「その話、もう30年前に研究されてますけど…」とならないために 〜学びの大切さを考える〜
(本日のお話 2436字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
大学院受検の勉強会でご縁を頂いた
東京大学大学院→フランス在住、
現地の大学院で博士論文を書かれている方と、
情報交換ということで
色々とお話をさせていただきましたが、
実に学びになる時間でした。
本を読み、言葉を知り、
思考を整理していく方の言葉は、
明瞭で、力があると感じます。
まだ20代とのことでしたが
世の中には尖っていて、
凄い人がいるんだなあ、
と非常に刺激を頂いた時間でした。
*
さて、本日のお話です。
最近、2月の大学院受検に向けて
勉強モードになっております。
空いている時間は
できるだけ本を読むようにし、
それをまとめるような
ちょっと贅沢な時間を過ごしています。
その中で、「学びの大切さ」について
改めて感じることがありましたので
皆さまにご共有させていただきたいと思います。
タイトルは、
【「その話、もう30年前に研究されてますけど…」とならないために
〜学びの大切さを考える〜】
それでは、どうぞ。
■私は人や組織に関わる
仕事をしております。
その中で、よく言われるのが
・ミッションを掲げる大切さ
・マネージャーがコーチングの技術を修得する意味
・部内だけではなく、
組織のタテ・ヨコ・ナナメで
繋がることで生まれる創造性
などなどです。
そして私も上記のことを
「大事なことです」などと
お客様に語ったりもしております。
■ただ、ふと思えば、
何故「大事です」と
言うようになったのかと振り返ると
(お恥ずかしい話ですが)
『皆が大事だと言っているから
大事だと思うようになった』
というのが正直なところ。
「他社もやっている。
だからコーチングは大事なんだろうと
いつしか感じるようになった」
これがホンネだなと
と思ってしまったのでした。
■そこから後づけのように、
「メンバーとのコミュニケーション」
「社内の一体化」
「縦割り組織の解消」
などの理由も考え、私自身、
・コーチングを勉強したり、
・ストレングス・ファインダーで
強みにフォーカスをする組織の作り方を学んだり
・組織ビジョンをまとめる方法を学んだり
なども、実践としてやってきました。
そしてその「実践」自体は、
決して悪いものでもないし、
それで変化をすることもままあったのです。
ただ、何かモヤッとした感が残る、
そんな感情もありました。
■そんな中、先日から始めた
【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA
にて題材本として取り上げた
『組織開発の探求 —理論に学び、実践に活かす』
(著:中原淳、中村和彦)
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3693698/
を読んでいると、
こんな事が書かれていました。
日本のこれまでの歩みの話ですが、
そしてそれを読みながら
頭に浮かぶことがあったのです。
(以下、著書を参考にまとめました)
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<日本の組織開発の歴史>
◯1980−90年代 『CI活動』が盛んになる
・CI(コーポレート・アイデンティティ)とは
=企業の存在価値を再定義する。
理念や行動指針を企業内外で共有する
それらを象徴するマークやロゴを策定する、などの取り組み
・狙い:外向き→ 社会に企業イメージを発信。企業イメージを高める。他社との差別化
狙い:内向き→ 自社の理念や行動指針を組織内に浸透させる
({インナーコミュニケーション/組織内コミュニケーション}というラベルで実践されていく。)
◯1990年代前半 『KI活動』が大企業中心に行われる
・『KI活動(知識集約型社員改革 knowledge intensive staff innovation plan)』
=技術系・開発系のスタッフを対象に、部門や部署で長期的に取り組まれる
話し合われる内容は業務について。
1)付箋を使った定期的なワイガヤミーティング
2)計画を見える化
3)部署を超えて部門内で話し合う、など
・業務革新とチームづくりを同時に行っていくことが特徴
(※この活動は数社で内製化されていて、トヨタ自動車ではKTI,キヤノンではCKI、デンソーではDKIと呼ばれている)
◯1990年代後半 『風土改革(企業風土改革)』が行われる
・オフサイト・ミーティング…気軽にまじめな話をする対話の場
・日頃なかなか語ることができない、
会社や仕事に対する問題意識を対話することを通じて、
現状での問題を発見し、その解決を当事者が考えていき、実行する。
◯2000年代 『コーチング研修』が注目される
・個業化が進み、モチベーションの低下、
コミュニケーションの不足などから
マネージャーに対するコーチング研修、
ファシリテーション研修が注目され始める
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(ここまで)
これが、日本の「組織開発(的なものも含む)」
活動の軌跡である、とのこと。
■これをまとめてつつ思ったこと。
それは「自分は過去の話を
知らなかったんだな」という気づき。
そして、
『歴史(他者の経験)には、
ヒントがたくさんある』
ということでした。
知らなかっただけで、
「会社のミッションを作って皆で語り合う」
活動は1980年くらいから、
「オフサイトミーティング」なども
1990年代くらいから試されていました。
かつ、調べると、
その効果(メリット・デメリット)も
検証されていたりする。
ただその情報を知らなければ、
30年前に行われている活動を、
またゼロベースで自分が考えて、
やっていることも、ありえるわけです。
■しかしながら、
過去の人が試したことがあるならば、
ゼロベースで自分で考える必要はありません。
歴史(他者の経験)から学び、
・活用できる課題はどんなものか
・期待できる効果はどんなものか
なども知ることが出来るし、逆に
・活用できない課題はどんなものか
・機能しない状況・環境とは?
なども判断できます。
また、
・運用時に気をつけるべきポイント
なども勉強して、実際の現場に
活用することだってできる。
それは
”学んで知っていれば”できる
のです。
■人材開発・組織開発は、
人の育成やチームの育成関わることで
誰もがそれなりの持論を持っているものです。
ゆえに、オリジナルで
作ることもできる。
そして実際、そのようなコンテンツが
乱立している感もあります。
オリジナルで作ることを
否定しているわけではありませんし
「実践」することで得られるものは
非常に大きいです。
ただ、その「実践」に加えて
過去のその道の専門家の
血と汗と涙の結晶である「理論」を学ぶことで
社内の施策の打率を
意図的に高められることもまた事実。
■学ばずに、
「その話、もう30年前に研究されてますけど…」とならないためにも、
どんな分野でも、
この話、もうすでに
試されているんじゃなかろうか、
というように、
「過去から学ぶ」
「専門家から学ぶ」
という姿勢は持ちつつ、
学ぶ大切さを忘れないことが大事なのだろう、
と思うのです。
そうして、
【「理論ある実践」を目指す】
こと。
それが、
人材開発、組織開発に携わる人に
求められていると思いますし、
同様にこれは、
営業、マーケティング、士業、経営など
他のあらゆる分野でも言える、
原則的な話なのであろう、
とも思います。
本質を、学びましょう!
大いなる自戒を込めて。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
法と支配者と、自分より賢明な人に従うことは、
節度のあることである。
ストバイオス(ギリシャの作家・編者/5世紀頃)
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