「研修転移」を促す代表的な2つのモデル ~その1『転移プロセスモデル』~
(本日のお話 1956字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、ひたすら読書。
『組織行動』の本をまとめておりました。
その他ランニングや妻のお見舞いなど。
*
さて、早速ですが本日のお話です。
大学院受験も大詰めということで、
今日から人材開発をテーマに、皆さまに
ひたすら学びをご共有できればと思います。
今日のテーマは「学びを行動につなげる」です。
それでは早速まいりましょう!
タイトルは、
【「研修転移」を促す代表的な2つのモデル ~その1『転移プロセスモデル』~】
それでは、どうぞ。
■あらゆる「学び」とは
「実践」が極めて重要です。
”研修で学んだだけ”でおしまい。
その後思い出すことも、実践することもなければ
現実が変化することはありません。
その”学び”が個人的な趣味や
自らの知的好奇心を満たすためなら
学んで忘れて、でも楽しい!を
繰り返すのも個人の自由ではありますが、
もし企業の研修などであればそうはいきません。
(「経営」のために会社はありますので)
■ゆえに、ある側面では
「学びは行動してこそ価値がある」
これはひとつの事実ではないか、
と思うわけです。
先程「個人の自由」ともいいいましたが、一方、
実際に研修やセミナーが好きで
色んなところに足を運ぶ、
でも実行しない、現実が変わらない、
が、セミナー費でお金がどんどん減っていく人を
我々の界隈では、
「学びんぼう」
と揶揄したりしますが、
やっぱりそれは望ましくないですね。
だからこそ、ぜひ
学びを行動に繋げたい!のです。
■ではどうすればよいのでしょうか?
そのために役立つものが
”「学びを行動に変える」ための研究結果と理論を知る”
ことかと思います。
このテーマを
『研修転移』
といい、人材開発の世界では、
一つの研究対象として扱われてきました。
(ちなみに「研修転移」とは
”研修で学んだことが、仕事の現場で一般化され、
役立てられ、かつその効果が持続されること”(中原淳,2014)
と定義されています)
そしてこの、
「研修転移を促進するモデル」として、
2つの代表的なモデルがある。
この内容が、たしかに大事!と
実に納得するものなのでした。
、、、ということで
今日明日でその2つのモデルを、
ぜひご紹介させていただきたいと思います。
(※参考書籍:中原淳.『研修転移の理論と実践』ダイヤモンド社,2018)
■まず1つ目のモデルです。
それがBaldwin&Ford(1988)による、
【転移プロセスモデル】
です。
まず、研修のアウトプットとして
”『学習と保持』が大事”
といいました。
つまり、
・研修で学んだことを覚えているか?
・スキルとして使えているか?
これがないと始まらないよね、
ということですね。
その「学習と保持」があるからこそ、
それが仕事の場面で適用され(一般化)、
効果が持続すること(維持)される。
すなわち、
”『一般化と維持』に繋がる”
のです。
シンプルに表現すると、
研修のアウトプットとは、
”学んで覚えて(=学習と保持)、
使い倒して自分のモノにする!(=一般化と維持)”
ということかと。
■では、それらの
『学習と保持』と『一般化と維持』を実現させるために
何が必要なのでしょうか?
それには、研修のインプットとして
「3つのの要素がある」とBaldwin&Fordさんはいいました。
■まず1つ目。
『1,受講者の特徴』
です。
これは受講者の「能力」「性格」「意欲」。
・学んだことを咀嚼し活用する「能力」があるか、
・分析的・理論的に学びたいと思う性格か、
直感的・感情的な人が多い「性格」か、
・学びに対してイヤイヤか、
前のめりに吸収する「意欲」があるのか、
これらの要素は学習効果に関わります。
■次に2つ目。
『2,研修設計』
です。
これは研修を構成する
「学習原理」「一連の流れ」「研修内容」です。
・受講者が講師に心理的距離の近さを感じているか、
双方向で学習者が参加型で行っているか、
・研修全体の流れも知識とスキルを獲得できる
内容やプロセスになっているだろうか。
これらも、影響してきます。
■そして3つ目。
『3,職場環境』
です。
これは「支援」「使用機会」です。
・上司や人事から学んだことを
活用するための「支援」があるか。
・そして、実際にそれを活用する
「使用機会」があるか。
これらの要素も、
「学習と保持」と「一般化と維持」に
やはり影響してくるわけです。
■、、、とつらつらと
書いてしまいました。
まとめると、以下のような話になります。
・【転移プロセスモデル】(Baldwin&Ford(1988))がある。
・人が学習を仕事の現場で行動し、
結果につなげるための研修のアウトプットを
「学習の保持」と「一般化と維持」とした。
・そのための研修のインプットの要素は以下3つ。
「1,受講者の特徴」「2,研修設計」「3,職場環境」 である。
ということ。
うん、意外とシンプルですね。
わかりやすい!(多分)
■こういった理論を知ると、
大切なことが整理されて、応用もしやすくなります。
実践が大事ですが、
その実践を再現性高く行うためにも、
こうした理論は便利です。
ということで今日は
「学びを行動に変える研修転移モデル」
の代表的な2つのモデルのうちから
【転移プロセスモデル】
をご紹介させていただきました。
明日は2つ目のモデル、
【転移マトリクス】
(Broad&Newstorm,1992)
をご紹介したいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
成果を上げる人と上げない人の差は、才能ではない。
いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を
身に着けているかどうかの問題である。
ピーター・ドラッカー(オーストリアの経済学者/1909-2005)
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