、退屈な、
「基本中の基本(ワンツー)」
をひたすら繰り返し、
それを身体知化すること。
当たり前を、
完全に自分と一体化させること。
基本とは原則です。
基本を固めることが
時を経ても成果を上げる上で
極めて重要なことである、
と思うのです。
■そして少し話が飛躍するようですが、
「人生の基礎原則」
でも同じことが言えます。
例えば、よく言われる
・「目標」を持つこと
・「自ら動く」こと
・「相手の話に耳を傾ける」こと
・「学び続ける」こと
などは、
仕事や人間関係を成功させる
「人生の成功のいち原則」のようなもの。
ゆえに、言われたら
「そりゃそうだよね、大切だよね」
と誰もが言う話でしょう。
否定する人はいないはず。
■しかし、これらのことは
単純で、退屈で、
あまりに普通のことです。
だから、ないがしろにされる。
「それね、知ってる知ってる、
普段から意識しているよ」
と出来た気になっていること、
実に多いと思うのです。
それはまるで、新入部員が
1ヶ月ワン・ツーをやって、
「だいぶできてきた」と
勘違いする様子に近いです。
■例えば、「目標設定」だってそう。
実は、物凄く深いです。
”仕事の今期の業務目標書いてます”
といって、
「目標設定でバッチリきてます」
というとしたら、実に甘い。
「仕事」の目標でも、
「会社から来た目標シートを
ただ書く」
が目標設定の完成形ではなく、
自分の価値観、人生の方向性、
3年後、5年後、10年後など見据えて
どれくらい考えたのか、と問うてどうか、
という視点もあるし、
仕事だけでなく、
家庭、趣味、健康、コミュニティ、学び、
など多面的に考えて一貫性を持てるように
目標設定ができているのか、
という観点もあります。
様々な観点から、
自分の「ありたい姿」を
どこまで深く語れるのか、
それを語れるくらい深く内省をしているだろうか、
そんな深みがある「あたりまえ」の世界です。
でもそして、
こういう単純でシンプルなことこそ、
実は波及効果が高い重要なことだと
私は感じています。
■改めて、
【大切なことは、退屈でシンプルである】。
退屈で普通で地味なこと。
ウルトラCの必殺技でなく、
その基礎原則を何度も何度も
自分に染み込ませていくこと。
『7つの習慣』で言われるような
当たり前のことこそに本当の価値がある、
ボクシングのミット打ちを経て
「ボクシングのワン・ツーと、
人生の基礎原則はよく似ている」
そんなことを思っている次第です。
私自身、基礎を大切にして
少しずつ積み重ねたいな、と思いました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
いつか空の飛び方を知りたいと思っている者は、
まず立ち上がり、歩き、走り、登り、
踊ることを学ばなければならない。
その過程を飛ばして、飛ぶことはできない。
フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者/1844-1900-)
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