100人シェアハウスの経営者が語る「就活シェアハウス」が上手く行かない理由と多様性の作り方
(本日のお話 2445字/読了時間4分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
ならびに、1件のコーチング(受ける方)。
また、1件のシステムコーチングの実施でした。
*
さて、本日のお話です。
先日、私の友人で
シェアハウスの会社を経営している方から
ある興味深い話を聞きました。
テーマは「多様性」について、です。
今日はこのお話について
学びと気付きを皆さまに
お伝えさせていただければと思います。
タイトルは、
【100人シェアハウスの経営者が語る
「就活シェアハウス」が上手く行かない理由と多様性の作り方】
それでは、どうぞ。
■私の古い友人の
平岡雅史君(株式会社絆人 代表)という方が、
千葉の柏市にて
『HASH196』
というシェアハウスを
経営しています。
↓
https://kizunaya-s.com/6920-2/
このシェアハウスは、
大型国際交流シェアハウスがコンセプトで、
100人住める、非常に大規模なシェアハウス。
最近は、「家族フロア」も出来たとのことで
7家族、8人の子供がいる(!)そうです。
■話を聞くと、まるで「村」。
男性、女性、
外国人、家族、子供、
年齢も様々で、まさに村、
否、ジャングルのようです。
子どもたちが共有フロアで
飛び跳ねている中、
そこにシェアハウスの住人が混ざって
くつろぐ様子の写真を見せられた時は
なんともいえぬ、
新しい時代の到来を予感しました。
■そんな彼と話をしていたときに、
興味深い話を聞きました。
それが
「就活シェアハウスとか、
シングルマザーシェアハウスって、
上手く行かない。それは何故か?」
という話でした。
ちなみに、皆さまは、
その理由は何だと思いますか?
、、、
■答えは、
『細かい比較が始まるから』
だそうです。
■例えば、「就活シェアハウス」。
元々の目的は、
「一緒に集まって、情報交換しながら、
就活の成功を目指そう!」
という共通の目的を、
共に歩むために集まったはずです。
しかし、いつからか、
就活が上手くいきシェアハウスを
離れる仲間などが出てくると、
「なんで彼だけ、、、」
という嫉妬が生まれる。
”境遇が近すぎるがゆえに比較が始まり、
それが嫉妬などにつながる”
という現象が起こるのだそう。
■あるいは
「シングルマザーシェアハウス」も
似たようなパターンがある。
そもそも
「お互いがそれぞれの状況が
わかるからこそ、助け合おう」
という共通の目的を持っていたものの
”彼女の実家は、ウチと違って
子供を預かってもらえていいな、、、”
とか、
”自分ばっかり預かってないだろうか?
いつも自分のほうが2日多く預かっている。
これは不平等では?”
という不満が出たりしやすい、
とのこと。
■つまり、ここから何が言えるのか?
一つは、
「同質性」
がもたらすデメリットでしょう。
近い境遇は、お互いの状況がわかり、
それによる焦りや向上心などの
メリットなどもあるのでしょうが、
ことコミュティの存続という意味では、
『細かい違いが目につき、
比較や優劣で負の感情が生まれやすい』
という負の側面がある、
ということかと。
■そして、平岡君はこの話の後に
このように続けました。
「シェアハウスの場合、
『3種類以上の全く違う人が集まる
コミュニティの方がうまくいく』
んだよね」
とのこと。
■例えば、100人いる。
シェアハウスに皆が住んでいる。
ただ、その中の人は、
実にバラバラ。
・アジア人、アフリカ人、欧米人
・17歳でお母さんになった人
・30歳のお母さん
・男性でシングルの人
・フリーター
・大学生
・社会人
・プロボクサー
・外資系企業で日本の代表を務める人
・デザイナー
・サラリーマン
・保育士
(※実際のHASHのイメージ)
みたいに、てんでバラバラな
バックグラウンドの人がいる。
すると、
「こんだけ違ってちゃ、
ちょっとした違いは気にならない」
という気持ちにもなるもの。
相手と自分の違いを、
どちらが良いかという比較ではなく、
「まあ、お互い状況が違うからね」
という”ただの違い”として
受け止められるようになる。
だから「コミュニティ」は
3種類以上のバラバラの背景の人が
いると、うまくいく
という話を聞いたのでした。
■これを聞いて、
なるほど、、、と思いました。
そして同時に
思い出すことがありました。
*
それは、私も2020年2月にカナダに
研修に参加しに旅をしたときのこと。
研修で出会ったブルガリア人の
ディミターさん(男性50歳)は、
こういっていました。
「ブルガリアは、共産主義で
そこで仲間とビジネスをしていたけれど、
お金のことで揉めて空中分解してしまった。
カナダは、3年住めば国籍が取得できるから
だから家族でカナダに移住しようと思った」
と語っていました。
■現在はカナダの大手、モントリオール銀行の
システム開発のプロジェクトマネージャーとして
活躍しており、
ここで働く6人のメンバーも、
色々ありカナダに来ていたそうで、
長く住む人もいれば、最近来た人もいて、
同じ国籍の人は一人もいませんでした。
ただ、
「あまりにも背景が違うから、
必ずランチはメンバーと意識的に取るし、
相手の違いを尊重して、
むしろ良質かつ深いコミュニケーションを取るように
している」
というのが、実に印象的でした。
■多様性が生みだすものは、
違いに対する寛容度もあるし、
「比較からの開放」もあるのかもしれません。
もし仮に、
シングルマザーシェアハウスの
メンバーが100人シェアハウスにいたとしたら、
「彼の親は、子供の面倒をみてくれるから、
いいよなあ…」
とはならないだろうし、
就活シェアアウスのメンバーが
その中にいたとして、
「彼女は就活成功したのに
自分はうまくいかない。なぜなんだ?」
という比較の気持ちも起こらないだろう、
と思うわけです。
■そんな事を踏まえて、
「多様な人や世界と触れることの価値」
と考えてみると、
”些末な比較を排除する”
というメリットがあるように思えます。
そして、今も経営のキーワードで
「多様性」というキーワードをよく耳にしますが、
このシェアハウスのように、
全く異質な人を、追加で2名
コミュニティにいれたとしたら、
それだけで今の組織・チームの文化も
ガラリと変わってくるのだろう、
と思います。
■日本の組織も同質性の弊害が
語られる事が多くありますが、
シェアハウスや、
モントリオール銀行のディミターさんの話から、
大いに学べることがあるよな、
そんな事を思った次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
妬みによって幸福になる人間はどこにもいない。
バルタザール・グラシアン(スペインの神学者/1601-1658)
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