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2452号 2020年11月7日

質問の技術(1) 〜質問とは、相手に「気づきのプレゼント」を渡すための技術である〜

(本日のお話 2001字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は、5件の個別コーチング。
その他2件の打ち合わせ。

夜からは、週末に開催している
勉強会の仲間と懇親会でした。

ちょっとざっくりした話ですが
色々と挑戦する仲間を目にして、

”人は自分が極めたい挑戦の旅路を
歩み続けるときに輝くものである”

と改めて思っております。

ひたすらに一歩一歩
積み重ねていきたいと思った次第。





さて、本日のお話です。

先日からお伝えしている
「コーチングの技術」。

・傾聴
・ペーシング
・承認
・フィードバック

とお届けしてきました。

残すところは、
いよいよ王道のスキル

「質問の技術」

に入っていきたいと思います。

それでは、早速まいりましょう。


タイトルは、



【質問の技術(1) 〜質問とは、相手に「気づきのプレゼント」を渡すための技術である〜】



それでは、どうぞ。



■”質問”には、
実にパワフルな力が
宿っていますね。


”問われること”で、
人は初めて考え初めることも
しばしばあります。

例えば、


「あなたは5年後どんな風に
なっていたいですか?」


なんていう質問も、
聞かれたことがないと、
考えることすらなかったりします。


コーチングでは
よく使われる質問ですが、

普段の生活で聞かれることは
まずなさそうですし、

あったとしたら、
だいぶ前のめりな人たちの中に
いらっしゃる方なのでしょう(笑)


、、、でも、問われるから考えるし、
考えるから、答えを見つけようとして、

そしてそこから
新たな選択肢が見つかることも、
ままあるものなのでしょう。



■さて、そんな人の可能性を広げる「質問」。

しかし、普段この2文字を
あまり深く考えることはないようです。

確かに、

・「質問」とは、そもそも
何を目的として行うものなのか?

・「質問」にはどんな種類があるのか?

・「質問」にはどのような効果があるのか?

、、、なんて考えたことがある方は
なかなか少ないのではないかと。



■しかしながら、

コーチングの技術では、
この奥深き「質問」の効果について、

因数分解をしてわけることで、
「質問の技術」として使えるように整理をしています。

これがコーチングの面白いところです。




■例えば、

”「質問」とは、そもそも
何を目的として行うものなのか? ”

という問いについて。

コーチングの世界では、
この答えに対して、


『オートクライン』


というキーワードで
その解を示しています。


■ちなみにオートクラインとは、何か?

この言葉は、生命科学用語で、

”細胞が情報(ホルモンとか)を放出した時に、
その情報を受け取る受容体を同時に作り出す”

という作用を意味します。

なんというか、
わかりやすくいえば、
”一人キャッチボール”みたいな感じでしょうか。
(あれ、わかりづらいかな、、、?)


日常の現象で言うと、

『人にしゃべっていたら
自分で「はっ!そうか!」と気づきが生まれる』

というあの現象です。



■もう少し噛み砕くために、
例えば、先程の

「あなたは5年後どんな風に
なっていたいですか?」

という質問について考えてみましょう。


それをあなたがコーチから
質問されたと考えます。

そして一応
何かしら口に出したりします。

そして上記の答えを
例えばこんな感じで続けたとします。


コーチ
「あなたは5年後どんな風に
なっていたいですか?」
あなた
「そうですね…
もっと収入を増やしていたいですね」

コーチ
「他にはありますか?」

クライアント
「健康面を良くしたいですね。
シックスパックが見えるくらい、
いい体になっていたら嬉しい、、、かな」

コーチ
「他にもありますか?」

クライアント
「良いパートナーも見つけたいかもです。
一緒に高め合えるような、そんな人がいいですね!」


、、、なんて
(仮に)やり取りしていったとします。



■すると、クライアントの脳内で、

”しゃべっていて、
「しっくりくる答え」と、
「しっくりこない答え」”

を自分で喋りながら、
感じたりするのです。


最初は、
「収入をもっと増やしていたい」
ととりあえずいってみたものの、
実はそうでもないな…と
心のどこかで感じていたり。


逆に、
「良いパートナーがほしい」
というコメントを語ってみると

「これ本当が一番ほしかったんだ!」
と気づくことがあったり。


■そんな風に、

『人にしゃべっていたら
自分で「はっ!そうか!」と気づきが生まれる』

この「オートクライン」を起こし、
相手へ”気づき”のプレゼントを与えることができるのが、
相手を支援できる”質問のプロ”である、

一つの定義ですが、
そんな風にも思うのです。



■「質問」というと、

「自分が知りたい情報を得るツール」

みたいに、イメージされます。

でも、質問とは、
そんな表面的な機能だけではないのです。


・自分が知りたい情報得る

・相手にオートクラインを起こさせる
気づきのプレゼントを渡す


そんなこともできるし、
コーチングではそれこそが質問の効果である、
としています。



■私がお世話になっているコーチの方も、

ほとんど話さず、
ただ話しやすい空気感と
適切な「質問」を通じて
私が自由に思考を拡散させてくれます。

結局、

”自分がコーチングの時間
ほとんど自分が勝手に話している。
そして勝手に解決されている”

ということになっていますが、
一人では決してできない時間なのです。


ゆえに、そんな快適な時間を作り出せるのは、
まさしくプロだな、と思います。



■ということで、
コーチングの視点からでありましたが、


『質問とは、相手にオートクラインを起こさせるもの
相手に気づきのプレゼントを渡すもの』


こんな定義をすることで
質問の見方が一つ、広がるのではなかろうか、
そんなことを思った次第です。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人は、その視野の範囲でしか成長できない。

ジョン・パウエル(イギリス出身の作曲家/1963-)

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