コーチングの基本「GROWモデル」〜クライアントの”ありたい姿”の実現をサポートする、パワフルな対話の型〜
(本日のお話 2956字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
ならびに、夜からは研修企画の打ち合わせでした。
お昼に久しぶりにまとまった時間ができたので、
本を読んだり、粗大ゴミの収集の手配やら、
本のPDF化サービスの申込みなど、
やろうと思っていた「未完了」を
まま終わらせる事ができました。
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*
さて、本日のお話です。
長らくお届けしてきた
コーチングシリーズのメルマガ、
今日と、あと1回で最後となります。
今日皆さまにご紹介させていただきたいのは、
”コーチングの基本モデル『GROWモデル』”
というものです。
このGROWモデルを知っておくことで、
クライアントに対して、
そして自分に対しても、
前進をし続けるサイクルを回すことが
できるようになります。
それでは早速まいりましょう。
タイトルは、
【コーチングの基本「GROWモデル」〜クライアントの”ありたい姿”の実現をサポートする、パワフルな対話の型〜】
それでは、どうぞ。
■これまでメルマガで
「コーチングの代表的なスキル」として、
・傾聴
・ペーシング
・承認
・質問
・フィードバック
のスキルを、
具体的な事例も含めて
お伝えしてまいりました。
これらの代表的なスキルを使うことで、
相手(クライアント)との間に
信頼・安心感を生み出すことができ、
心を開いた深い効果的な対話を
実現することができます。
■では、この
「コーチングの代表的なスキル」のみ行っていれば、
コーチングは十分機能するのでしょうか?
機能はします。
ただ、「十分か?」というと、
これだけでは、
答えは”否”、
なのでございます。
コーチングを
十分に機能させるための
もう一つのパーツ。
それが、
【GROWモデル】
と呼ばれる対話の型です。
■さて、「GROWモデル」とは
一体何でしょうか?
GROWモデルとは、
”クライアントに自発的に考えさせ、
行動させるための気づきと学びのサイクルを回す
コーチングの基本スキル”
とされています。
ビジネスコーチングを広めた権威でもある
英国のJohn Whitmore(ジョン・ウィットモア)氏が
開発に大きな貢献をした、とのこと。
(ゆえに、どちらかと言うと
”ビジネスシーン”において
結構使えるコーチングの型であると、
私は認識しています)
■ちなみに、GROWは、
英語の頭文字をとっており、
以下のような内容になります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<GROWモデル>
G(Goal):目標の明確化
R(Reality/Resource):現実の把握/資源の発見
O(Options):選択肢の想像
W(Will):行動の計画&目標達成の意志
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
、、、なんだか、
このように箇条書きにすると、
(うわっ、何だか重たい…)
と思いそうですが、
シンプルな話です。
■いち事例として、
私がGROWモデルを使う時は、
こんな風に使ったりします。
(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【GROWモデルの使い方 〜紀藤の例〜】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ステップ1>
まず、『今、現状はどうですか?』を聞く
{R(Reality):現実の把握 }
・仕事、家庭、経済、健康、趣味など、
「今の現状」は誰もがあります。
↓↓
<ステップ2>
次に『今、何を達成したいですか?』を聞く
あるいは、
『よりゴキゲンかつ快適な状態とは、
どんな状態なのでしょうか?』と聞く。
{G(Goal):目標の明確化 }
・あまり考えたことがなくても、
人はどこかで”より良くなりたい”という願いを持っているものです。
・この「目標」「目的」など
”ありたい姿”を、「もし〜だったら」ということで、
明確にしていきます。
※ステップ1⇔ステップ2は言ったり来たりしながら、
「現状と目標のギャップ」を明確にします。
↓↓
<ステップ3>
そして次に、『どんなリソースを活用できるだろうか?』を問う。
