「フィードバック」が成果に繋がる実証実験のお話
(本日のお話 2006字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件のアポイント。
午後は、半休を貰いました。
出生届や、児童手当などの役所届け。
また妻のケアハウスへのお見舞いでした。
今のところ1日15分しか
面会が許可されていないので
寂しくはありますが
逆に集中して仕事に取り組んでおります。
1人の時間、大切にしていきたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
人が成長するタイミングには
色々なパターンがありますね。
その中で成長を促すパワフルな行動の一つが
「フィードバックを貰う」
ことかと思います。
今日はこの「フィードバック」について
人材開発の視点から、ある実証研究を元に、
学びと気付きを皆さまに
ご共有させていただければと思います。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「フィードバック」が成果に繋がる、ある実証研究のお話】
それでは、どうぞ。
■大人になると、
人から何か言われる機会が
少なくなります。
つまり、
「フィードバックを貰う機会が
少なくなる」
ものですね。
(特に偉くなったりするとそう。
心当たりがある皆さまも多いのではないかと!)
■フィードバックをもらわないと、
これはこれで気楽なものですが、
逆に言えば「裸の王様」になってしまう
大いなる危険性をはらみます。
フィードバックをもらわないと、
自分の心に”ゆらぎ”が起こらず、
これでいいのかな、、、と
自分を省察する機会が少なくなるからです。
*
しかし、いざ自分についての評価を、
第三者から指摘されたりすると
すなわち「耳の痛いフィードバック」
なるものをを貰うと、胸にグサリと来たりします。
しかし、その「痛み」があるから
「真剣に内省をする」わけであり、
結果、自らを変えていこうとする
きっかけにもなります。
ゆえに、
「いくつになっても、
フィードバックを貰う機会を”探索する”」
ことは大切なことかと思われます。
■実際に、これは感覚ではなく、
事実としてこんな話があります。
経営学者ロバート・レンの実証実験によると
”『フィードバック探索』をする社員ほど、
早期に高いパフォーマンスを上げやすい”
ことがわかりました。
実験の詳細はこちらでは割愛しますが、
結論から申し上げると、
・(自分が割り当てられた仕事に対して)
「期待通りの成果を出せているのか?」
・「自分は何を期待されているのか?」
・「現時点で自分がどう評価されているのか?」」
を自ら上司や同僚、部下などに
積極的に取りに行くことをする、
こういう社員は、
パフォーマンスを高めやすい、
ことがわかった、という話。
■たしかに、
「自分についての期待や評価」について
率直に上下左右に聞ける人、成長しそうですよね。
そして、この
「フィードバック探索」の行動をすると、
1,仕事のパフォーマンスが高まる
だけでなく、
2,より組織に適応できるようになる
(社内との関係がよくなる)
効果もあることもわかりました。
組織のメンバーとして、
実に効果的かつ、重要なアクションと
言えるでしょう。
ゆえに、
”フィードバックをもらいにいく”
(=フィードバック探索)
のは、やっぱり大事!
ということですね。
■、、、が、
「じゃあフィードバック、
もらいに行っちゃおうぜ!」
とノリノリで言えるかというと、
そうは簡単にはいきません。
だって、想像してみて下さい。
みなさま自身が周りの人に対して、
・「期待通りの成果を出せているのか?」
・「自分は何を期待されているのか?」
・「現時点で自分がどう評価されているのか?」」
、、、これ、
簡単に聞けますでしょうか、、、
ということ。
■正直、私だったら
ちょっと怖いです。。。
自分があんまり評価されていないと
知ってしまったら傷つくし、
あるいは、
期待されていることが大きすぎる・多すぎると
面倒なことになるかもだし…
なんて邪推も働きそうです。
■実際、経営幹部や部長で
アセスメントを貰うことを極めて嫌がる会社様は
とっても多いですし、
また、1~2年目の社員だったら
更に難しくなります。
それは、
誰にフィードバックを貰えばいいか
そもそもわからないし、
先輩・上司やたらと忙しそうだから、
聞くに聞けない。
などのランクの影響もあるからでしょう。
■これらの「フィードバックを貰う課題」について、
ミシガン大学経営学者スーザン・アシュフォードは
『フィードバックの「探索と実行のコスト」』
と表現しました。
「積極的なフィードバック探索をするのは、
新人にとって容易ではない」とし、
その理由を2つ上げました。
◯理由1:フィードバックの「探索コスト」があるから
そもそも誰からフィードバックを貰えばよいかわからない。
フィードバックをしてくれる上司や先輩は基本忙しい。。。
◯理由2:フィードバックの「実行コスト」があるから
フィードバックを受けても、
その内容を受け止め、理解し、解釈し、
実行していくためには負荷がかかる。
特に耳の痛いフィードバックを受けた時に、
正しく受け止め、正しいふるまいに
反映させていくのはかなりの努力が求められる。
、、、とのこと。
うーん、たしかに。
実に納得です。
■すなわち、ここまでのお話で、
・フィードバックを貰うことは
自らを成長させてくれる
・フィードバックを貰うことで
パフォーマンスが高まし、関係性もよくなる
というメリットもある一方
・フィードバックを貰うのは簡単ではない
(探索と実行のコストがある)
というフィードバックにまつわる
「メリットと課題」をお伝えしました。
■そしてこれらのことを踏まえて思うこと。
それは
「”大切なこと”と、
それが実践できない”課題(障害)を知る」
ことの大切さです。
私達は大切なことは、感覚的にわかっています。
フィードバックも、多分そう。
ただ、その障害があることも知らないと
実際に現実の行動にするのは難しいものです。
ゆえに、大切なことの
その大切たる所以を理解すると同時に
その障害を出来るだけクリアし、
フィードバックをもらえるように工夫する。
それが、
私達一人一人にとっても、
人材開発に関わる方にとっても、
大事なことではなかろうか、
そのように思った次第です。
フィードバック、上手く活用していきましょう!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
かたつむりに殻の様子を教えてやれるのは、
かたつむり以外の者だ。
エルバート・ハバード(米国の作家・教育者/1856-1915)
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