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2402号 2020年9月17日

『二律背反を超克してグローバル成長企業へ跳躍するワークショップ』 を受講して思ったこと

(本日のお話  2956字/読了時間5分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のシステムコーチングの打ち合わせ。
午後からは、ダイヤモンド社のオンラインワークショップ、

『二律背反を超克してグローバル成長企業へ跳躍するワークショップ』
名和高司 氏(一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授)

に参加してまいりました。

その他、夜は再度、
システムコーチングの勉強会など。



さて、本日のお話です。

昨日午後に参加をした、
名和教授のワークショップ。

膨大な情報量で、自分の無知さを
改めて思い知るとともに、

色々と考えさせられることが
多くありました。

今日は昨日のワークショップからの学びを
皆様にご共有させていただければと思います。

タイトルはそのまま、

【 『二律背反を超克してグローバル成長企業へ跳躍するワークショップ』 を受講して思ったこと 】

それでは、どうぞ。

■今まで持っていたものの見方・考え方が、
ある時を境に、ガラリと変わること。

それは、

「パラダイム・シフト」

と呼ばれています。

(と、読者の皆様にとっては
今更感がある話ですよね)

■ただ、このわずか
7文字に秘められるインパクトは、
実に大きい。

先日もワークショップで聞いたある情報から
小さな「パラダイム・シフト」を体験しました。

ちなみに、上述の名和教授の

”グローバル成長企業へ跳躍するワークショップ”

のざっくりした内容としては、
以下のような話でした。

(※私の拙い理解からまとめているので、
あくまでも参考程度にされてください)

<ワークショップまとめ>

◯SDGs、グローバル化、デジタル化により
これからの企業は利益重視(資本主義)から、
人々の社会課題を解決することをメインにおく(志本主義)へと
変容を遂げていくであろう。

◯その時にキーワードになることが
「CSV(=共通価値の創造)」である。

CSVとは、”経済的利益の追求”と
”社会的価値(貧困問題の解決、水資源など一見お金にならなそうなもの)”を
同時に追求していくことである。

◯利益が出た会社が、CSR(企業の社会的責任)と言い、
儲かったお金のいくらかを社会的価値に投資する。
それがこれまでだとすると、利益と社会性という二律背反を
同時に実現していく企業が出てきている。

その流れを戦略として持つことが、
グローバルでの成長を加速させるであろう。

◯それが、Googleだったりセールスフォースだったり、
ネスレだったり、ユニリーバだったり、
ノボ・ノルディクスという企業。
最上位の価値に「社会性」を持ってきていることが特徴。

◯そして、その中で鍵となる重要なポイントが
「新たな価値を提案する」ということ。

例えば交通渋滞を避けるために、
”車を使わず、電車を使おう”と啓蒙するだけでなく、

それが、ユーザーの利益になると
合理的に感じさせるとともに、
持続的に収益を生むビジネスモデルを作ること。
(実際に実現した事例 → Urban Engine社)

「ボランティア」ではなく
「お金を払いたい価値」として感じさせるよう、
提供側がユーザーに提案すること、
そこが未来に向けての新たな戦略であり、成長の鍵がある。

というようなお話でした。

■非常に深く、膨大な事例があったため、

他にも面白い話がものすごくありましたし、
ここでは書ききれないのが残念ですが、

その中でも「特に面白いな」と
個人的に思った話があります。

それは、

『サプライ側(企業)が、
「こういうのが新たな価値ですよ!」と
社会性を帯びた提案することが、鍵になる』

というお話でした。

そして、先程、
「小さなパラダイム・シフトがあった」
というお話をいたしましたが、

それは皆様もご存知の
「ユニクロ」が提案している
”新たな価値”のお話を聞いた時にそれを感じたのでした。

■セミナーの中で、
名和教授がこのように問いかけるシーンがありました。

「ユニクロが提供したい、
”新しい価値”ってなんだと思います?」

という質問。

(ちなみにに名和教授は
ファーストリテイリングの社外取締役でもあります)

そして、スライドを写します。
そこにはユニクロの企業理念が書かれていました。

=========================
<ユニクロの企業理念>

ステートメント -Statement-

服を変え、常識を変え、世界を変えていく

ファーストリテイリングのミッションーMissionー

・本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、
世界中のあらゆる人々に、良い服を切る喜び、幸せ、
満足を提供します

・独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、
社会と調和ある発展を目指します

=========================

とのこと。

読んでみると、ふーん、なるほどね、で
読み流してしまいそうですが
グローバルな影響力のある企業。

そこには一語一句に当然、
意味が込められています。

では、

「服を変え、”常識を変え”、世界を変えていく」

とはなにか?

