質問の技術(5) 〜質問をグッとマイルドに答えやすくする、『「Why」を「What」に変換する』技術〜
(本日のお話 2152字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、終日、
友人が代表を務める弁護士事務所の皆様への
『ストレングス・ファインダーのワークショップ』
の実施でした。
温かく素晴らしい皆さんで、
実施した私がとてもエネルギーを
頂いた時間でした。
ストレングス・ファインダーは、
「強み」という共通言語を通じて、
普段お互いに尊敬している、
感謝をしていることを見えるようにして
称え合う素晴らしいツールだな、
と改めて思った次第。
*
さて、本日のお話です。
お届けしております
「コーチングの技術」のメルマガ。
本日も続けてまいります。
今日もコーチングの大きなスキルである
「質問」をテーマに、皆さまにお届けいたします。
タイトルは、
【質問の技術(5) 〜質問をグッとマイルドに答えやすくする、『「Why」を「What」に変換する』技術〜】
それでは、どうぞ。
■唐突ですが、一つ
あるエピソードをご紹介させてください。
”「なぜ?」という言葉の特徴”
についてのお話です。
*
以前働いていた
採用コンサルの会社で、
当時の採用面接をしていたマネージャーが、
こんな話をしてくれました。
マネージャー曰く、
「”なぜ?”を繰り返すと、
その人の本質が見えてくる。
だから、面接の時は、
"なぜ?”を繰り返して、
その人の根っこの部分を見極めるのが大事なんだ」
■「へえ、なるほど!そうなんですね」
なんて、思っていたら、
そのマネージャーの方は
こう続けました。
「、、、と思っていたんだけどね。
ある面接のプロの方から
”なぜ”を多用するのは
面接では効果的ではない”
って言われたんだよね。。。
理由が、
『”なぜ?”は言葉が強すぎる』
っていうのと、
価値観ベースの話まで
「なぜ?」と問い詰めていくと、
人格否定のように感じさせてしまうこともあるから、
って。
俺、めっちゃ「なぜ?」って
聞きまくっていて反省したわ〜(苦笑) 」
、、、というお話。
■この話は、
”なぜ?”
という言葉の持つ特徴について
教えてくれているように感じます。
確かに、
”なぜ?(why)"
という言葉は、
物事の本質を探求する力があります。
なので、たしかに
"なぜ?"を繰り返すと、
相手を深ぼることができる。
これは効果的な使い方の一つです。
■ですが、一方
”なぜ?”と聞かれると、
先述の話で「強すぎる」とあったように、
「責められている感覚」
を少し、感じるのではないでしょうか?
例えば、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「”なぜ”、プロジェクトが上手く行かなかったの?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と聞かれたとします。
柔らかく聞いている風。
でも、なんだか責められている(詰問されている)感覚、
覚えるのではないでしょうか。
■本当は、相手は純粋に
「その理由は何なのだろう?」
と思って聞いていても、
”なぜ”が持つ特徴によって、
答えづらくなって感じることがあるのです。
■では、どうすればよいのか?
どんな質問の仕方が、
効果的なのでしょうか。
そんなときに使える、
ある「質問の技術」があります。
”質問を詰問にしないテクニック”
です。
それが、
【「Why」から「What」に変換する】
という技法です。
(シンプルですが
実に使えるのです!)
■例えば、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「”なぜ(why)”、プロジェクトが上手く行かなかったの?」
↓
パターン1
「”何が(what)”プロジェクトを上手く行かせなかったの?」
パターン2
「”何があれば(what)”、プロジェクトは上手くいったのかな?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と変換してみるのです。
すると、
ちょっとマイルドになった感じ、
答えやすくなった感じがしませんか?
(語尾に「〜かな?」をつけるのも
大事なポイントだったり)
■これは、
”なぜ(why)”を
”何が(what)”に置き換えることで、
「上手く行かなかった理由を
”自分という存在”ではなく、
”要因(what)”にフォーカスする」
ことができるので、
自分が責められている感じが、
少し和らぐのです。
ゆえに、
【「why」から「what」に変換する】
と答えやすくなる、という理屈。
■応用編として、付け加えると、
『「Why」を「How」に変換する』
のも同様に効果的です。
すなわち、
「なぜ(why)」を「どのように(how)」
としてみる。
これが、シンプルですが
whatと同様、大変便利です。
■例えば上記の例なら、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「”なぜ”、プロジェクトが上手く行かなかったのかな?」
↓
パターン3
「”どのような理由”で プロジェクトが上手く行かなかったの?」
パターン4
「”どのようにすれば”、プロジェクトは上手く行ったのかな?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
というように。
"どのような理由"とすると、
「why」単体よりも、攻める雰囲気の代わりに、
明確な原因を知的に問う雰囲気になりますし
"どのようにすれば(How)”も
攻める雰囲気の代わりに、
可能性を問うような言い換えにできます。
ゆえに、同じような質問でも、
聞き方によってマイルドになり、
相手は答えやすくなるのです。
■言葉は、とても繊細なものです。
特にコーチングのように、
相手の心の深い部分と触れようとするときは、
なおさら慎重に言葉を選ぶ必要があります。
人の心は、誰しもが
奥深くでは柔らかいのです。
ゆえに「信頼と安心感」が大事だし、
それを対話の相手が感じられるよう、
小さな工夫を積み重ねることが
とても大事なのです。
、、、ということで、
【「why」から「what」に変換する】
と相手が答えやすくなるので、
ぜひ、行ってみてくださいね。
質問はバリエーションが大事です。
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<本日の名言>
逆説は、頭の働く人の思考癖である。
アンリ・フレデリック・アミエル(スイスの詩人/1821-1881)
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