「モノより体験」という研究結果を、一歩踏み込んで考えてみた
(本日のお話 1912字/読了時間3分)
■おはようございます。紀藤です。
昨日日曜日は、終日読書また、
隙間時間に趣味のピアノ等弾いて、
ゆるりと過ごしておりました。
その他、大学院の出願書の作成など。
*
さて、本日のお話です。
個人的な話ですが、初めて
「ダイニングテーブル」を購入しました。
私、基本モノを買わないのですが
(というか物欲が少ない)
それは何かを買う時に
いつも思い出す話があるからです。
今日はそのお話についての共有と、
気付きについて皆様にお伝えさせて
いただければと思います。
タイトルは、
【「モノより体験」という研究結果を、一歩踏み込んで考えてみた】
それでは、どうぞ。
■コーネル大学で心理学を教える
Thomas Gilovich教授によると、
「幸福度を高めるものとは一体何か?」
の研究を20年にわたり行ってきました。
その中で見つけた結論というのは
『モノにお金を払うな』
なるシンプルな原則であったそう。
■というのも、モノを買うと、
その時は幸福度を高めてくれるのですが、
”同時にモノによる幸福度は
すぐに衰えてしまう”
という特徴があるからです。
モノによる幸福度が衰える理由は、
大きく3つあると言われています。
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<モノによる幸福度が衰えてしまう理由>
1、新しいモノでもすぐに慣れる
(最初の1週間はよくても、段々と「日常」になり
ありがたみがなくなります)
2,ハードルを上げてしまう
(新しいモノに慣れると、
より良いモノを求めてしまうものです)
3,隣の芝は青くみえる
(所有はその性質上、比較をもたらします。
いいモノを持っている人と比べてしまいます)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とのこと。
つまり、
”幸せになるためにモノを買うが、
その幸せは長続きしない”
という特徴がある、ということですね。
■では何にお金を使うのがよいか?
Thomas Gilovich教授によると、
『”体験”にお金を使うこと』
がよいと言っています。
というのも、抽象的な話ですが
自分自身が何で出来ているかと言うと
”自分のこれまでの経験、体験の蓄積”
から自分が出来ているからです。
その経験、体験とは、
思い出とそこから生み出される価値観
といってもいよいかも知れません。
・家族とハワイに行く、
・両親と家族でカニを食べる
・ギターを習う
・英語の勉強をする
、、、等々、
これまで自分が経験・体験してきたことは、
自分が何者か、という”自分のアイデンティティ”
と同化していくわけです。
そして、それらは
決して失われることはない。
かつ、思い出は美しいもの。
時間が経つほど、その価値が
逓増することがあります。
(あの旅行、楽しかったよねー、みたいに)
モノより価値が逓減することなく、
その持続性も高い。ゆえに、
『体験にお金を使うこと』
が良い、という結論です。
■、、、とここまでの話を踏まえて、
「じゃあ、モノ買わなくていいの?」
というと、そんな極端な話も
当然ながらないわけです。
では、どんなときに、
”モノにお金を使うと
効果的なのだろうか?”
をもう一歩踏み込んで
考えてみたいと思います。
そして何にお金を使うかは、
人によって様々で自由。
人それぞれの価値観に準じて
100人いれば100通りのお金の使い方をするので
正解というわけではないですが
一つの持論として聞いていただければと。
■モノを買う時に
「なぜモノによる幸福度が衰えるのか?」
を考えると、先程、
こんな3つの理由があるとお伝えしました。
<モノによる幸福度が衰えてしまう理由>
1、新しいモノでもすぐに慣れる
2,ハードルを上げてしまう
3,隣の芝は青くみえる
、、、では、上記の3つを
発生させないようなモノの買い方をすればよい。
端的に言えば、
『素晴らしい日常の体験が生み出される
「きっかけになるモノ」』
を購入することが、日々の幸福度を高める
モノの購入ではなかろうか、
と思ったのです。
■例えば、
「家」とか「車」
なども大きな買い物ですね。
(私は買ったことありませんけど)
買う派買わない派分かれますが、
買って本当に幸せそうな人は、
「その家(車)を通じて
作り出される時間と体験」
に存分に焦点を当てて
お話されていると感じます。
■私も冒頭で「ダイニングテーブルを買った」
というお話をいたしましたが、
そのモノの購入で作りたいのは、
”家族が団らんする場所”
であり、そのダイニングテーブルの
質の良し悪しでもないし、
どこどこ宅の高級ダイニングテーブルと
比較するためのものでもない。
(というか、そもそも安くていいモノが好き)
■お気に入りのものを買っても、
その価値は少しずつ慣れて逓減します。
それでも、
新しい日常の体験を生み出すための
トリガーとなるモノの購入
となった感覚は
ダイニングテーブルでもありましたし、
そういったモノの購入であれば
とても価値があることなのだろう、
、、、なんて思ったのでした。
■ここまでの話を踏まえて考えると、
以下の2点がポイントになるかと思います。
1,基本、「モノより体験にお金を使う」ほうが
中長期的な幸福度は高まる
(という前提はあるものの)
2,モノを買うのであれば”比較”や
”より良いモノがほしい”に焦点があたっていない
「日常の体験をより良くするモノ」を買う
が日々の幸福度を高める、
購入の意思決定基準ではないか、
そんなことを感じた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
人間生活にはムダなものがかなりあるが、
そのムダなもののために情緒が生まれ、
うるおいができ、人の心がなごむようなものがある。
遠藤周作(小説家・エッセイスト/1923-1996)
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