「社外勉強会」と「業績」は、ぶっちゃけ関係しているのか?の答え ー「越境学習」の研究から紐解くー
(本日のお話 1223字/読了時間1分半)
■おはようございます。紀藤です。
昨日は午前1件のアポイント。
また午後からはオンラインでの、
コーチングセミナーの実施運営。
夜はキックボクシングジム。
*
さて、本日のお話です。
大学院の受験勉強で
『越境学習』
(=境界を超えて学ぶ、
つまり会社を超えて学ぶこと)
の効果について学んだのですが、
改めて今の時代、
社外での学びというのが
1人1人にとっても重要なことであると
感じております。
今日はそのお話について、
皆さまに学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。
それでは早速参りましょう!
タイトルは、
【「社外勉強会」と「業績」は、ぶっちゃけ関係しているのか?の答え
ー「越境学習」の研究から紐解くー 】
それでは、どうぞ。
■皆さまは、
「社外の勉強会」
にこれまで、ご参加されたことは
ありますでしょうか。
例えば、
・読書会
・コーチングスクール
・経営塾
・英語塾
・リベラルアーツを学ぶ会
・マーケティング/ファイナンススクール
・大学院
・有志の勉強会
・今話題のClubhouse(もそうなのかな?)
などでしょうか。
目を向けてみると
実に様々な会が開催されています。
■テクノロジーの進化と、
昨今のコロナ禍の影響も合わさって
オンラインツールが
急激に世の中に浸透したことから、
”社外での学びが
以前よりも身近になった”
と感じます。
同時に、100年時代という言葉、
終身雇用を信じなくなっている
雇用環境なども含めて、
社外での学びは、
私の感覚的ではありますが、
ここ2~3年で急激に
注目度が高まっているよう。
■そんな「社外での学び」は
”会社という境界を越えて学ぶ”
という意味で、専門的には
『越境学習』
と呼ばれ、学習の一つの研究分野として
注目されています。
■この「越境学習」。
職場の人と関わる、ではなく、
社外に出ていき外部の人と関わることであるため、
人によっては
「外で水を売っているよりも、
社内でできることがあるのではないか?」
「社外の勉強会など参加して
業務に支障はないのか?」
「好きなことばっかりやってがんばっちゃってるけど、
実際の仕事は疎かになっていないのかね?」
という声もあるようです。
(個人的には、最近は流石に減ったと思いますが、
社外勉強会には、「負の社会的スティグマ」なるものが存在している、
とも言われています)
■では、実際のところ、
『越境学習』
がもたらす効果とは
どのようなものなのか?
プラスなのか、
はたまたマイナスなのか?
このことについて、
興味深いデータがあります。
2012年に、623名の日本企業で働く
22歳以上を対象にとったデータです。
(参考:中原淳,『経営学習論 ー人材育成を科学するー』,東京大学出版会)
■まず、
「Q,社外勉強会に直近3年間で参加したことがあるか?」
という質問をN=623名にしました。
「社外勉強会に参加したことがある」と答えた割合は、
以下の通りです。
・一般社員 34.0%
・管理職 36.5%
・部長・役員 41.2%
このデータから事実を読み取れることは
”役職が上がるほど、社外の勉強会に
参加したことがある人が増える”
という傾向です。
なるほど、まあ、役職上がると
外とのつながりも増えるしね、、、
という感じもしますね。
■そして、興味深いのはここから。
「社外勉強会への参加/非参加による個人業績の違い」
です。
…結論からすると、
『社外勉強会に参加をしている人のほうが、
社外勉強会に参加をしていない人よりも、
個人業績が高い(!)』
ことがわかりました。
個人業績の測定の仕方としては
「わたし自身は職場で高い業績をあげている」
という自己評定を行い、分析しました。
結果、統計的優位に、
個人業績と社外勉強会の関連が見て取れたのです。
■加えて、もう一つのデータ。
「社外勉強会に参加する人」の動機は、
・自分の知識や技術の専門性を高めたいから
・新しいアイデアや直送を生み出したいから
・自分の仕事を見つめ直したいから
などの「キャリア・成長志向」を持つ人が
多いことがわかりました。
そして、そうした、
「キャリア・成長志向を持つ人」の傾向として、
『組織コミットメントが高い』
(=組織への同一化・没入化のこと)
ことが、これもデータでわかりました。
組織コミットメント、すなわち、
「組織に対しても
自分の役割を超えて貢献をしよう」
という、いわゆる良き市民としての組織人が
統計的優位に高いことがわかったのです。
■つまり、何がいいたいかと言うと、
【社外勉強会への参加は
1)個人業績の高さに影響する
2)組織コミットメントの高さに影響する
ので、組織にとってプラスに働く】
ということ。
もちろん、上記データは一部で
まだまだ研究が必要な領域かと思いますが、
傾向として知っておくだけでも、
実に興味深い話ではないかと思います。
■特定の人間しか付き合っていないと、
どうしても考え方が固定化してしまいます。
それは仕事だと特にそう。
・いつもの上司・同僚・部下
・いつもの職場
・いつもの仕事の仕方
、、、それをひたすら
繰り返していたとすると、
世の中は多くの考え方や
イノベーティブな手法が溢れているのに、
自分の世界が見えている範囲だけに
なってしまい、考えが硬直化します。
■自分の視点を変えてくれるもの、
すなわち、
「ものの見方、考え方(パラダイム)」
を変えてくれるものとは、
『未知の世界』であり
『外との交わり』
なのです。
外の世界に出ること。
それは自らに新しい考え方をインストールし
自分にイノベーションをもたらすことです。
それは一時的に、
自らに”ゆらぎ”が起こりますが、
そうした方が自分の未来にも
能力の向上にも、拡がりが出てくる、
と思います。
ということで、こういった時代だからこそ
「外の世界」に積極的に交わっていきたいもの。
そのように思う次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
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<本日の名言>
創造性を得るには、確実性を手放す勇気が必要である。
エーリヒ・フロム(ドイツの精神分析学者/1900-1980)
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