18年前のある事件と『ナニワ金融道』から思う「知らないことを知らない」の恐ろしさ
(本日のお話 2678字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
連休最終日の昨日火曜日は、
朝から10キロのランニング。
その後メルマガを書いて、
それから妻と、映画『TENET』を観にいきました。
映画『TENET』の内容が難しすぎて、
そしてランニングの疲れもあいまって
あっちの世界に誘(いざな)われてしまいましたが(=寝た)、
よい連休の最終日でした。
*
さて、本日のお話です。
私が師事している経営者から
「これは教養として読んでおいたほうが良い」
と、猛烈にお勧めされた漫画に、
『ナニワ金融道』
というものがあり、
前から読みたいな、と思っていました。
その漫画がKindle Unlimitedに登録されており、
早速読み進めていたところ、
18年前のとあることを思い出し、
そして、思うことがありました。
今日はその思い出話と漫画から学んだ気づきを
皆様にご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【18年前のある事件と、『ナニワ金融道』から思う
「知らないことを知らない」の恐ろしさ】
それでは、どうぞ。
■『ナニワ金融道』という、
知る人ぞ知る漫画があります。
ちなみに、ウィキペディアによる説明は
以下の通り。
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『ナニワ金融道』(ナニワきんゆうどう)は、
青木雄二による日本の漫画。
1990年から『モーニング』(講談社)にて連載された。
単行本全19巻のほか、1999年からは文庫版全10巻が出版された。
1992年講談社漫画賞、1998年手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品。
(中略)
商都大阪を舞台に、マチ金(消費者金融)会社
「帝国金融」の営業マン灰原達之と、
借金にまつわる因業深い人間模様を描いた作品。
連帯保証人になった彼氏の借金の肩代わりをしてソープ嬢になる女、
ご祝儀を盗まれてしまい穴埋めに奔走したあげく
取り込み詐欺に手を出し破滅する男、
詐欺的先物取引で全てを失う小学校教頭、
法律の網の目をかいくぐる闇金融業者、
更にはライバル企業との対決など、
様々な人間や社会の裏表を描く。
※Wikipediaより引用
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
、、、とのこと。
うーん、大人向けの漫画ですね。
苦手な人は、苦手なお話かもしれません。
リアルすぎて、こんな生々しい話
誰が好き好んで読みたいのだ、
という人もいるかも。
■しかしながら同時に、
「これは確かに、今生きている世界を
切り取った物語なのだ」
という生々しさを感じさせられます。
ただ、自分が知らないだけで、
すぐそばに転がっているのだ…
と読んでいると、思わされるのです。
(例えば、クラブのママの連帯保証人になって家族離散。
仕事の後にアルバイトで数百万円を返すお父さんとか、、、)
■そんな漫画のエピソードを読みながら、
ふと思い出した、私の18年前(当時20歳)の、
とある出来事を思い出しました。
すっかり忘れていたのですが、
今思えば危ない話だったな、、、
という出来事です。
*
私は大学時代、
福岡県北九州市小倉(治安があまりよくない)にて
バーテンダーのバイトを やっていたことがあります。
小倉の夜の街は、
当時の私はよくわからなかったのですが
振り返ってみると危険が溢れていました。
その中で
「忘れていたけど、
こんなことあったな…」
と『ナニワ金融』を読みながら、
ふと思い出したのでした。
■私が働いていたバーと、
小倉の紺屋町にある別のバーで
共同のライブイベントを行った時の話。
イベントの会場に行く最中に、
私達の乗っているワゴンが
軽く、他の車と接触しました。
別になんてことはなく、
運転手通し、何やら話をしていました。
その後、車は出発し、
そのまま会場に向かい、
イベントも一応終え、終了しました。
■、、、しかし後日の話。
当時のバーテンダーのマスターの
共同主催者(明らかに怪しい見た目)が、
「相談がある」
といって、そのワゴンに乗っていた
私を含む4名のアルバイトの学生を
