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2422号 2020年10月8日

「やっているつもり」を「やっている」に変えるための勇気

(本日のお話 2405字/読了時間4分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は、6件の打ち合わせ。
ならびに、1件の
システムコーチングの実施でした。

最近、ありがたいことに
色々と新しい案件が増えてきています。

気が張っているからか
朝4時に目が覚めてしまい
そのままずっと起きておりました(汗)

しかし、眠いとやっぱり
考えられないですね。

やはり睡眠、生活のリズムは
大事なんだなあ、と実感します。

無理はよくないです。



さて、本日のお話です。

昨日の夜、今私が集中的に学んでいる
システムコーチング(チームコーチング)において、

”先輩コーチから、自分のコーチングについて
フィードバックをもらう”

という機会がありました。


その経験から感じたこと、
そしてそこからの学びについて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「やっているつもり」を「やっている」に変えるための勇気】


それでは、どうぞ。



■人間関係、そして個人の
自己分析においても気づきを与える
心理学のモデルで


『ジョハリの窓』


と呼ばれるものがあります。


これは、ジョセフさんと
ハリントンさんが提唱した考えで、

横軸 = 自分が知っている/自分が知らない
縦軸 = 他人が知っている/他人が知らない

と4象限のマトリクスに区切ります。

そして、

左上 自分も他人も知っている自分の性質(開放の窓)
右上 自分は気付いていないが他人は知っている性質(盲点の窓)
左下 他人は知らないが自分は知っている性質(秘密の窓)
右下 自分も他人も知らない性質(未知の窓)

というように分けるのです。



■そして他者との対話の中で、

自分が”勇気”を持って

「自分、誰にも言ってなかったけど、
実は◯◯なんだ…」

と、

”自分は知っているけど、
他人は知らない『秘密の窓』”

を開けることによって、また
新しい関係性が生まれたりします。




あるいは、
他者からの”フィードバック”により

「あなたは気づいていないようだけど、
私からは◯◯に見えるよ」

と指摘されることより、

「えっ、自分そうなの…?」

と驚きと戸惑いとともに、
"他人は知っているけど
自分は気づいていない『盲点の窓』”

が開くことになります。


■それが人間関係・自分自身において
新たな発見となり

・人との関係性において
・自分の成長において

新たな可能性、
伸びしろを生み出したりする、

そんなモデルが『ジョハリの窓』という、
考え方です。



■、、、となんだか説明チックな
前置きが長くなってしまいましたが、
ここからが本題。

実は昨日、私自身が体験した

”先輩コーチによる、
自分のコーチング(チームコーチング)のフィードバック”

の際に、まさしくこの

『盲点の窓』

を目にすることになったのでした。


■そして、わかっていても、
『ジョハリの窓』だなあ、、、と思っても、

なんだかモヤっとする、
すぐには消化しきれない、

そんな想いも持つ、
経験をして、そこから自分を
少し内省してみたのでした。



■コーチングには、
色々なスキルがあります。

その中の一つが、

”気持ちを反映する”

というような技術があり、

クライアントのチームが、
クライアント自身で自分の状態を
気づいていただくために

有効な方法とされています。



■この”気持ちの反映”。

なんだかんだ言って、
自分も一生懸命やっている”つもり”です。

かつ「気持ちを反映しよう」という
意識でシステムコーチングに臨みます。


そして、実際に自分の録画を聞いても思うのです。
”気持ちの反映”について

「うん、まあ、やっているな」

、、、と。


■ただ、実際同じ録画を
それを先輩コーチから見てもらうと、

「、、、うーん、まだまだもう一歩かな」

というフィードバックを
もらったのでした。


自分の視点と、
先輩の視点のずれ。

どちらが正しいかといえば、
その道で先を行く先人の方が、正しい。

100%そうでなくても、
その確率が圧倒的に多い。

ゆえに、

なるほど…そう見えるのか。

とその時は受け止めるように試みてみます。

頭ではわかり、
心もそう思うように、
チャレンジします。


■そして、自分の頭の中で
こんな言葉が流します。


「善意があり、自分の成長を
心から願ってくれているのフィードバックだ。

それは、まず殆どの場合、
”的を射ている”はずである。

だから、やはり自分が自分のことを
見えていないだけなのだろうな…」

と。



■ただ、そう頭ではわかっていても、

それを
”純粋に受け止める”というのが、
なかなかに難しい。

そしてその理由を
自分で問うて考えてみました。


すると、その理由はやはり、

『今の自分を肯定したい』

からなのだと気づいたのでした。


・”今”の自分はできている、
・”今”の自分が認められたい
・”今”の自分は他者に比べて進んでいる

みたいな、自分を認めたい、
今の自分を守りたい気持ちです。


ただ、”今”にこだわると、
”未来”手に入れられるはずのものが、
手に入れられなくなってしまうことがある。



■そう考えたとき、

「フィードバックを受け止め、
消化し、昇華する」

ためには、

”今”の自分ではなく、
”未来”の自分に重心をおく必要がある、

と思ったのでした。


「今」はできていなくてもいい。
自分が「未来」に向けて進むために、
「今」の自分を手放す。

それが、


【 「やっているつもり」を「やっている」に変えるための勇気 】

である、と思います。

今の自分を否定するわけではなく、

自分の武器は武器として、
そして重ねてきた経験は経験として
十二分に認めてあげた上で、

それでも更に『盲点の窓』の中に
「もっとより良い”未来”の自分」がいると
信じてみる。



■そうやって、
時間軸を未来に伸ばして、

「未来の自分に、
自分自身が期待する」

というスタンスを持つからこそ、


時に「いや、やってるし!」みたいな、
変な意固地も手放し、

そして自分をまた新たに
作り変える、積み上げていくことが
できていくのだろうな、

と思った次第です。


■フィードバックをもらう相手の選び方は
極めて重要ですが、

・自分のことを最大限思ってくれている
・その道のプロであり知見がある
・自分の可能性を信じてあえて耳に痛いことを言ってくれる

そんな人の言葉であるならば、

”今”の自分を手放して、
”未来”の自分を手に入れられるよう、
受け入れていく努力が大事なのだろう、


そう思っております。



■よく管理職などのコーチングでも、

「いや、やってるし!」
「気をつけてるし!」

と思う人もいますが、
大体、自分が気づいていないだけで、

”善意の他者の視点”

が一番よく見えていたりします。

そういう意味でも、
受け止める勇気は多くの人にとって
とても大事なことだな、

と感じる次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

発見を妨げる最大の障害は、無知ではなく、
知っていると錯覚することである。

ダニエル・J・ブーアスティン(米国の作家/1914-2004)

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