”常識を変える”とは、
何を意味するのか?

そして続く、
「新しい価値を持つ服」とはなにか?

何を言いたいのか。

■それに対して、名和教授は
このように話をされました。

「ライフウェアは”究極の普段着”です。
ユニクロはそれを目指しています。

”服”に対する価値観にも歴史がありました。

それはどんな価値観でしょうか?

昔、服は、身を守るために着ていました。
雨風や、体温の保温、
つまり、生命を守る防御のために着ていました。」

「それが、20世紀になると、

『自分を着飾るためのもの、
よく見せるためのもの』

に変わっていきました。

そして、新しい流行りの服を買い、
着せ替えてどんどん廃棄する。

、、、という価値観へ変わっていきました」

「しかし、でも、その価値観ってどうなんだ?

本当にその「着飾って消費する価値観」って
良いことなのだろうか?

着飾るじゃなく、無理をするのではなく、
そのままでいるのがカッコイイ。

それは、21世紀の服の価値観ではないだろうか?」

という提案をしているのが
ユニクロが目指している「常識を変える」の一部で
「新しい価値」としていて、それは、

SDGsの書かれていない、その企業が独自に提供する
18番目の価値なのです」

、、、
というようなお話でした。

■もちろんユニクロについても
賛否両論あるのは当然です。

「とはってもユニクロ、
ブラックと叩かれていたよね」

とか、

「そもそも消費財作っているし」

他、色々声もあるでしょう。

■しかしながら、個人的に
ユニクロがとても好きな私としては、
名和教授の話に、と大いなる共感と、
小さな服に対するパラダイム・シフトを得たのでした。

実は、自分を着飾ることには
さほど心震えませんでした。

どちらかというと、
毎日同じ服でも全然OKなタイプです。

それよりも、その服を選ぶ時間を減らして、
本を読んだり、運動をしたり、
何かを体験している方が、
私にとっては価値だったりする。

だから家には、マラソン大会でもらった
なんだかカラフルなTシャツしか
普段着はほぼありません。
そんな中で、

「そのままでいいんじゃない?
シンプルな服でいいんじゃない」

という価値観は、
私の価値観を認めてくれた気がして
なんだか嬉しかったのです。

自分が大切にしていた価値観を
言葉にしてくれているような気がして、
大げさに言うと、同胞のような感じがしたのでした。

わずかな小さなエピソード。

でもそんな小さなエピソードには、
「ユニクロの見方を変える小さなパラダイム・シフト」が
つまっていました。

そして、

「やっぱユニクロ最高!」

と、益々好きになった、というお話。

■話がグローバル成長の話から、
個人的なユニクロ好きな話まで
あっちこっちいってしまいましたが、

とはいえわかっていることはこれから、
多くの価値観が書き換えられていく、ということ。

みなさんも体感されている通り、
コロナによるここ半年の変化は、

多くの人たちに集合的な意識変容を
もたらしたと感じます。

そして、これからも
このように大きなインパクトが
テクノロジーの進化や環境問題で
次から次にやってくるでしょうし、

そのときに、

”人々が感じる価値”

も間変容を遂げていくでしょう。

そんな未来をみせてもらった気がしましたし、
そういう変化がある前提で生きていた意志、

同時に、自分もその価値をキャッチしつつ
小さいながらも提案する側でいたいな、

とも思った次第です。

とても勉強になる半日でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

自分を正しいと信じる者は万軍より強い。
自分を正しいと思えない者は、少しの力も持っていない。

トーマス・カーライル (スコットランド出身の歴史家/1795-1881)

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