ある夜、バーに呼び出しました。
■明らかに怪しげな空気。
おしゃれだけど、薄暗いバーに、
マスターが座っています。
まあ、座りなよ、と言われて
そこで口を開かれたのが、
「実はイベントが赤字で終わったんやけどな。
赤字だと、お店的にも厳しいんよね。」
、、、はい、と黙る学生たち。
(私を含む)
ちなみにですが、
別に悪いことをしているわけではなく、
ただそのお店の手伝いをバイトとして行っただけです。
ただ雇い主がちょっと危なげ、ということ。
そして、マスターが続けます。
「それで、キミらが会場に向かう最中、
車、ぶつけられたやろ。
それでな、相談ってのが、
”首が痛い”っていって、
病院にいってくれんかね?」
、、、空気が固くなります。
「話がわかる病院が○○町にあるんよ。
そしたら保険金が下りるから
その半分キミらにあげるから、
半分を売上に貢献してくれんかの。
悪い話じゃないとおもうけの?」
、、、と相談(!)されたのでした。
■当時、何がなんだかわからず、
ただなんか不穏な空気を感じて
何もなかったようにやり過ごしましたが、
今思えば、
「首が痛いって言ってくれ」とか、
「話がわかる病院がある」とか、
「保険金の半分あげる」とか、
普通に考えると、明らかに危ない。
しかし、私は夜の街の危なさを
「知らない」ゆえに、そんな危なすぎる世界に
不用心にも足を突っ込んでいたことに、
今あらためて振り返って思って
なんとも恐ろしい状況であった…
と思ったのです。
■そして、この話を
『ナニワ金融道』を読みながら、
ふと思い出したのは、
【(危険がすぐそこにあることを)知らないことを、知らない】
ことこそが、一番危ない、
というお話でした。
それは『ナニワ金融道』で描かれる、
安易な借金や連帯保証人による末路、
もそうだし、
身近にある完全に危ない稼業(保険金詐欺)を
普通にやろうとしてくる人たちの存在、
もそう。
■確かにそこに存在しているけど、
自分が実際に出会うまでは、
”「知らない」から
自分の世界に存在しないことになっている”。
このことが実に怖いことだと
思ったわけです。
出会ったら、「ジ・エンド」なのですから…
■私がこれまで読んだことがある、
ノンフィクションのレポで、
『社会的排除』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/4986/
という本がありますが、
普通に生きていると出会わないであろう、
でも、リアルな堕ちていく話が描かれています。
現実味がないようで、
でも、ふとしたきっかけで
自分がそうなるとも限らない、
リアルな話でもあったりします。
■ただその話を「知っている」ことにより、
”君子危うきに近寄らず”
ごとく、対策や予防をとることが可能性が生まれる、
とも言えます。
一番危ないのは
『知らないことを知らない』
ことで、知らず知らず
片足を突っ込んでしまい、
転落をする、または足元をすくわれる
ということなのでしょう。
■だからゆえ、
漫画でも誰かの話でも、
新聞でも雑誌でもなんでもよいですが、
危険やリスクに対するアンテナを高くして、
まず「知ること」が大事だと思うわけです。
そして、
「ここはヤバいぞ」
「ここは近づいてはならない」
というを危険を避けるのはもとより、
未来を見据えて、
「このままいくとリスクがある」
「早いうちに対策をしたほうがよい」
という将来も踏まえた
自衛策を取ってゆくこと。
それが、人生における
身を守るすべになるし、
”防御があるからこそ、攻めることもできる”
という、無茶のない、身のある挑戦にも
つなげることができるのであろう、
そんなことを思ったのでした。
■ということで、その第一歩として、
『ナニワ金融道』
ご興味がある方は、ぜひ。
1992年講談社漫画賞、
1998年手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品、とのことで
時代背景は違えど、
かなり高い評価だけあって
学ぶことがたくさんある作品です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<本日の名言>
上天気の日に嵐のことなど考えても見ないのは、
人間共通の弱点である。
マキャヴェッリ(イタリアの政治思想家/1469-1527)
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