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『シェアド・リーダーシップ ーチーム全員の影響力が職場を強くする』

今週の一冊『シェアド・リーダーシップ ーチーム全員の影響力が職場を強くする』

2517号 2021年1月10日

(本日のお話 1962字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、朝からご夫婦への
システムコーチングの実施。

お昼からは大学院受験のための読書
(と昼寝でした)

集中して読むと、
結構すぐ疲れてしまいますね。

まだまだです。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

=======================

『シェアド・リーダーシップ ーチーム全員の影響力が職場を強くする』
(著:石川淳)



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です。

■この本最初に見たときは

「あんまりタイトル面白そうじゃなさそうだし、
値段も高いし(2500円)、興味ないかもなあ、、、」

なんて思っていました。

ただ、読み進めると大いなる誤解で、
実に深くて、筋肉質な本。

■まず著者である

立教大学経営学部教授 兼
立教大学リーダーシップ研究所所長で石川淳氏が、
その序文にて

「本気で書いた」

と冒頭から述べている
リーダーシップ本なのです。

■世の中には、数多く、
リーダーシップについての本があります。

坂本龍馬、イチロー、
ガンジー、マザーテレサ
松下幸之助 、、、

有名な人の言葉は
たくさん、たくさんあります。

また今を生きる有名な経営者が書いた
経営論やリーダーシップ論なども、
実にたくさんあります。

ビジネス書を読まれる方であれば
目にしたことがある人も少なくないはず。

世の中には多くのリーダーがいます。
ゆえに、ある意味その数だけ
「リーダーシップ持論」がある。

ただ、そのリーダシップ持論には
もちろん共通性もあるけれども、
やはり「1人1人の”持論”」なわけです。

■ただ、今回ご紹介している一冊は、

1,リーダーシップ研究をしている大学の教授が、

2,最先端の研究の知見を基に、
学術的なレベルで妥協せずに

3,かつビジネスパーソン向けに書いている

ところが一番のお勧めなのです。

1人1人がそれぞれの個人の経験から本質を抜き出して書いた
「リーダーシップ”持論”」ではなく、

何千何万の人に汎用的に当てはまる本質を、研究を元に書いた
「リーダーシップ”理論”」であること。

それは「研究者」だからこそ書ける、
深いメッセージであり、

この一冊の背景にも、膨大なる参考文献と、
過去の心理学者、社会心理学者、社会学者、
認知科学者などの面々が揃っているため、
説得力が素晴らしいのです。

■世にあふれる売れている
多くのリーダーシップ本の中には、
わかりやすさを重視するがゆえ、

・ビジョンが大事だ
・自分の言葉で語ることだ
・メンバーに合わせた対応をすべし

、、、みたいに、
シンプルに語りすぎてしまって
説得力を感じられない、物足りない、
ということもあるのです。

もちろんそれは悪いことではなく、
その迫力や、その物語から学べることはままあるのですが、
一方、リーダーシップ関連の本で、

「理論的な背景を軸に、
ビジネス向けにわかりやすく歩み寄った本」

というのは、
実はあんまり見かけたことがない…

と私は感じていました。

■そんな中で、今回ご紹介の
『シェアド・リーダーシップ』はいうなれば、

一章一章が極めて整理されています。
ゆえに、隙がなく汎用的な学びになっています。

裏を返せば、
「ちょっと固い」とも言えますが、

”骨太だけど、読みづらくない
研究結果を元にしたリーダーシップ本”

です。

■ちなみに、
”シェアド・リーダーシップ”

とは、
”誰か一人がカリスマ的なリーダーを発揮するような状態ではなく、
全員がリーダーシップを発揮しているチームの状態”

を指します。

ラグビーやサッカーの優れたチームのように、
全員の力を集約させて、チームの目標達成に向けて
お互いに影響を与え合うような状態であり、
それこそが、日本に求められている
リーダーシップスタイルではないか、

といいます。

いってしまうとシンプルなのですが、
その背景にある理屈が納得させられます。

■例えば、

・リーダーシップの「持論」と「理論」の違い

・なぜ、「理論」を学ぶことがよいのか?

・マネジメントとリーダーシップの違い

・変革型リーダーシップと
シェアド・リーダーシップの違い

など、今まで曖昧にしていた言葉
”マネジメント”とか”リーダーシップ”の定義づけから始まり、

・職務満足・組織コミットメントと
シェアド・リーダーシップの関係

・内発的モチベーションと
シェアド・リーダーシップの関係

・日本企業の文化的特性と
シェアド・リーダーシップの関係

など、今回の
『シェアド・リーダーシップ』なるものが、
その他の心理学や社会学などと
どのような関連があるのかも説明する。

加えて、

・フォロワーシップの4つの分類

・リーダーシップを発揮するための4つの判断軸

・パーソナリティ・ベース・リーダーシップとは

など他のリーダーシップ関連の
著名な理論も実にシンプルかつ
わかりやすく伝えてくれています。

■おそらく、好き嫌いはあるでしょう。

シンプルにわかりやすい本が
好きな方はあまりオススメはいたしません。

ただ、

”ビジネス本にはない内容の厚みを、
贅肉を落として、かつ出来るだけわかりやすく描いた
リーダーシップの理論本”

であることは間違いないかと。

抽象的な表現になってしまいましたが、
上記内容にご興味がある方で、

そしてリーダーシップについて
整理をしたいという知的好奇心が強い方、

加えて、売れているビジネスの
リーダーシップ本だと満足できない、
という理論や研究結果を大切にしたい方

などは、興味深く学べるかと思います。

知的好奇心が満たされ、
かつリーダーシップの持論を構築するために、
たいへん実用的な一冊です。

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<今週の一冊>

『シェアド・リーダーシップ ーチーム全員の影響力が職場を強くする』
(著:石川淳)



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