今週の一冊『お金の減らし方』
(本日のお話 2254字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日はオンラインでの
ミーティング3件と、
夜は、”猫町倶楽部”という
オンライン読書会に参加をいたしました。
なかなか興味深い会で、
また参加したい(というか開催したい)と思いました。
このお話については、また改めて。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
=====================
『お金の減らし方』
(著:森 博嗣)
=====================
です。
■私事ですが、最近、
「お金とは何ぞや?」
というテーマが
もっぱら関心事項の一つ。
その学びのプロセスで
『お金の本質行動学』
なる勉強会に参加しています。
この勉強会、FXとか
投資運用で金増やすぞ!
的な勉強会ではありません。
そもそもの
「お金の本質とは何か?」
を深く考えていく勉強会です。
■そしてその中で推薦されていた一冊が
今日ご紹介の
『お金の減らし方』(著:森 博嗣)
なのでした。
さて、この本、タイトルからして
「お金の増やし方」ではなく
『お金の減らし方』と書いてあるところに
ユーモアさがありますね。
■この著書を読みながら
私が感じたメッセージは、
以下のようなことです。
・お金とは、そもそも仮想のものである。
・大事なことはお金を貯めることではなく、
”自分が満足いく人生にする”こと。
・ゆえに、”お金は使うとき”にこそ
その意味を見出す。
・では、どうやってあなたは
”上手にお金を減らし”ますか?
というメッセージ。
文字にしてみると当たり前のことを
言っているように感じるかもしれません。
しかし、よく考えると、
深い内容であると感じます。
■例えば、私達がお金を使う時。
”誰かによく見られたい”
という視点が中心になって
お金を使ってはいまいか?
それが本人にとって
本当に価値あるものであればよい。
ただ、本当はそんなにほしくないけれど、
「持っているとカッコいい」
「持っていると憧れられる」
という、”見られ方”のために
それを欲していることはないか?
■あるいは、
「自分が何を欲しているのか?」について、
いざ考えてみると、意外と出てこない、
ことがあったり。
つまり、
”自分がお金を減らしたい”、
と思う対象物が考えても出てこず、
もしかすると、欲に対しての抑圧、
やりたいこと、好奇心への
自分の感度が鈍ってはいないか?
、、、とか。
■はたまた時間軸で考えたときも、
”短期的な、「消費」にお金を使う”
ばかりで、使っていて
気楽で楽しいけど、心からの満足感はない。
”長期的な「自分への投資」にお金を使う”
ことで、子供のときのような
探求する心からの喜びを得られているだろうか?
、、、などなど。
このような「お金」という
一つのシンボルを通じて、
自分の価値観、
自分の目標、
自分の成功の定義、
などを問われているように
感じるのでした。
■ちなみに、この著者の森氏は、
小説家として有名な方です。
小説家としての印税は
数十億にものぼりますので、
いわゆる「お金持ち」に
分類される方です。
ただ、よくある
「秒で1億稼ぐ」みたいな人と
何が違うかと言うと
「金持ちになるぞ!」
と力んでお金持ちになったわけではない、
ということ。
■むしろ、著者と著書からは
お金に対する執着は感じられません。
大学院で研究をする傍ら、
バイトで小説を書いていたら
そのことがきっかけで
小説がヒットし印税が手に入った、
という経緯もあるかもしれません。
著書を読んでいると、至って謙虚であられ、
本人も、生活は昔と何一つ変わっていない、
と語りますし、実際そうなのだろうな、
と伝わってきます。
■だからこそ、
「お金とは幻想であり、
ツールでしかない」
「自分の幸せの定義とは?」
「自分がお金を通じて
得たいものとはなにか?」
と突っ込んだ語りが、
説得力を持って伝わってくると感じます。
それがまさしく
お金を考える上で本質的で大切なこと、
つまり、
「あなたは何がしたいのですか?」
「あなたが”本当に”
お金を使いたいと思うことは何か?」
と考える機会を与えてくれる。
そんな気がしたのでした。
■以下、いくつか著書の中で、
心に残った文章を共有させてください。
(ここから)
◯値段がすなわち価値だ、という安直な認識に
長く浸かっていると、高価なものは価値がある、
高価なものを持っていれば周囲から尊敬される、
というような歪んだ価値観へシフトしてしまうかもしれない。
何が間違っているのかといえば、自分の欲しい物が
わからない人間になっている、という点である。
◯あなた一人、自分がどう考えるかが、
あなたの人生の基本であり、
自分を楽しませるために、あなたは生きているのだから、
素直に自分の思う通りに、つまり自由にすればよろしい。
◯周囲とのコミュニケーションが
必要以上に個人を拘束しているため、
自分がしたいことではなく、みんながしたいことを自分もしたい、
と思い込むようになっている
◯お金は、目的ではない。
お金を得ることが目的であるわけではない。
目的を達成するための手段として、お金があるのである。
これは、お金に価値があるのではなく、
目的に価値がある、という意味でもある。
◯お金の価値とは、
自分がやりたいことを実現するための可能性なのだ。
そう考えている人ならば、楽をして金を増やそうなどと
考える暇もないだろう。
楽しいことが目の前にありすぎて
金を増やすことではなく、どんな順番で金を減らそうか、
とばかり考えているはずだからだ。
◯人は自分が望んだ通りの者になる。
望まないものにはならない。
誰もが日常において、常に自分の欲望を基本として選択し、
自分が望む道を選んで歩いている。
(中略)少しでもそちらへ近づこうと努力をする。
その過程で、無理ではないか、という不安を持つことも
普通であるが、努力を続け、諦めなければ、
少なくとも近づき続けるだろう。
(ここまで)
■他にもたくさん、
ご紹介したい言葉がありますが、
書きながらきりがないと思いましたので
ご興味がある方は、
ぜひ著書をお読み頂ければと思います。
■この本は、
”本当にお金がなくて困窮している”
という方よりも、
”ある程度、困らないくらいには
お金はあるけれども、
不安をなくすため、安心のため、
「お金」のために働いている気がする”
(そしてなんだかモヤッとした気がする)
と感じる世の方に、
ぜひお読みいただきたい
一冊でございます。
■以下、著書より
目次を含めたご紹介でございます。
(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
人気作家が明かすお金に縛られない生き方
お金を他人のために使ってはいけない
・お金はもともと仮想のもの
・お金は社会が保証したもの
・お金は価値を測る物差し
・価値は誰のためのものか?
・自分の欲求をよく知ることが基本
・値段が価値ではない
・ものの値段に左右されない
・お金がないからできない?
・自分の満足を得ることが最終目的
・他者のためにお金を使う人たち
・価値を見極めるためには?
・自分の欲求をよく知ることが基本
●目次
まえがき
第1章 お金とは何か?
第2章 お金を何に使うのか?
第3章 お金を増やす方法
第4章 お金がないからできない?
第5章 欲しいものを買うために
第6章 欲しいものを知るために
あとがき
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)
実に深いテーマです。
人と比べず、
自分の軸を見つける旅。
それがお金を考えるということかも、、、
とも思ってきた今日この頃。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。
=========================
<今週の一冊>
『お金の減らし方』
(著:森 博嗣)
=========================