{R(Resource):資源の発見 }
・例えば、
人 →誰かの力を借りられるか
物 →ツールなど効率よくできるものはあるか
金 →予算はどれくらいか
情報 →その情報はどうすれば手に入るか
時間 →どれくらいの期間が必要か
などを明確にしていきます。
・私(紀藤)の場合、その情報を自分が持っていて
相手もその情報を自分から欲しがっている時は
コーチ→ コンサルティングのように関わり方を変えて
情報提供をガッツリすることもあります。
↓↓
<ステップ4>
次に、『他にどのような方法がありますか?』と聞く。
{O(Options):選択肢の想像}
・目標達成のために、また課題を解決するために
どのような”選択肢”があるのかを拡げます。
大体、それしかない、と思いこんでいたりします。
・話をしていると「あ、そういうやり方もあるかも」と
拡がることがあるもの。コーチが問いや対話で
相手の選択肢を拡げるサポートが大事です。
↓↓
<ステップ5>
『あなたは、何を/いつ/どうやって、やりますか?』
{ W(Will):行動の計画&目標達成の意志}
・人は「行動」によってのみ、変化をします。
現状も「行動」によってのみ、目標に近づきます。
ゆえに、コーチの重要な役割は、
ステップ1〜4までを行った上で、
”じゃあ、何をするか?”を明確に握って
クライアントの背中を押すなど、サポートすること。
とても重要なステップです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)
、、、というイメージ。
■あくまでも「型」なので、
常にこのステップを踏むとは
限りません。
ただ、このモデルは頭の中にあって、
そのピースを埋めるようなイメージで、
質問をしていきます。
すると、
”クライアントが目標に向かって進むための
思考の整理ができる”
のです。
これがGROWモデルの魅力である、
と思っています。
■ちなみに、このGROWモデルについて
少し付け加えさせてください。
『クリエイティブ・テンション』
(=創造的緊張)
という言葉があります。
これは『学習する組織』というベストセラーを書いた、
MIT教授のピーター・センゲによって提唱された考え方で、
”人は「ありたい姿」を描くと、
「現実」とのギャップが明確になり、
そこに『クリエイティブ・テンション』(=創造的緊張)が発生する”
といいました。
こうありたいのに、そうではない現状。
そのギャップを自分が認識したとき、
ある種の居心地の悪さ、
ストレスのようなものが生まれてきます。
しかしそれは、
”創造的”な緊張であり、
目標に向かうエネルギー源になる、
というお話です。
■目標やありたい姿を問うことは、
時に、残酷に見えるかもしれません。
なぜなら、描いてしまったら
ギャップが見えるから、
居心地のよい今が
居心地のよいものでは
なくなってしまう可能性があるからです。
それでも、人はどこかで
「もっと幸せな、充実した未来」を
求めていると(少なくとも私は)感じるし、
縁あってコーチングを受けるとか
それに近しい対話をする機会があるのなら。
「まだ見ぬ未来を想像させる問い」を投げることは
相手に対して、その人の持つ可能性を開く
とても大切な行動だと思うのです。
そしてこれは、
「GROWモデル」で言えば、
”ステップ1&2の
目標(Goal)と現状(Reality)を明確にする”
というステップに当てはまります。
■人は、ありたい姿を思い描くことで、
初めてそちら側に近づいていきます。
想像しなければ、
そうなることはない。
でも、そのためには、
自分だけではなく、外からの問い、
思考のジャンプも必要です。
そのために、コーチは存在する。
私はそのようにも感じています。
もちろんこのスキルは
コーチだけではなく、
・部下を持つ上司の方
・友人の相談に乗りたい方
・家族/パートナーの力になりたい方
実に多くの場面で使える考え方です。
ということで、
「GROWモデル」、
是非活用してみてくださいね。
次回、最後となります。
最後は、コーチングの土台中の土台になる
『自己基盤』についてです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
人間は、自分の限界よりも、
ずっと狭い範囲内で生きているに過ぎず、
色々な能力をつかいこなせないままに
放置しているのである。
ウィリアム・ジェームズ(米国の哲学者・心理学者/1842-1910)
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