今週の一冊『共感資本社会を生きる ―共感が「お金」になる時代の新しい生き方』
(本日のお話 3085字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日はキックボクシングジムで
運動をしてきました。
その他、赤ちゃんとの戯れ、
Youtube動画作成に向けた打合せ。
Youtubeの公開は4月くらいでしょうか。
その際は、ご視聴いただければ嬉しいです。
(ぜひお楽しみに!)
*
さて、本日のお話です。
毎週に日曜日はオススメの一冊を
ご紹介する「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『共感資本社会を生きる
―共感が「お金」になる時代の新しい生き方』
新井 和宏 (著), 高橋 博之 (著) ,ダイヤモンド社
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です。
■先日、
「お金の本質行動学」
https://ems-sc007.mystrikingly.com/
なる合計4回のセミナーの
第1回に参加しました。
「お金」というキーワード、
誰にとっても気になるものですよね。
(うん、間違いない!)
私自身、前から
考えてみたいテーマの一つでありました。
■、、、というのも数年前ですが
こんなことがありました。
友人(とてもリッチな方)と
何気なく話をしていたとき、
「結局、銀行は年収とか安定性で
人を判断するからね」
と言っていました。
ただ、なんとなく
胸に引っかかるものがありました。
それはお金があることに対する
羨望か、憧れか、嫉妬か、、、
自分でもわからなかったのですが、
”何か”が引っかかったのです。
■そして、聞いてみました。
「ちなみに、お金がたくさんあって
セミリタイアした後は何がしたいの?」
対して、
「うーん、ゆっくり縁側で
お茶でも飲んで過ごしたいかな」
とのこと。
、、、なるほど、確かにそれもよい。
お金があって、
不安がなくて、
時間も余裕がある。
それはそれで、
確かに幸せそうだ、と思いました。
ただ、もう少し深く考えたら
”不満足にはなりづらい”
”不安にはなりづらい”
ということだろうな、
と感じました。
■というのは、じゃあ
「お金だけがあれば、
それでいいのだろうか」
あるいは、
「お金だけで
幸福は買えるのだろうか」
と考えてみると、また別の答えが
あるように思いました。
青臭い話に聞こえるかもしれませんが、
”お金だけで手に入らないもの”とは
・人との繋がり、とか
・社会への貢献、とか
・自分自身の成長感、とか
・世界の拡がり
と感じました。
お金があればアクセス権は
手に入りやすくなりますが、
それ”だけ”では、この世界が
与えてくれるギフトのごときものを、
一側面からしか見られないような、
そんな感覚を持ちました。
■そんなところから、
「お金」
に対して、より求める気持ちと
ツールにしかすぎないと思う気持ちと、
そんな思いを抱えながら
今なお、お付き合いをしているというのが、
私自身の現状でもあります。
■そしてこの話は、私だけではないはず。
「お金」とは誰にとっても大切なものです。
あっても困らないし、
あれば選択肢を拡げられるし、
自分や家族を助けることもできる。
一方、
争いの元になったり、
人を狂気に走らせたり、
不幸にしてしまうものでもある。
■こんなに多くの、
プラス・マイナスの
たくさんの捉え方がある
「お金」なる存在とは一体なんぞや?
、、、この疑問は
人類共通のテーマとも思えるほどです。
■このことについて、
本著作では、
「お金の本質」
について語るものです。
ゆえに、
「FXでお金を増やす!」とか
「FIRE」でリタイヤを目指す、
「投資でポートフォリオを組んで老後2,000万円を貯める」
という話とは違う視点からの
アプローチです。
ゆえに、ものすごく考えさせられます。
■新しい世界を作ろうとする
2人のプロフェッショナルが、
「共感資本」
という新しい経済の姿をテーマに、
対話をしている著作なのです。
「お金」を通じた新しい未来を
現実的に想像させてくれる、
そんな一冊だと私は感じました。
■ちなみに、著者の方が、
大変興味深い経歴を持たれています。
新井和宏氏。
「鎌倉投信」という、
”いい会社”にだけ投資をするという投資信託の
ファウンダーとして有名な方です。
住友信託銀行→外資系金融機関で働き、
数兆円を動かした経歴を持ちます。
曰く、
「世界のお金は自分が操っていると
思っていた時期もあった」
という著書の一部で触れるほどの新井氏。
しかし、そんな金融の世界で活躍していた中
大病を患い、リーマンショックが起こったことから
「金融工学、金融市場、、、
今の金融資本主義とは本当に正しいのか?」
と疑問を持つようになります。
■お金がお金を生む金融資本主義。
そもそも何か作り出しているわけではない。
お金を右から左へ動かすことで
生み出された「お金」とは、
考えてみると実に不思議なのです。
そして「新しいお金のあり方とはなにか?」を
その道で成功を収めた上で、考えるようになりました。
■私もこの著書を読みながら
改めて思ったのが
金融市場でお金の移動で生み出された
何億もの利益と、
地方の旅館で、
食材を仕入れ、仕込んで、
丁寧に接客をして稼ぐ1万円を比較した時
”生み出された感情としての
「ありがとう」の量と質”
はその金額の対比ほどの
インパクトがあるのだろうか、、、
と感じました。
お金って単一だけど色がある。
重みも違う、、、そう感じました。
■今、社会には多数の課題があります。
貧困、待機児童、教育格差
働き方、
高齢化、都市化
食の安全性、
環境問題、、、
日本は経済的に先進国として
非常に豊かである一方、
10~39歳までの死因の1位が
自殺という、
幸福とは言い難い
社会の一側面としての現実があります。
■この著書の序章では
それらの社会課題に共通する根本的な問題として
”選択ができないこと”
を挙げています。
1)選択肢がある
2)選択できる環境や能力がある
これが満たされることが
社会課題を解決することに繋がる。
そして、選択により
多様性が認められることで
いい会社、良い社会が生まれていく。
■しかしながら、1つだけ、
多様性の影響が及ばないものがある。
それが、
「お金」
である、というのです。
GDP、年収、ROE、売上、
この”単一のメジャーメント”は、
価値を測るのに便利かもしれない。
”単一のメジャーメント”により、
競争が生まれ、経済成長が生まれ
世の中が便利になってきました。
一方、それメリット以上に
副作用が強くなってきたのが現状なのです。
■地球規模でみれば、
資源がなくなっている。
SDGsやESGなど代表されるように
持続可能性の方がテーマとしては重要。
しかし、それすら資本主義の
ひとつのツールになってしまう。
家電にも消費財にも、
いろんな機能っぽい付加価値を付けて
プロモーションをして「競争」する。
もうそんなすごい機能はいらなくて、
充分すぎるほどと感じているのに、
必要な仕事(bullshit job)を生み出し
そのことを感じつつ戦い続けることで
幸せや心の豊かさを
感じられなくなってしまったり。
■社会の問題を生み出す一つの原因、
幸せや心の豊かさを感じられなくしているのが、
「お金という単一のメジャーメントではないか」
と新井氏は語ります。
そして、
「”お金”の多様性をもたせること」
を実現する環境として、
『eumo(ユーモ)』という地域通貨を生み出し、
実証実験を始めています。
「共感」=「ありがとう」により
通貨が流通し、貯めることができない仕組み。
使ったほうも嬉しい。
もらった方も嬉しい。
ギブする贈与経済を成り立たせることができる
「新しいお金」の仕組み。
あるべきところにお金が回る、
一つの「お金の未来」として、
新しい視点を与えてくれます。
■未来がどうなるかはわかりません。
ただ、数十年後に
このような形での地域通貨が使われることは、
充分に想像できる未来です。
そして、これらの通貨も
現在の経済と同時並行で社会が回ったとしたら、
もっと皆が貢献をしよう
誰かの役に立とう、
社会のためになろう、
という場所が増えて
貢献が自然と増幅される
世の中になるだろうな、
とイメージさせられます。
■以下、著書より
目次の一部をご紹介いたします。
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『共感資本社会を生きる
―共感が「お金」になる時代の新しい生き方』より
目次(※一部ご紹介)
Part1 新しい「お金」と、新しい「生き方」
・お金ってなんだろう?
・お金は社会を豊かにしているのか?
・「決済」という言葉には、
お金の性質がすべて現れている
・GDPは、もはや豊かさを測れない
・そもそも間違っているのは、お金の「定義」 他
Part2 新しい「市場」と、新しいつながり
・地域にあるのは、誰のために生きるヒント
・都市の「不自然」が奪うもの、
コミュニケーションの効率化で失うもの
・いつから「目的」がないと何もできなくなったのか
・「生きている実感」から若者を遠ざけているものの正体
・不確実性が増す時代だからこそ、「いまを生きる」 他
Part3 新しい「資本」と、新しい幸せ
・お金の切れ目が縁の始まりに
・「間」で交わされる対話から、共感資本が生まれる
・「豊かだけど幸せじゃない」に気付けるかどうか
・どんな社会で生きていくかは、自分で選べる 他
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「お金」という存在に
自分が囚われている、
「お金」と幸福の関係とは
一体何なのか、、、
そんな疑問を感じている方は、
ぜひご一読されてみてください。
新しい視点が手に入るはずです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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<今週の一冊>
『共感資本社会を生きる
―共感が「お金」になる時代の新しい生き方』
新井 和宏 (著), 高橋 博之 (著) ,ダイヤモンド社
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